「保育園への入園」に関するアンケートがまとまり、預け先の施設が決まらなかった場合は「仕事復帰(開始)をあきらめる」とした人が24%いることが分かった。

調査は大手育児コミュニティサイト「ベビカム」を運営するベビカムが3月上旬に現在妊娠または育児中の986人を対象に実施、発表したもの。

保育難民,待機児童
(写真=PIXTA)

保育園探しをした人の8割は認可、認可外への入園が決まった

アンケートによれば、986人のうち、妊娠中または育児中の人で、正社員や職員、フリーランスなど、何らかの形態で仕事をしている人は全体のおよそ24%だった。

最も多かったのは産休中や育休中の人で、全体の4割。「現在仕事はしておらず、産休や育休中でもないが、いずれは仕事をしたい」21%や、求職活動中の4%を合わせると、65%の人が「現在働いていないが働きたい」という状態にあることになる。

この働く意志はあるが働いていない65%のうち、45%が「今年4月の入園に向けて保育園探しをした」といい、そのうちの73%が認可保育園への入園が決まっている。認可外保育園に入園が決まっている8%と合わせると、8割以上は4月から通う保育園が見つかっていることになる。

現在仕事はしておらず、早い段階で働く意志はあるものの、保育園が見つからなかった人は40人程度だった。

冒頭に挙げた、「仕事復帰(開始)をあきらめる」という24%についてだが、そもそも調査の母数は986人。このうち「仕事をしている人」や「探していない人」を除くと65%となり、その45%が「今は仕事をしていないが、『預けて働きたいと思い、今年4月の入園に向けて、保育園探しをした(申し込み手続きをしなかった)』」という。

そのうち、預け先が見つからなかったのが13%で、さらにその24%ということになるため、「仕事復帰(開始)をあきらめる」という人は全体からみれば数%ではある。しかし割合として、「4人に1人が預け先が見つからなければ仕事復帰をあきらめる」という実態は重く受け止めるべきだろう。

認可保育所受け入れ枠は拡大しているが……

厚生労働省の発表によれば 2013年度から15 年度にかけて、保育受け入れ枠は31.4万人万人拡大。16年度、17年度の2年間で約16万人程度の保育枠の拡大を見越しているなど認可保育所などの受け入れ枠は拡大傾向にある。

しかし実際にはまだまだ足りない。また自治体や地域によって受け入れ枠に対する競争率も大きく異なることも忘れてはならない。

アンケートを見ると、「市役所に相談に行ったら、小学校に上がるまで保育園にも幼稚園にも入れない可能性もあると言われた。その言い方にも腹が立った」「キャンセル待ちや入れないのは当たり前というような横柄な態度をとられた」「市役所の対応が人によって違う」などという意見が目立ち。大変な状態にある女性らの心を理解し、それに寄り添う姿勢が今後求められることになりそうだ。(ZUU online編集部 )

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