不動産テック,real estate tech,ネクスト
ネクスト・井上社長(写真=筆者)

ネクスト <2120> は近く、社名を「Lifull」に変更し、現在の不動産・住宅情報ビジネスから「2025年を目指し、世界100か国において人々の暮らし全般をカバーする情報企業へと業容の転換を図っていく」(井上高志代表取締役社長)方針だ。1月末開かれたマスコミ向けセミナーから、総掲載物件数No.1の不動産・住宅情報サイト「HOME’S」の運営を軸に成長してきた同社の次のステージ「不動産テック(ReTech、リーテック)戦略」をレポートする。(経済ジャーナリスト 丸山隆平)

日本の住宅市場の“失われた500兆円”。市場の透明度は19位に過ぎない。

井上社長はまず、現在、不動産業界が抱える問題の背景として、▽最も悲観的な予測では今後80年で約半分になる日本の人口減少▽15年で倍増が見込まれる日本の空家数▽米国に比較して「不動産購入は一生に一回」、「新築至上主義」、「市場の透明度が低い」、「取引価格情報データベースが存在しない」などの日本の不動産市場の遅れ――を指摘。日本の不動産・住宅市場の“失われた500兆円”について解説した。

「日本の市場は新築偏重であり、不動産・住宅の評価方法に問題がある」とする。「米国では市場評価額が累計投資額に見合った額を保たれているのに対し、日本では投資累積額を大きく下回る額の資産しか積み上がっていない」(井上社長)。

「日本では建物資産分の500兆円が失われた。これは日本の不動産市場の透明度が低いことにもつながっている。英、豪、加、米、仏などの不動産先進国と比較して日本の不動産透明度は世界で19位だ」とのデータを挙げた。

ICTで住宅・不動産業界にパラダイムシフトを起こす

これらの日本の住宅・不動産市場の抱える大きな課題をICT(情報通信技術)で根本的な変革を起こそうとしている。井上社長はそれを「不動産テック(ReTech)」と呼んでいる。目指すところは次の6つだ。
(1)空き家の有効活用
(2)不動産関連マーケットの拡大、経済成長
(3)不動産事業者の信頼性向上
(4)不動産投資の拡大
(5)ユーザーの納得、安心
(6)中古住宅の流通・活性化

そして不動産市場活性化へ解決すべき4つの課題を挙げ、各課題に対するHOME’Sのアクションを示した。

【課題1】物件の資産価値の適切な評価

  • 解決策……住宅価値の適切な評価の仕組み/住宅の維持管理・改修
  • ACTION……建物性能評価の構築(準備中)/HOME’Sリフォーム/HOME’Sリノベーション/HOME'S Mag

【課題2】情報の非対称性(物件情報・価格など)

  • 解決策……物件情報の網羅・見える化/データ整備、物件情報の集約・一元化
  • ACTION……掲載物件情報数の網羅/加盟店ネットワークの拡大/HOME’S PRICE MAP

【課題3】IT化の遅れ

  • 解決策……プラットフォームの構築/商取引のオンライン化/AI・VR等最新テクノロジーの活用
  • ACTION……対面・書面原則の撤廃へ提言/IT重説オンラインHOME’S LIVE

【課題4】国内外のさらなる不動産投資の活性化

  • 解決策……国外投資の呼び込み マーケットの基礎データの充実・公開
  • ACTION……HOME’S不動産投資/HOME’S PRICE MAP/民泊サイトの試験運用開始/クラウドファンディング(準備中)/海外向け国内不動産情報の透明化/グローバルプラットフォーム構想

2025年までに世界100か国に展開

説明会の最後に井上社長は筆者のこれらの計画のスケジュール感についての質問に答え、「2025年までに世界100カ国をカバーし、不動産情報をつなぐグローバルプラットフォームを構築する」とし、その具体化の手始めして、2014年に買収したスペインのTrovit Search社を挙げた。同社は不動産、住宅、中古車、求人サイトなどを展開する世界最大級のアグリゲーションサイト。現在世界51カ国をカバーしている。

社名変更については、現在のNEXTは世界で事業を展開する際に、一般的過ぎて使用できないケースが出てくるため、不動産からより広い分野をカバーする業容変革に合わせるためとした。(ZUU online 編集部)

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