マイナス金利政策の下、銀行は資金の貸出先を開拓する動きがさらに進んでいる。今回は、このような独自性のある女性専用ローンで、新たなニーズを喚起している商品を紹介する。

2017年10月17日から、大垣共立銀行(本店:岐阜県大垣市)が女性専用ローンの取り扱いを始めた。商品名は「女性のためのメモリアルローンmatinee(マチネ)」。これは自分の墓の購入や親族の墓じまいなど、お墓にかかる費用として利用できるローンだ。

大垣共立銀行「女性のためのメモリアルローンmatinee(マチネ)

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(写真=PIXTA)

「終活」を始めている女性は筆者の周りにも多くいる。元気なうちに人生の終末期を意識して様々な準備をしているのだ。身の回りの整理に始まり、葬儀の準備やお墓の購入を着々と進めている。特にお墓は墓地と墓石の購入だけではなく、永代使用料、管理費、工事費などがかかり、高額になりやすい。

そんなニーズにあわせた商品が、この「女性のためのメモリアルローンmatinee(マチネ)」だ。お墓にかかる費用であれば、親族の墓じまいも対象になる。融資金額は10万~200万円。融資期間は1年~5年。金利変動型だ。同行には「エルズクラブ」という会員制サービスもあり、会員特典として年利0.5%の引き下げがある。また、葬儀、墓地、健康、介護、不動産活用に関する相談サービスを無料で利用することも可能だ。

同行はほかにも女性向けのローンを販売している。離婚関連専用ローン「Ref」、シングルマザー向けの「シングルマザー応援ローンTetote」、不妊治療関連ローンの「フタリ・デ」、女性専用住宅ローン「エルズストリート」など。乳がんのピンクリボンキャンペーンも行っており、女性に向けた様々なサービスを展開している。

大光銀行「COFFLADEA(コフレディア)」

大光銀行(本店:新潟県長岡市)からも、特色のある女性専用ローンが販売されている。使いみちにあわせて3つのプランがあり、9コースから選択が可能。申し込みはウェブのみで、24時間365日申し込み受け付けができるようになっている。

マイセルフプランは、年7.8%の固定金利(このプランには以下の4つのコースがある)

  • キャリアアップ:資格取得、スクール費用など
  • ビューティー:アンチエイジング、レーシックなど
  • トラベル:旅行など
  • 離婚:慰謝料、裁判費用、新生活の準備費用など

カップルプランは、年5.5%の固定金利。以下の2つのコースがある。

  • 妊活:不妊治療など
  • 結婚:挙式費用、新居の準備費用など

ファミリープランは、年7.8%の固定金利。以下の3つのコースがある。

  • 子育て:出産費用、保育園・幼稚園・習い事の費用など
  • 介護:親の介護費用など
  • ペット:ペットの購入、治療費など

融資金額は10万~500万円。融資期間は6ヶ月~10年。返済計画が立てやすい固定金利になっている。

足利銀行 「女性のためのフリーローン ふるり」

融資は10万円から、店頭契約なら500万円まで、ウェブ完結型でも300万円までが融資可能。金利は年4.5%~年13.8%の固定金利になっている。利率は審査によって決まるため、申し込んでみないとわからない。

土日に営業しているローンセンターもあり、平日時間が取れない人でも店頭契約の手続きをすることができる。

りそな銀行 「女性応援ローン cannael(カナエル)」

都市銀行にも女性専用のローンがある。りそな銀行の「カナエル」は、女性向けのフリーローンだ。使い道は、資格取得や留学、旅行、趣味などのための費用にすることができる。融資金額は10万円~200万円。融資期間は1年~7年。金利は8.2%または8.5%の固定金利だ。

このローンには、カードローンをセットすることができる。カードローンの利用限度額は契約時には10万円で、返済実績に応じて利用限度額が10万円単位で増額する(上限100万円)。カードローンをセットすると、「カナエル」部分の金利は年8.2%と低くなるが、カードローンの金利は年14.0%。カードを使ってATMで借り入れができる手軽さには十分な注意が必要だろう。

三井住友信託銀行 住宅ローン「女性専用サービス エグゼリーナ」

融資を促進する女性向け商品として、住宅ローンに付随できるサービス。同行の住宅ローン「リレープランフレックス」にオプションとして付けられ、次の2つのサービスが受けられる。

医療保険に無料で加入できる

当初借入が1000万円以上かつ当初借入期間が10年以上であれば、メットライフ生命の「ローン返済支援特約付新医療保険(団体型)」に、10年間加入することができる。保険料は無料。病気やケガで入院したら、入院初日から1日あたり1000円受取れる。ローンの借り入れ後に医療保険を付けることはできないので、希望する場合はローンの申し込みと同時にしなければならない。また、メットライフ生命が提供している付帯サービスも利用できる。

  • メンタルヘルスサポートサービス:電話や面談でカウンセリングを受けられる。年3回まで無料。
  • 健康コール24:24時間365日、いつでも無料で、医師や看護師に電話で健康相談ができる。
  • セカンドオピニオンサービス・専門医紹介サービス

出産後1年間は金利を年0.1%優遇

出産後6ヶ月以内に申し出ると、以後1年間の金利が年0.1%優遇される。金利優遇は借り入れ後の出産のみが対象で、6ヶ月以内の申し出がなければ対象外となる。

マイナス金利政策の下、各銀行の収益構造が変化している

日本銀行の金融緩和で大量の資金が市場に供給されているが、銀行による融資はなかなか伸びていない。銀行は適切な貸出先に融資を行うことで、中小企業を育てたり、経済成長を促したりといった役割もある。

銀行はマイナス金利政策前からのビジネスモデルでは、今後は立ち行かなくなるとも言われ、新しいビジネスモデルの構築が急がれている。独自性のある女性専用ローンの発売もそのひとつだろう。資金の調達手段が多様になり、選択肢が増えたことは歓迎したいが、ローンに対する心理的なハードルが下がることには注意が必要だ。利用する場合には、返済計画に無理のない範囲にすることが基本であると心得よう。

タケイ啓子
ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。 FP Cafe 登録FPパートナー

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