「イングランド銀行(BoE)は近いうちに利上げに踏み切るべき」という意見が、金融政策委員会(MPC)からあがっている。

Brexitの不透明さから「2019年までは現状維持」との説が濃厚だっただけに、意外な見解として受けとめられているが、BoEも一部でインフレ加速への懸念が強まっていることを認めており、可能性ゼロとも断言しかねる。

手探りの金融政策という感が否めないBoE 引き続きBrexitの影響を懸念

昨年6月のEU離脱投票以降、利上げの可能性が議論されるのはこれが初めてだ。マーク・カーニー総裁は2月2日、政策金利と資産買入れともに現状維持の意向を表明する一方で、英経済成長予想を1.4%から2%に大幅上方修正。インフレへの懸念も示した。

しかしインフレが予想以上に急速に進んでいることから、米エコノミスト者兼MPCの外部委員、クリスティン・フォーブス氏は低金利政策の継続に懸念をとなえている。

ロイターなどの報道によると、フォーブス氏は前回の予想の時点で、成長率や雇用率よりも早くインフレが上昇する可能性が高かったと指摘。「新たな予想では耐久しうる限界水準を上回る」とし、利上げに踏みきるべきだという見解を示している。

フォーブス氏は昨年8月の利下げには賛成票を投じたものの、国債買い入れ枠の拡大などには反対意見を表明していた。また来月に予定されているBrexit交渉開始後も、ポンドの変動は継続すると見ている。

2月7日にロイターが実施した調査では、今後1年間にわたりポンドが1.21ドル(約138円)まで落ちこむとエコノミストは予測している。

低金利政策の継続に関しては英政府も最善策と見なしておらず、テリーザ・メイ首相がBoEの判断を批判するという異例の出来事も報じられた。これに対しカーニー総裁は、金融政策への政治的介入を拒絶する姿勢を示した。カーニー総裁の任期は1年延長され、2019年6月まで留任することが決定している。

BoEが手探りで金融政策を進めている感は否めない。カーニー総裁はくり返し、今後Brexitによる影響が表面化することへの警告を発している。(ZUU online 編集部)

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