この記事を読みはじめた読者の皆さんは今、株式投資における銘柄選びでお困りではないだろうか。実際、株価の動きは予測するのが難しく、企業業績にしても先行きが見通せないところがあり、どこの企業を買って良いのかわからないという人は多いものだ。

株式投資を長年続けるプロでも銘柄選びには苦戦しているのが事実である。ただ、企業が行う株価対策によっては投資家から高い評価を集めるものがいくつかあり、その対策を行うことで投資家からの資金が集まって株価が上がることもある。ここでは企業の株価対策をいくつかご紹介したい。

対策1 配当を増やす

投資,銘柄選び
(画像=PIXTA)

企業が投資家へと定期的に配る金銭を配当という。企業により配当金を出すかどうか、配当をどれくらい出すかは異なるが、一般的には業績好調な企業は投資家へと配当を出すことが多い。企業の成長性を重視する新興企業の場合配当なしのケースも多いが。

企業はこの配当を増加させることがある。大抵は企業業績が良くなった場合に、それに応じて配当数値を引き上げる。そのため、配当が増やされるというニュースが伝わると、その後の株価が上昇することがある。逆に配当を減らす減配とか配当をなしにする無配は投資家から失望の売りを浴びることになる。

対策2 株式を分割する

株式を分割すると株式数が増えると同時に株価が下がる。例えば1株1000円の企業の株価を2分割したとする。1株1000円の株を2分割すると2株500円となる。

この株をすでに保有している投資家の株も同じように分割されるので、株価が下がるが保有数が反比例して上がるため、資産金額は変わらない。ではなぜこんなことをするのかというと、投資金額が下がるのでより多くの投資家が買いやすくなるという利点がある。

例を挙げると最近では11月1日に、ヤーマン <6630> が1株を10株に株式分割した。当該企業の株価は実施前は1株11000円程度となっており、同社に投資するための最低金額が100万円を超えており、これは資金力の弱い個人投資家にはきつい金額だと言える。10分割を行えば、必要投資金額も10分の一となり一気に11万円程度で済むことになるため、個人投資家でも容易に投資ができるようになる。

企業にとってはより多くの投資家に株を購入してもらいたいため、上がりすぎた株価を下げるためにも分割を行うのだ。注意点は、株価が上昇した企業が行う施策であるということ。いくら業績が良く投資家から高評価されているといっても分割後に株価が上昇するかどうかはその後の業績が大きく関わってくる。

対策3 企業が自社の株を購入する

企業が発行する株式を購入するのは個人投資家や法人投資家、外国人投資家などが一般的だが、時に企業が自社の株式を自ら購入することがある。

これを自社株買いという。自社株買いが行われると市場に出回る株式の数が減ることになる。そのため1株あたりの利益がその分増加することになる。株式の価値は1株あたりの利益で考慮される場合も多く、その数値が高い方が投資家から高評価されるのだ。

例を挙げて説明すると以下のようになる。

市場に出回っているある企業の株式の数が1000株、企業利益が10000円だったとすると、1株あたりの利益は単純計算で10円である。この時、この企業が株式を200株買い取ったとすると市場に出回る株数は800株となるのに企業利益はそのままのため、1株あたりの利益は12.5円と25%上昇する。

自社株買いは既存株主への還元という意味で行われることが多く、自社株買い発表と同時に株価も上昇することもある。

対策4 株主優待を導入する

投資家が企業への投資による見返りとして期待するものの一つが株主優待である。株主優待は特に個人の投資家によって重視されており、優待目当てで株を買う投資家も多い。実際、株を買ったら優待をもらい続けて株を売らない投資家も多く、企業としては長期保有投資家を増やすための施策となる。

「優待導入により○○の株価が大幅に買われた」というニュースは頻繁にみられ、業績上昇やその他企業の施策と同時に株価を押し上げる一要素となっている。

株主還元の重要性は高まるばかり

企業が投資家のことを考えた施策を打つことを株主還元を高めるというが、株主還元の重要性は年々高まりを見せている。

企業が自社の業績を上げることだけでなく、投資家から支持される対策を打つことは株価の下支え要因となるばかりでなく、幅広く投資家からの買いを集めることとなる。

株式投資において銘柄を選ぶ際には、その企業がどのような対策を過去に行っているのかをひと通りみておくのも良いだろう(企業のIRページには過去の対策が載せられていることが多い)。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある

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