4月24~28日の東京株式市場は堅調な展開となった。
フランスの大統領選挙第1回投票でマクロン前経済相が得票率1位となり、株式市場でも買い安心感が広がった。為替市場で円安が進んだこともサポート要因となり、日経平均株価は約1カ月ぶりに1万9000円台を回復する場面も見られた。
東証1部「4月の月間値上がり率」ランキング
それでは、今回は東証1部の「4月の月間値上がり率」上位10社の顔ぶれをみていこう。
(1)enish <3667> 900 +62.16%
(2)丸栄 <8245> 127 +51.19%
(3)大阪有機化学工業 <4187> 1288 +42.64%
(4)石川製作所 <6208> 1235 +41.14%
(5)エスクロー・エージェント・ジャパン <6093> 1987 +34.99%
(6)VOYAGE GROUP <3688> 2390 +32.85%
(7)バリューコマース <2491> 574 +32.56%
(8)KOA <6999> 1890 +28.83%
(9)グリー <3632> 895 +27.67%
(10)レナウン <3606> 144 +27.43%
※銘柄、証券コード、株価(円)、上昇率(%)の順、4月28日現在。
業種別でみると情報・通信業が3銘柄と最も多く、次いでサービス2銘柄、その他は小売、化学、機械、電気機器、繊維製品が各1銘柄だった。
enish、月間値上がり率が+62.16%に
今回は上記ランキングから、enish、丸栄、大阪有機化学工業を取りあげる。
enishはソーシャルアプリの企画開発会社。一流レストランを目指す「ぼくのレストラン2」、アパレルショップを運営する「ガルショ☆」など、経営シミュレーションゲームを得意とする。
同社の株価は4月中旬に動意づき、20日には終値で936円の高値を付けた。この日は「ガルショ☆」とカミオジャパンのキャラクター「もちもちぱんだ」との期間限定コラボを行うという新サービスを発表したが、株式市場で買われた理由は業績反転への期待という面が強かったようだ。
27日に公表した2017年1~3月期決算は減収で、営業損益から純損益まですべて赤字だった。会社側は「前期の不採算タイトルのクローズおよびタイトル譲渡の影響で売上高は減少した。前4半期に比べると、広告宣伝費を積極的に投下したため営業利益は減少した」としている。
同社の自己資本比率は77.8%で、財務基盤は安定しているが、現在はヒット作投入による業績巻き返しが必要とされる局面にある。婚活アプリ「metune」の投入、今年夏に開始予定のロールプレイングゲーム「12オーディンズ」の中国配信などがカギとなりそうだ。
丸栄、親会社興和がTOBで完全子会社化へ
丸栄は名古屋市の老舗百貨店。2010年に医薬品などを手掛ける商社、興和が子会社化した。
興和は4月12日、丸栄株についてTOB(株式公開買い付け)を行い、完全子会社化すると発表した。百貨店からテナント経営に転換し、再生を図る。野原太二雄社長は3期連続赤字の責任をとり辞任する。
TOB価格は1株128円。丸栄株はTOB価格にさや寄せする形で上昇した。
大阪有機化学工業、増益見通しを好感
大阪有機化学工業は大阪市に本社を置く独立系化学企業である。
4月7日、同社は2017年11月期決算と通期業績予想の修正を発表した。営業利益や経常利益は増益になる見通し。半導体用フォトレジスト材料の好調などが要因とみられる。また、同社は年間配当も従来予想の20円から25円に引き上げると発表した。
株価は翌営業日の10日にストップ高をつけた。その後も上値を追う展開が続いている。(ZUU online 編集部)
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