1月16~20日の東京株式市場はもみ合いとなった。週前半は、英国のメイ首相によるEU(欧州連合)離脱の表明や、トランプ米大統領による就任前の「ドル高けん制発言」を背景に、日経平均株価は一時的に1万9000円台を割り込んだ。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が利上げに前向きな姿勢を示したことをきっかけに安値から戻す展開となっている。

「米国第一主義を実行する」20日に就任したトランプ米大統領はそう宣言した。就任直後にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)離脱やNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を表明、選挙中に訴えていた政策の実現に動き出している。今後は大統領就任前の世界的な株高の一因でもあった減税や財政政策の具体策についても注目されるところだ。

機械、情報通信に目立つ上振れ銘柄

それでは、今回は東証1部上場銘柄で25日移動平均からの「プラス方向のかい離率の高い」上位10社をみていきたい。

(1)ジーンズメイト <7448> +31.35
(2)ライク <2462> +30.01
(3)フリュー <6238> +27.29
(4)イー・ガーディアン <6050> +23.09
(5)ヤマシンフィルタ <6240> +21.28
(6)ローツェ <6323> +20.64
(7)イワキ <8095> +17.14
(8)ブレインパッド <3655> +14.87
(9)gumi <3903> +14.52
(10)さくらインターネット <3778> +14.19
※銘柄、証券コード、かい離率の順。

値動きの良い中小型株がランキング上位を占めた。業種別でみると機械と情報通信業が各3銘柄、サービス2銘柄、小売と卸売が各1銘柄となっている。週前半に円高が進み、日経平均株価が1万9000円を割り込むなかで、相場全体の動きとの関連の薄い銘柄に短期資金が集まった可能性がある。

ジーンズメイト、RIZAPグループのTOBで上昇

今回のランキングからジーンズメイト、ライク、フリューの3銘柄を取りあげたい。

ジーンズメイトはジーンズを中心に展開する衣料品店。業績不振が続き、2016年は株価が200円前後で低迷していた。

1月16日、フィットネスクラブを運営するRIZAPグループ <2928> がTOB(株式公開買い付け)や増資により、ジーンズメイトを子会社化すると発表した。TOB発表後、ジーンズメイト株はTOB価格(1株160円)を大幅に上回る水準へ上昇した。RIZAPグループ傘下で収益改善が進むとの期待感が広がっている。

ライク、本業の人材派遣業や介護事業が好調

ライクは、大阪市に本社を置く人材サービス会社。2016年12月にジェイコムホールディングスから社名変更した。

1月10日に発表した11月中間決算(同社の決算期は5月)は、営業利益が従来予想の8億円を上回る9億2500億円となった。子会社ライクスタッフィングが展開する総合人材サービス事業でモバイル・アパレル等のサービス業界、コールセンター・物流、保育・介護業界を中心に取引が拡大した。

また、同じく子会社サンライズ・ヴィラの介護関連サービス事業について、入居が実質満床となり、収益に寄与した。通期予想は据え置きとしたが、通期での業績上振れ期待で買いが広がった。

2016年大納会のライク株の終値は1954円。今年に入ってから、ほぼ一本調子で上昇している。

フリュー、株式分割や優待制度導入で上昇

フリューは、プリントシール機や携帯電話用アプリなどを主力とするエンターテイメント企業。オムロン <6645> の新規事業として発足し、2007年に独立した。

フリューは1月13日、株式1株を3株にする株式分割と、新たにクオカード2000円分を提供する株主優待制度の導入を発表した。この2つが買い手掛かりとなり、株価が上昇した。株式分割は2月28日を基準日として実施する。株主優待は3月末現在で100株以上を保有する株主が対象となる。(ZUU online 編集部)

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