7月第1週の東京株式市場は軟調となり、日経平均株価は2万円の大台を割り込んだ。もっとも、積極的に弱気する材料も見当たらず、この週明けには大台を回復している。株式市場は手掛かりとなる材料に不足しており、目先的には一進一退の展開となることも考えられよう。日経平均株価は2万円前後での調整場面が続きそうな雲行きだ。

東証1部「信用買い残・増加」ランキング

それでは、今回は東証1部の「信用買い残・増加」ランキングをみていこう。

(1)芦森工業 <3526> 755万3000株(+312万7000株増)
(2)ユニチカ <3103> 2292万1000株(+293万2000株)
(3)グリー <3632> 732万9100株(+174万5400株)
(4)セブン銀行 <8410> 580万4500株(+171万4100株)
(5)リクルートホールディングス <6098> 250万0800株(+167万9800株)
(6)アイフル <8515> 2308万9000株(+144万2600株)
(7)川崎汽船 <9107> 547万0000株(+136万4000株)
(8)ペプチドリーム <4587> 243万4300株(+128万2800株)
(9)アコム <8572> 1032万5500株(+127万2000株)
(10)SUMCO <3436> 953万6300株(+123万9100株)
※銘柄、証券コード、買い残(前週比増)の順、6月30日現在。データはヤフーファイナンスより引用。

信用取引の買い残は、週末時点の数字が原則として翌週火曜日に更新される。今回のランキングは6月30日までの1週間に買い残が増えた銘柄を示している。業種別でみると繊維製品とその他金融が2銘柄ずつランク入りした。このほか、情報・通信業、銀行、サービス業、海運、医薬品、金属製品が各1銘柄となっている。

芦森工業、エアバッグ需要増への思惑で人気化

今回は上記ランキングから芦森工業、リクルートホールディングス、SUMCOを取りあげる。

芦森工業は、消防車用ホースや自動車用シートベルト等を手がける企業だ。

民事再生法の適用を申請したタカタから「エアバッグ向けの需要」が芦森工業にシフトするとの思惑が広がり、投資家の買いが活発化した。低位株で手掛けやすいこともあり、株価は上昇傾向を強めていた。

もっとも、先週半ばからは上値警戒感も強まり、利益確定売りが優勢となった。東証が7日の売買分から、芦森工業株の信用取引について規制措置を導入したことも、利益確定の売りを誘ったようだ。

リクルートHD、完全失業率の悪化で売られるが

リクルートホールディングスは人材関連サービスの国内最大手。アルバイト情報誌『タウンワーク』などの求人メディアのほか、人材派遣及び人材紹介事業、『ホットペッパービューティー』など企業活動をサポートする販促支援の3事業が経営の柱となっている。

リクルートHDの株価は6月に入りすぐに2000円の大台を回復した。同月半ばには海外機関投資家とみられる買いも入り、取引時間中に2070円前後まで上昇したが、その後は上げ一服となった。

6月30日、総務省は完全失業率が3.1%と前月比0.3ポイント悪化したと発表。株式市場ではこれが予想外の悪化と受け止められ、人材サービス株を売る動きが広がった。リクルートHDの株価も2000円の大台を割り込んだが、同水準では短期筋と見られる向きの押し目買いも増加している。

SUMCO、下値では旺盛な押し目買いも

SUMCOは、旧住友金属工業(現新日鉄住金)と三菱マテリアルの事業部門が統合して発足したシリコンウエハー大手である。

海外市場でハイテク株を売る動きが広がった流れを引き継ぎ、日本株でもSUMCO、東京エレクトロンなどの半導体関連株が売られた。ただ、世界的に半導体需要が高まる中で、シリコンウエハーの需給がタイトになっているとも指摘されており、投資家の押し目買い意欲も旺盛だった。その結果、SUMCOは今回のランキングで10位に入っている。(ZUU online 編集部)

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