へそくり,調査,貯金
(写真=PIXTA)

明治安田生命が実施した「夫婦のへそくり」に関するアンケート調査で、20代〜50代の平均が、2006年から調査開始以来、最高額の「89万8495円」という結果が出た。前年から約20万円も増えている。

2013年からは60代・70代のへそくり金額調査も実施しており、今回の20代〜70代までの全体平均で「116万6002円」と、これもまた調査開始以来の最高額だった。

へそくり額増加の大きな要因の一つに、若年層の失業率の改善と彼らの間に貯蓄志向が高まっていることが挙げられる。とてもいい傾向だが、行きすぎると消費低迷・景気悪化につながるのではないかと懸念される。また使用目的はという問いには、男女・年代関係なく1つの目的が突出して挙げられた。

へそくり額は調査開始以来の最高額

20代もへそくりしていることが分かっている。20代のへそくり金額は「66万6019円」と、前年と比較すると約12万円もの増加になる。この20代のへそくり金額は、男女ともに2012年の調査開始時の金額の約2倍以上となっている。

20代のへそくり金額の大幅な増加の背景には、昨今の雇用環境の改善が大きく影響しているのではないかと考えられる。その中でも特に若年層の失業率の改善は著しく、2012年以降から10%超えの高水準から5%前後にまで急低下している。この失業率の改善が、回り回って彼らの大幅なへそくり金額の増加につながっているのではないだろうか。

調査時の20代は、バブル崩壊後に生まれた子供たちである。不景気特有の不穏な空気の中で育ち、この先何があるかわからないからとコツコツ貯蓄しようとする傾向にある。

行き過ぎた貯蓄志向の先には

いざという時のために普段からしっかり貯めておこうという「貯蓄志向」の動き自体は、個々の世帯ベースに見るととてもいいことである。

しかし、その傾向があまりにも行き過ぎてしまうと景気悪化のリスクが浮かび上がってくる。あまりにも貯蓄志向が強まってしまうと、個人消費の減少が引き起こされてしまう。そしてこれが景気悪化につながってしまうかもしれない。

へそくりの使用目的は?

へそくりの目的は、性別、年代問わず「いざというときのため」という回答が多く、69.7%で断トツあった。

年代別にみると、前述の「いざというときのため」という回答が相変わらずトップ独走だが、男女ともに60代で若干下げる。特に60代の男性場合は、それまで2位だった「趣味のため」がわずかながらトップ。

男女別の比較では、依然トップは同じだが2位は異なる結果となった。夫は「趣味のため」(51.2%)と答える一方で、妻は「将来のため」(37.7%)となっている。この先の将来も大切だが、今この時を楽しみたい男性と、女性ならではの先を見据えてしっかり備えておきたい傾向が前面に出たといったところである。

今後の展開は?

互いに秘密にしてお金を貯めておくことは、何やら夫婦間の信用性にひびが入るような気がしなくもないが、調査してみるとお互いの貯める理由が共通しているため、決して悪いことでもないように感じられる。また若年層は失業率の著しい改善から、彼らも貯蓄できるようになってきたということが分かった。しかし、この貯蓄志向が行き過ぎてしまうと消費減少による景気悪化・低迷が考えられるため、これからも注視する必要がある。(ZUU online 編集部)

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