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Written by 平田和生 218記事

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サイゼリヤの「イタリアン」が愛される理由とは? 業績好調、株価も上昇

「君の瞳に乾杯!」
イタリアンといえば、かつては特別なお店であった。特別な人と、特別な装いで、特別なひと時を過ごす、文字通り「特別なお店」であった。もちろん、料金も特別であることは言うまでもない。乾杯の台詞にもチカラが入るというものだ。

そんなイタリアンも、いまでは私たちの食生活に広く浸透し、カジュアルに楽しめるようになった。それを象徴するのが、イタリアンファミリーレストランチェーンを運営するサイゼリヤ <7581> だ。

7月11日、サイゼリヤが発表した2017年8月期第3四半期累計(2016年9月〜2017年5月)の連結決算によると純利益は前年同期比48.6%増の55億2000万円と大幅な増益となった。これを受けて同社の株価は年初来高値を更新している。今回は、女子高生からおじさんまで、誰もが平等に楽しめるイタリアン、サイゼリヤの魅力を探ろう。

ティラミスが199円 圧倒的なコストパフォーマンス

サイゼリヤ,株価
(写真=Webサイトより)

サイゼリヤの客層は広い。
たとえばオフィス街の店舗のランチタイムは、サラリーマンやOLといった社会人で賑わっている。それもそのはず、サイゼリヤのランチは500円で「スパイシートマトのハンバーグ」や「いんげんとジャガイモのグリーンソーススパゲティ」など9種類のメニューがスープ、サラダ付きで楽しめるのだ。

サイゼリヤは、社会人だけでなく高校生や大学生、主婦にも人気だ。299円の「ミラノ風ドリア」などの料理に加え、199円の「ティラミス」といったスイーツなど学生のお小遣いでも手が届くメニューが豊富に取り揃えていることが人気の秘密なのだろう。

サイゼリヤは「ファミレス飲み」の聖地!?

ところで、ファミレスに「おじさん比率」という統計があるならば、サイゼリヤが一番ではないかと筆者は考えている。それほど夕刻からのサイゼリヤは、おじさんの姿が目立つ。筆者にとってもサイゼリヤは「ファミレス飲み」の聖地とも呼べるお店なのだ。

そう、サイゼリアのもう一つの魅力は、アルコールとつまみ類の安さだ。生中の399円もさることながら、やはり何と言ってもワインが安い。赤も白もグラス一杯100円、500mlのデカンタで399円、ボトル2本分(1500ml)のマグナムボトルで1080円である。

アルコールだけではない。エスカルゴやピザ、辛味チキン、ハンバーググリルなど500円を超えるものはほとんどない。一人1000円から2000円もあればワインとのマリアージュを楽しむことができる。まさに「ファミレス飲み」の聖地と呼ぶべきお店なのだ。

通期上乗せも期待できそう?

冒頭で述べた通り、2017年8月期第3四半期の決算は売上が1.2%増の1090億円、本業の利益を示す営業利益が35%増の80億円、純利益は前年同期比48.6%増の55億2000万円と大幅な増益となった。顧客増、客単価上昇などで既存店売上が好調、円高メリットもあり採算が向上している。

2017年8月期通期の会社予想については売上1.5%増の1472億円、営業利益22%増の110億円、最終利益36%増の75億円と据え置いている。ただし、夏休みを含む6〜8月期はファミレスにとってかき入れ時の繁忙期で収益ウェイトの高い期間であり、通期上乗せも期待できそうだ。

サイゼリヤの「コストパフォーマンスが高い」理由

イタリアンが手頃な料金で楽しめる。サイゼリヤの業績好調の秘密は、コストパフォーマンスの高さであり、それが幅広い層の支持を集めている。

では、サイゼリヤが高いコストパフォーマンスを維持できるのは、なぜだろうか? 背景には食材等の「自社生産」を挙げることができる。何しろ1000店舗を上回る単一形態なので、「自社生産」のスケールメリットも発揮しやすいのだ。

たとえば、野菜は種から開発し自社農場で生産しているし、ハンバーグやホワイトソースなどはオーストラリアの自社工場で生産している。ユニクロやGAPが製造小売業(SPA)と呼ばれる「企画から生産、販売を一体化する」方式で成功したが、サイゼリヤも「製造外食業」ともいえるスタンスで内製を進めコスト削減に取り組んできたことが実を結んでいる。

イタリア人がTwitterで「これはイタリア料理ではないが実に安くて旨い!」とつぶやいたという都市伝説もあるが、厳密な食文化の話は他の人におまかせして、今宵も「サイゼリヤのイタリアン」を楽しみたい。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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