前週(7/10〜7/14)の東京為替市場で円は対ドルで5週ぶりの円高、14日の東京銀行間のインターバンク市場の17時のレートは113円29銭で終え、週間で42銭(0.4%)の円高だった。ドル円の高値は114円47銭(7/11)、安値は112円86銭(7/13)だった。

7日発表の米6月の雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回り米国の景気の底堅さが確認されたため、6月のFOMCで円安に転換して以来のドル高円安の流れは加速し、ドル円は一時5月11日以来となる114円台をつけ、11日にはドルの週間高値114円47銭をつけた。

しかし、14日の米経済指標で6月CPI、6月小売売上が予想を下回ったことで、米景気失速懸念が再浮上。ドルが大幅安となり、円は一時112円26銭まで急騰している。為替レートのトレンドが転換した可能性があるから注意したい。

前週(7/10〜7/14)の振り返り

為替展望
(写真=PIXTA)

10日の東京為替市場で円は続落、インターバンクの17時のレートは前週末比47銭円安の114円18銭で終えた。

7日発表の米6月雇用統計で非農業部門雇用者数が22万2000人増と市場予想の18万人増を大幅に上回り、米金利上昇とともに円安が進みNY為替市場では2ヶ月ぶりの114円台をつけた。日経平均が大引けで買いを集め151円高となったこともあり、東京市場でも一時114円30銭の円安を付け、5月11日以来の水準となった。5月11日の円の安値114円37銭は、そこで円安が反転したチャート上の重要なブレークポイントになる。

11日の東京為替市場で円は続落、17時のレートは前日比14銭の円安の114円32銭で終えた。

前日の地合を引き継ぎ、ドル円は午後に一段高で一時114円47銭をつけ、チャート上の節目である5月11日の114円37銭を抜いた。この日も日経平均は114円高と続伸し、リスクオンの円安が継続している。もっとも、円安は米長期債利回りの上昇と連動しており、米長期債利回りが2.387%どころで伸び悩んだことで、引けにかけては利益確定のドル売りが入り始めた。

12日の東京為替市場で円は反騰、前日比86銭の113円46銭の大幅円高となり取引を終えた。

日本時間12日の夜に今週の注目イベントであるイエレンFRB議長の米下院議会証言が控えている。7日の雇用統計後の金融政策へのスタンスを見極めたいことから、ドルに利益確定売りが拡がった。日経平均もイベントを控えて利益確定の売りが先行し97円安、米長期債利回りも2.346%まで低下した。

13日の東京為替市場で円は続騰、東京時間17時のレートは前日比33銭円高の113円13銭となった。

注目の米FRBイエレン議長発言は、年内あと1回の値上げと利上げペースの緩和と9月からのバランスシートの縮小(テーパリング=量的緩和の終焉)を示唆するものだった。利上げペースの緩和で、NY為替市場では日米金利差の縮小懸念で一時112円台の円高になり、東京市場でも一時112円86銭まで円高が進んだ。イエレン発言でドルは大きく売られたが、NYダウは123ドル高と急騰しており、為替と株高に違和感が出てきている。

また、12日にはカナダ中銀が7年ぶりに利上げを実施、カナダドルが89円台まで買われた。利上げは予想通りだが、GDP見通しも上方修正しており再利上げ期待が高い。

14日の東京為替市場では円は反落、東京17時のレートは113円29銭で終えた。

イエレン議長の2日目の議会証言が行われたが、前日の証言と違いはなく市場への影響は限定的だった。イベントの通過でここ2日間のドル急落の戻しが入り円安となったが、新しい材料不足と日本が連休を控えていることから、東京時間のドル円のレンジは42銭と週中でもっとも小さい動きとなった。

先週の海外動向を振り返る

14日のNY為替市場で円は急反発し112円60銭で商いを終えている。米6月の消費者物価指数(CPI)、6月小売売上高がともに市場予想を下回り、景気に対する不透明感からドルが売られ円高が進行し、ドル円は一時112円26銭と3日以来の水準をつけた。CPIの発表前の113円11銭から円は急騰した。

雇用統計、イエレン発言で楽観的になっていた景気見通しに再び減速懸念が拡がってきた。この日の経済指標の悪化を受けて、米アトランタ連銀のGDPナウが4−6月期のGDP見通しを引き下げ、複数の米金融機関が米GDP見通しを下方修正した。

NY株は続伸して4日連続史上最高値となっている。株は景況感と金融政策がちょうどいいとゴルディロックス相場とみた買いが継続している。株と為替に景況感に対する温度差が出はじめているようだ。

もっとも、円高を嫌気して日経平均先物の夜間取引は2万0020円と先週末の大阪先物引けの2万0110円から90円下げており、今週の東京市場では株安、円高懸念が残る。

「7/18〜7/21」の株式展望

今週の日経平均のメインシナリオは、112円10銭から114円50銭のレンジを想定している。

米景気に対する強気の見方は14日のCPIと小売売上で一気に縮小した。米アトランタ連銀のGDPナウが4−6月期のGDP見通しを引き下げ、複数の米金融機関が米GDP見通しを下方修正している。

当面は経済指標をみながら模様眺めの展開になる公算が強い。今週は日銀決定会合があるが金融政策据え置きとなるだろう。注目は20日のECB定例理事会とドラギ総裁の会見。ここのところの円安はドラギ総裁のテーパリングを示唆する発言から始まった。ECB理事会と25ー26日のFOMCを睨んで膠着相場となる可能性が高そうだ。

テクニカルでは、20日移動平均の112円51銭を中心としたレンジになりそうだ。円高値のめどは5月24日の112円12銭どころ、円の安値は先週の海外での安値114円51銭どころか。

今週の重要なイベントは、日本では19ー20日の日銀決定会合。政策は現状維持がコンセンサスだが、「日銀展望レポート」で景況感が上方修正されるという見方が強い。20日の黒田総裁会見にも注目。海外で最大の注目は20日のECBの定例理事会とドラギ総裁の会見だ。欧州のテーパリングが為替や債券市場を動かしただけに注意しておきたい。米4−6月期決算発表が本格化するため株の動きにも注目だ。

経済指標は、日本では18日に5月の建設総合統計、19日に訪日外客数、ロイター短観、20日に6月貿易統計がある。海外では、17日に中国の6月小売売上、6月都市部固定資産投資、6月鉱工業生産、4−6月GDP、米国では7月連銀製造業景況感指数、19日に米6月住宅着工、20日に米7月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、6月CB景気先行総合指数などが注目される。(ZUU online 編集部)

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