目次

  1. 過去の数字に引っ張られる「ギャンブラーの誤謬」
  2. 確率は、試行回数を増やすほど「平均化」する
  3. 投資の世界でも起きる「ギャンブラーの誤謬」
  4. 売るべし、買うべし、休むべし

過去の数字に引っ張られる「ギャンブラーの誤謬」

例えば、ラスベガスのカジノを訪れてルーレットで腕試しをしよう見ていると、ちょうど赤が7回連続ででたところで、間もなく次の勝負が始まるといった場合、赤と黒のどちらに賭けるのが正解なのか。7回連続して「赤」が出たとき、次に「黒」が出る確率はどのくらいか? 正解は「50%」。黒が出る確率はもっと高いのではないか、と考える人もいるだろう。このルーレットの事例は、「ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)」と呼ばれるもので、多くの人が陥りやすい間違いとされている。つまり、過去の数字に引っ張られて確率の読みを誤ってしまうことを指すのである。

確率は、試行回数を増やすほど「平均化」する

確率の定理でいう「大数の法則」とは、数多く繰り返すことで確率は理論値に近づくという基本法則である。サイコロを10回振っても、偶数と奇数の出る確率は必ずしも50%とは限らないが、回数を増やし繰り返すことで、ほぼ50%に近づく。つまり、試行回数が増えれば増えるほど、確率は平均化するということである。

ちなみに、「大数の法則」が使われている商品の代表に保険があげられる。生命保険や自動車保険の保険料は、大量のデータから保険事故の発生率を割り出し、保険料を算出しているのである。

投資の世界でも起きる「ギャンブラーの誤謬」