解散総選挙が決定してから日経平均株価は16連騰を見せ株式市場が盛り上がりを見せている。

その中で、目立った値動きを見せた企業があった。封筒などの紙製品の製造販売を事業とする「イムラ封筒 <3955> 」だ。同社の株価は選挙時に差し掛かると急激に株価を上昇させることが多い。

株式市場の中には、あるイベントのタイミングで株価が上がる銘柄も多く、そこには目に見えざる市場のメカニズムが働いている。ここではイベント投資の注意点を解説していこう。

イベント発生で株価が上がる例 他にはこんな企業も

イベントが起こる、またはイベントが予定されていると以下の企業の株価が動くことがある。必ずしも動くわけではなく、動かない時もある点は注意していただきたい。

●新型インフルエンザなど流感
→ダイワボウホールディングス <3107>
●お正月が近づくと
→一正蒲鉾 <2904>
●カレンダーに13日の金曜日があると
→ジェーソン <3080>
●震災があると
→地盤ネット <6072>

これらはイベント発生とともに株価が大きく上昇することがある。ではなぜ株価が上がるのかというとそのイベントが発生したことで、企業の需要が高まり業績が良くなるという思惑が高まるためだ。

あくまで思惑なので実際に業績が良くなるかどうかははっきりしない場合がほとんどで、それどころか業績に全く貢献していないことも多々ある。。前述のジェーソンに限っていうと業績には全く関係がないことは言わずもがなだろう。それでもなぜか株価が大幅上昇することもある。

「ストップ高の魔力」 材料難の時こそ要注意

イベント発生による株価上昇の場合には「ストップ高」が伴うことが多い。

ストップ高とは、買い注文が集中し、その日の値幅上限まで株の買い需要がはいることをいう。ストップ高になるとその株を当日には買えなくなる場合がある。その日に限って言えば、買いたくても買えない「プレミア株」になるのだ。

すでに投資をしている人ならストップ高に買い注文が殺到している模様を見て、その企業が本当に魅力的だという錯覚を覚えた経験もあるはずだ。

そんなプレミア株は翌日も大幅に株価が上昇して始まることが多く、ストップ高で買えなかった投資家の買い注文がさらに株価を釣りあげることになる。

一般的には、ストップ高になるほどに株が買われるときにはそれ相応の理由がつく場合がほとんどである(業績上方修正、優待導入や増配、事業提携など)。しかし、一時的なイベントの場合には業績への影響も軽調なことが多く、実際には業績が上ぶれすることは多くはない。

ちなみにイベント発生時に株価上昇した際、上がった理由に「○○(イベント名がはいる)による思惑で物色された」とか「材料難で物色された」という言葉が付いているときには要注意である。

結局、株価はもとの位置までもどってしまう

ではイベント発生で上昇した株価がそのまま上昇を続けかというとそういうことは少なく、大抵は上昇前の水準まで株価を落としてしまう。

理由としては、株価上昇まえに購入した投資家たちが株式を高値で売り抜けてしまうことが多いからであり、買い進む投資家がいなくなれば当然、株価は下がっていく。

株価が下がり始めると高値掴みをした投資家はパニックを起こし、損失を最小限に抑えようとして株価を売りに走り、株価の下げを加速させることになる。

ひどい時にはストップ高を数日連続させた後に、ストップ安(売るに売れない状況=ストップ高の逆)を連発するような事態になることも多く、天井で高値を掴んだ投資家は大きな損失を被ることもある。

ストップ高のときにはプレミアがついて光っている銘柄も実は巧妙に餌をはった「ネズミ取り」であったとわかるのは株価が下がりきった後なのだ。

購入する際には慎重に

イベントにともなって株価が上がる時に、必ずその株式の株価を最初にあげた人間がいることを覚えておこう。

投資の初心者の場合、目立った上昇を見せている株やたまたまニュースで取り上げられた材料株を無根拠に買ってしまうことも多い。無知がゆえに手を出したくなる株式は危険であることを認識して慎重に取引をしてほしいものだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)