株主優待
(写真=PIXTA)

コンビニエンスストアで利用できるクオカードや、外食した際の飲食代金として利用できるジェフグルメカード等を利用したことがある方は多いだろう。株式投資でこうした金券をゲットできる株主優待投資をご存知だろうか。

個人投資家から根強い人気を集める「株主優待」とは?

株主優待とは、株主優待制度を導入している企業が実施しているサービスのことで、企業が株主に利益を還元する方法の一つだ。一定数以上の株式を持つ株主が受けることができ、株主に利益を還元する方法としては、他には配当もある。

株式投資で利益を得る方法には、インカムゲインとキャピタルゲインがある。インカムゲインは、金融資産を保有することで安定的かつ継続的に得られる収入のことだ。株式投資でいえば、企業が株主に対して行う配当のことを指す。株主優待では物品やサービス等を定期的に受け取れるため、インカムゲインと考えてよいだろう。

一方、キャピタルゲインは、株価の安い時に株式を購入して、高くなったら売ることで得られる差額が利益となる。株価が値上がりすれば儲かるが、値下がりすれば損失を被るため、売買タイミング次第では損失が発生する。

株主優待は定期的に物品を受け取れるため、損失発生のリスクを不安に思う投資家はもちろんのこと、物品等を受け取りたい投資や、株式投資を始めたいと考える個人投資家から根強い人気を集めている投資手法である。

株主優待は企業によって異なる 「すかいらーく」を例に……

株主優待の内容は企業によって異なる。食品メーカーであれば自社製品、娯楽関連企業であれば買い物優待券や商品券等と様々だ。

例えば、ファミリーレストラン最大手のすかいらーく <3197> では、飲食優待券を株主優待とした株主優待制度を導入していて、6月と12月の一年に2回受け取ることができる。

6月には、100株以上で3000円相当、300株以上で9000円相当、12月には100株相当で3000円相当、300株以上で1万1000円という風に、保有株数によっても受け取れる株主優待の内容は変わる。

他には、ITサービス会社の東洋ビジネスエンジニアリング <4828> では、クオカード500円相当の株主優待制度を導入していて、3月、6月、9月、12月の一年に4回も100株以上を保有することで受け取ることができる。

このように企業によって株主優待で提供している物品やサービス等は様々である。自分が欲しいと考えている株主優待から、投資先の企業を選別することも可能である。

株主優待を受け取るための注意事項

株主優待を受け取るためには条件がある。配当を受け取る時と同様、株主優待制度を導入している会社の株主になり、決算期末の時点(多くの会社が3月末)で株主名簿に名前が掲載され、権利を確定した株主にならなければならない。

具体的には、株主名簿に掲載されるまでには3営業日かかるので、権利確定日の3営業日前(権利付き最終日)までに株を購入しなければならない。一年に1回しか実施されないのであれば権利付き最終日は1回で済むが、4回実施されるのであれば権利付き最終日は4回になる。

前述のすかいらーくの場合には6月と12月が決算期末であるから、2017年6月30日が権利確定日になる。その3営業日前までに株を購入しておかなければ株主として掲載されないため、2017年6月27日が権利付き最終日(権利取り日)になる。さらに、12月にも株主優待を受け取るためには、12月26日の権利付き最終日(権利取り日)に株主であることが必要になる。

企業の決算発表が相次ぐこの時期には、株主優待の新規導入や株主優待内容の拡充を発表することで、株主優待を獲得したいと考える投資家の買い注文が殺到することはよくある光景だ。反対に、株主優待を廃止したり、株主優待内容を改悪する企業もある。毎年株主優待の内容に変更がないか確認しておきたい。

おトクな株主優待を見つける方法

配当の場合には、配当利回りを目安にお得な高配当の企業を探すことができた。株主優待でも、お得な企業を探すことは可能なのだろうか。

株主優待では株主優待利回りを利用することができる。株主優待の内容を金額に換算して利回りを出すという考え方だ。優待利回りは以下の算出式で求められる。

「優待の利回り(%)=株主優待の金額÷投資金額×100」

前述の東洋ビジネスエンジニアリングでは、500円相当のクオカードを一年に4回受け取れるため2000円相当になる。株主優待利回りは、2000円÷15万3800円(2月17日時点株価)×100=1.30%となる。

一般的に株主優待に変更がなければ、株式市場全体が底上げされて株価が高くなれば優待利回りは低下し株価が安くなれば優待利回りは高くなる。

証券会社に口座を持っていれば、インターネットで株主優待や優待利回りを調べることができる。他には、会社四季報等の冊子やオンライン版も活用できるが、最新の情報を知るには、企業のホームページのIRコーナーで確認すると正確だ。

優待取引テク「つなぎ売り」も覚えておこう

株主優待を獲得する投資手法のテクニックとして、信用取引で「つなぎ売り」という売買方法を活用することもできる。

例えば、株主優待の獲得を考えて株式を購入したが、株価が株主優待以上に値下がりする場合もある。そうした値下がりのリスクを低減する方法がつなぎ売りだ。つなぎ売りは、信用取引でその株式を売り、現物で株式を買う投資テクニックである。現物取引での買いと信用取引での売りの両方の取引を行うことで、現物で買った株の下落分を信用取引で売った株の利益で補うことができる。現物で株主優待を受け取ることができ、価格変動のリスクを低減することができる。

つなぎ売りを行うには、取引の前提として信用取引の口座を開設しなければならない。また、取引の注意点としては、現物で買う値段と信用取引で売る値段を指値注文にして同じ金額にし、権利付き最終日に権利を確定したら、翌日以降は現渡で信用取引を決済する。この際、現物取引と信用取引には取引手数料が発生する。

株主優待の金額と合計手数料のどちらがお得かは計算しておきたい。計算してみたら手数料の方が高かったという場合もある。なお、信用売りができない銘柄もあるのですべての銘柄で取引できるとは限らないため、事前に調べていただきたい。

株式投資を始めて間もないのであれば、無理に信用取引を利用する必要はない。ただ、損失を被るリスクを限定できる投資テクニックがある点は覚えておきたい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、 メルマガ発行 、講演活動、株塾を行う。

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)