5月29日~6月2日の東京株式市場は堅調だった。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均の最高値更新等が支援材料となり、日経平均株価は1年半ぶりに2万円の大台を回復した。

6月に入り、機関投資家の資産配分見直しに伴う買いが幅広い銘柄に入ったとの見方もある。日経平均株価の2万円回復が一時的なものなのか、それともさらなる上値を目指すのか気になるところだ。

5月の値上がり率「1位」は+290.82%

乃木坂46,公式アプリ
(画像=Webサイトより)

今回は東証1部の5月の「月間値上がり率」上位10社の顔ぶれをみていこう。

(1)エムアップ <3661> 3150円 +290.82%
(2)アイ・エス・ビー <9702> 1820円 +103.81%
(3)GMOクラウド <3788> 4170円 +90.50%
(4)日本ライフライン <7575> 4105円 +83.50%
(5)ソルクシーズ <4284> 970円 +71.38%
(6)KLab <3656> 1325円 +62.98%
(7)シーティーエス <4345> 1126円 +60.63%
(8)ユニデンホールディングス <6815> 249円 +53.70%
(9)アイフィスジャパン <7833> 637円 +50.95%
(10)RS Technologies <3445> 9190円 +41.38%

※銘柄、証券コード、株価(円)、上昇率(%)の順。株価や上昇率は5月31日現在。

5月は上場企業の決算発表が一巡したあとは手掛かり材料難となり、次第に様子見気分が広がった。東証1部全体では方向感が乏しかったこともあり、値動きの良い中小型株に買いが集まったようだ。

業種別でみると情報・通信業が5銘柄と半分を占めた。それ以外はサービス、電機、その他製品、金属が各1銘柄だった。

エムアップ、「乃木坂46」公式アプリ配信で人気急上昇

それでは今回は上記ランキングから、エムアップ、日本ライフライン、ソルクシーズを取りあげる。

エムアップは携帯コンテンツやPCコンテンツ、eコマースを事業の柱とするITベンチャーだ。アーティストやタレントのファンサイト運営などで知られる。

エムアップの株価が急騰するきっかけとなったのは、アイドルグループ「乃木坂46」の公式アプリ配信の情報だ。5月中旬頃から同アプリの配信に関する情報が広がり、投資家の買いが集まった。

24日には、エムアップの連結子会社による乃木坂46とのコラボレーション公式アプリ『乃木坂46 ~always with you~』の事前登録者数が10万人を突破したことが発表され、業績向上への期待が一段と広がった。

その結果、エムアップの月間値上がり率は+290.82%に達し、ランキング1位となった。

日本ライフライン、アナリストから相次ぎ高評価

日本ライフラインは、心臓のペースメーカーなど医療用機器の輸入商社である。

日本ライフラインの株価上昇は、国内大手証券がリリースした2つのアナリストリポートが手掛かりとなったようだ。先月上旬のリポートでは、同社の主力商品となる電極カテーテルの利益率が向上しており、医療機器業界屈指の「高成長割安銘柄」と評価を受けている。また、下旬には「商社からメーカーへ」成長の加速ぶりを評価、目標株価を5200円に設定するリポートもリリースされた。

日本ライフラインの月間値上がり率は+83.50%となり、ランキング4位となった。

ソルクシーズ、FinTech関連株として人気化

ソルクシーズは、SBIホールディングス系のシステムインテグレーターだ。

5月24日、同社は『SBIホールディングス株式会社へのFinTech分野における技術協力に関するお知らせ』をリリースした。システム構築分野やクラウド技術における実績と技術的知見を活かし、ブロックチェーン・分散台帳技術などの新技術を活用、送金インフラの構築を目指すSBI Ripple Asiaと、各種FinTechサービスの導入支援事業を展開するSBI FinTech Incubationへの技術協力を開始するというものだ。

29日には、国内でのブロックチェーンの普及啓発や海外ブロックチェーン団体との連携などを目的とする「ブロックチェーン推進協会」に入会したと発表。この2つのニュースを手掛かりに投資家の買いが集まり、月間値上がり率ランキングで5位となった。(ZUU online 編集部)

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