前週(6/26〜6/30)の日本株は反落。FOMC後の市場環境好転を引き次ぎ、日経平均は29日には一時引け値ベースでの年初来高値を更新していた。29日夜に欧州中央銀行の金融緩和終焉(テーパリング)ともとられる報道が流れると、一転世界的にリスクオフとなり債券も株も急落。30日の日本株にも利益確定売りが拡がり一時2週間ぶりに2万円を割り込む展開だった。

週間の日経平均は99円24銭(0.5%)安ながら、かろうじて2万円を維持して2万33円43銭で引けた。週間高値は2万266円59銭(6/29)、安値は1万9946円51銭(6/30)だった。

前週(6/26〜6/30)の振り返り

株式展望
(写真=PIXTA)

26日の日経平均は小幅続伸、前週末比20円68銭(0.1%)高の2万153円35銭で引けた。模様眺め気分が強く、東証1部の売買代金は1兆7505億円と活況の目安となる2兆円を大きく割り込み4月17日以来の低水準。

もっとも、模様眺めでも下げないのが今の市場環境を表している。6月最終週は3月決算の株主総会がピーク。株主総会で承認されれば翌日に前期末の配当が支払われるというコーポレートアクションが起きる週。日経平均連動、TOPIX連動型のファンドが配当を再投資する買いが指数を支えるという指摘が多かった。

27日の日経平均は3日続伸、前日比71円74銭(0.4%)高の2万225円09銭で終えた。前日のNYダウが史上最高値を更新し、ドル円は111円台後半まで円安に振れたため市場センチメントは改善。自動車など輸出関連株に買いが入り日経平均は高値圏で推移した。一時2万250円に上昇し、20日に付けた引け値での年初来高値2万230円を上回った。6月/12月期決算会社の権利付き最終売買日であり、権利取りの買いも市場を支えていた。

28日の日経平均は4日ぶりに反落、前日比94円68銭(0.5%)安の2万130円41銭で引けた。27日のNYダウは98ドル(0.5%)安、特にハイテク比率の高いナスダック総合指数が100ドル(1.6%)安と大きく下げた。6月9日に時価総額の大きいアップル、グーグル、フェイスブックなどのIT関連株が急落して市場に対する懸念が広まった。IT関連株はその後順調に戻し安心感が広まっていたが、再急落したことで市場に対する懸念が再燃した。

日本市場でも電機などIT関連株の利益確定売りで指数は下げた。連日賑わいを見せていた新興市場にも利益確定の流れが拡まった。ジャスダック平均3営業日ぶりに反落、1.1%安と4月12日以来2カ月ぶりの下落幅だった。マザーズ指数は続落、2.6%安と大きく下げた。

29日の日経平均は反発、前日比89円89銭(0.5%)高の2万220円30銭で終えた。28日のNYダウが反発し、長期金利が上昇したため、市場環境が好転し、銀行や鉄鋼といった景気敏感株が中心に指数を押し上げた。一時130円高の2万266円と、20日に付けた引け値での年初来高値の2万230円を上回った。

30日の日経平均は反落、前日比186円87銭(0.9%)安の2万33円43銭で終えた。29日に、欧州中央銀行のドラギ総裁が金融緩和の終焉を臭わせる発言をしたため、欧州や英国などの中央銀行のテーパリングの観測が広まり欧州株や債券が売られ始め、世界的にリスクオフの展開になった。NYダウは一時260ドル安、引け値で167ドル安となり、12日以来2週ぶりの安値となった。米国のハイテク売りが継続、ハイテク比率の高いナスダック指数は90ドル(1.4%)安となった。

日本株もリスクオンの海外株安からギャップダウンして始まり、取引時間中には19日以来となる2万円割れとなった。海外ハイテク安が直撃し、日本のIT関連、半導体関連銘柄も下落した。10時過ぎには2万円を割り込み一時1万9946円で274円安まで下げていたが、その後は下げ渋るのを見て打診の買いが入り始め、引け間際で2万円の大台を回復して引けた。

