6月最終週の東京株式市場はもみあいとなった。
日経平均株価は週後半にかけて一時2万円を割り込む場面も見られたが、すぐに同水準を回復するなど一進一退の展開に終始していた。

目下のところは積極的に仕掛ける材料が不足しており、日経平均株価は2万円前後での調整場面が続くことも考えられよう。

東証1部「月間値上がり率」ランキング

それでは今回は、6月の東証1部「月間値上がり率」上位10社の顔ぶれをみていこう。

(1)エス・サイエンス <5721> 138円 +263.16%
(2)大光 <3160> 1550円 +174.34%
(3)enish <3667> 3120円 +168.97%
(4)トーセ <4728> 2329円 +159.07%
(5)ジーンズメイト <7448> 676円 +104.85%
(6)土木管理総合試験所 <6171> 1433円 +104.42%
(7)川西倉庫 <9322> 2030円 +92.42%
(8)フォーカスシステムズ <4662> 1097円 +75.52%
(9)芦森工業 <3526> 300円 +52.28%
(10)三井ハイテック <6966> 1796円 +45.19%
※銘柄、証券コード、株価(円)、上昇率(%)の順。6月30日現在。

6月も値動きの良い中小型株がランキング上位を占めた。業種別でみると情報・通信業の3銘柄のほか、非鉄金属、卸売業、小売業、サービス、倉庫・運輸関連業、輸送用機器、電気機器が各1銘柄となっている。

エス・サイエンス、買いが買いを呼ぶ展開に

今回は上記ランキングからエス・サイエンス、大光、土木管理総合試験所を取りあげたい。

エス・サイエンスは主にニッケルを扱う非鉄金属業のほか、不動産業や学習塾も展開する。低位株ながら、6月に期末配当として50銭の復配を果たした。

エス・サイエンスの株価は6月上旬に動意づいた。この1カ月間の上昇率は263.16%に達し、ランキング1位となった。一部では「特定資金が介入している」との憶測も出ており、買いが買いを呼ぶ展開となったようだ。

大光、東証1部移行をきっかけに人気化

大光は岐阜県大垣市に本社を置く食品卸売会社。ホテルや外食店に食品を卸売りしているほか、東海地方などで業務用スーパー「アミカ」を展開している。

大光は5月に東証1部へ移行したばかりだ。それまで大光株は400円台半ばで推移していたが、東証1部へ移行するとのアナウンスをきっかけに上昇した。

東証1部に移行したあとも「1対2の株式分割」の発表があり、上昇スピードを加速させる結果となった。この1カ月間の上昇率は174.34%に達し、ランキング2位となった。

土木管理総合試験所、新技術開発でランキング6位に

土木管理総合試験所は長野市に本社を置く検査会社。インフラ整備に関連した土質・地質調査を行う会社として1985年にスタートし、地盤補強サービスも行っている。

6月22日、土木管理総合試験所は道路・軌道の路面下ビックデータ共有システム「ROAD-S(ロードス)」を開発したと発表。これを手掛かりに株価も上昇した。同社によると「構造物の劣化診断アルゴリズムを活用し、現在開発中の解析ソフトの完成ならびに2017年内のAI(ディープラーニング)導入に伴い、あらゆる地中情報の『超高速診断』が可能になる」としている。

土木管理総合試験所は今回の発表にあたり「インフラメンテナンスに関わるマネジメントは、日本国内に限るものではなく、世界的に大きな問題を抱えることから、本システムによるグローバル展開を計画している」ことも明らかにしている。同社の月間上昇率は104.42%に達し、ランキング6位となった。(ZUU online 編集部)

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