先週の海外動向を振り返る

30日のNYダウは、前日の欧州テーパリングショックから戻し62ドル(0.3%)高となったが、週間では6週間ぶりに下落し、45ドル(0.2%)安だった。週中の安値である29日の2万1197ドルは、20日の史上最高値の2万1535ドルから1.6%下げた程度。調整と言えるほどの下げではない。気になるのはテクノロジー株の動向。ナスダック指数は、6月9日の史上最高値から29日のザラ場安値まで4%下げている。30日のドル円は112円40銭台まで円安となり、CMEの日経平均先物も2万85円と金曜日の大阪先物市場の引け比で95円高としっかりしている。

「7/3〜7/7」の株式展望

今週の東京市場のメインシナリオは、1万9800円から2万300円のレンジを想定している。

欧州テーパリング懸念での株価の調整は一旦収まったように見える。30日の日本株はギャップダウンして始まったが下げ渋って2万円台を回復して引けた。米国株も30日には前日の大幅安から回復した。30日の海外では円安、CMEの日経平均先物高となっている。

ドラギ総裁の発言は、将来のテーパリングに向けて、FRBがやったように市場に地ならしをしているのだろう。すぐに動くというわけではなさそうだ。今週は世界的に徐々にリスクオンとなり戻りを試す可能性が高いだろう。

日経平均はここ数ヶ月、月初に急騰することが多い。6月1日に日経が急騰し2万円乗せとなったのは記憶に新しいところ。毎月投資比率を見直すテクニカル・アセット・アロケーション(TAA)型のファンドが、日本株の比率を上げて買いを出すためではないかと言われている。

今週は月初高のアノマリーも期待され、30日が株主総会のピークであったので配当再投資の買いも続きそうだ。需給は決して悪くない。

心配なのは米国ハイテク株動向だ。アップル、グーグル、フェイスブック、アマゾンといったIT関連のジャイアントが今年の米国株の上げを支えていた。こういった銘柄が下げ始めている。NYダウが高値からの位置が1.6%下なのに対し、ナスダック指数は4.0%下げた位置にある。6月29日の下げでは、6月12日のハイテク大幅安のザラ場での安値を一時下回った。

大きな機関投資家が、ハイテクを売り、景気敏感株を買うセクターローテーションをしたとの見方が強いが、ハイテク株は米国だけでなく、欧州株、アジア株、日本株の上げを主導してきただけに、モメンタム株の流れの変化が懸念されよう。

テクニカルでは、現在25日移動平均がちょうど2万円。2万円ではサポートされる可能性が高いが、下回った場合は、6月15日安値の1万9755円や75日移動平均の1万9734円が強いサポートとなろう。上値は5日移動平均の2万152円がレジスタンス。抜ければ今年最高値の2万318円が次のターゲット。

今週は重要なイベントは、日本では2日の東京都議選。加計学園問題で安倍政権の支持率が急低下しているなかで、自民党が都議選でも議席を大きく失うようだと政治不信が広まる。海外では3日から4日に中国習国家主席がロシア訪問。4日は米独立記念日で米国市場休場。6日は日・EU首脳会談で日米EPA協定を話し合う、ECB理事会(6月8日分)の議事録も公開される、7日から8日にG20サミット(独ハンブルク)。ECBのテーパリングが話題だけに注目度は高い。

経済指標は、日本では3日の日銀短観が一番の注目。大企業製造業のDIのコンセンサスは15。7日には5月の景気CI指数が注目される。海外では3日に米6月ISM製造業景況指数、6月自動車販売、ユーロ圏6月製造業PMI、4日にユーロ圏5月PPI、5日に米5月耐久財受注、製造業受注、ユーロ圏5月小売売上、6日に米6月ADP雇用統計が発表される。ADPのコンセンサスは非農業部門雇用者数で18万3000人増。7日には注目の米6月の雇用統計がある。雇用統計は失業率のコンセンサスが4.3%。非農業部門雇用者数は18万人増。先月はADPと雇用統計で為替が大きく動いただけに目は離せない。ドラギ発言のあとだけに、欧州経済指標にも今週はいつも以上に注目が集まるだろう。(ZUU online 編集部)

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