CBインサイツの調査から、時価総額が高いユニコーン(時価総額10億ドル以上で上場していない企業)の割合が、米国からそれ以外の国・地域へと移行していることが明らかになった。

世界のユニコーンの割合では米国が過半数を維持しているものの、新たに生まれるユニコーンの数では、すでに非米国に追い抜かされている。2013年の新規ユニコーンは米国が全体の73%を占めていたが、2017年には43%まで縮小。代わって27%だった非米国が57%と逆転した。

特に中国における勢力拡大が目覚ましく、米国と肩を並べている。まずはトップ20を見てみよう。

ユニコーン時価総額トップ20(2017年11月データ)

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((写真=Thinkstock/Getty Images))

20位 Global Switch(グローバル・スウィッチ) 60.2億ドル 米国
19位 Snapdeal(スナップディール) 70.0億ドル インド
18位 Spotify(スポティファイ) 85.3億ドル スウェーデン
17位 Stripe(ストライプ) 92.0億ドル 米国
16位 Lyft(リフト) 96.2億ドル 米国
13位 DJI Innovations(大疆?新科技有限公司/DJIイノベーションズ) 100億ドル 中国
13位 Infor(インフォア) 100億ドル 米国
13位 Dropbox(ドロップボックス) 100億ドル 米国
12位 Toutiao(今日頭条/トウティアオ) 110億ドル 中国
11位 Flipkart(フリップカート) 116億ドル インド

10位 Pinterest(ピンタレスト) 123億ドル 米国
9位 Lu.com(?金所) 185億ドル 中国
7位 WeWork(ウィーワーク) 200億ドル 米国
7位 Palantir Technologies(パランティア・テクノロジーズ) 200億ドル 米国
6位 Space X(スペースX) 212億ドル 米国
5位 Airbnb(エア・ビー・アンド・ビー) 293億ドル 米国
4位 China Internet Plus Holding(中国互連網/チャイナ・インターネット・プラス・ホールディングス) 300億ドル 中国
3位 Xiaomi(小米科技/シャオミ) 460億ドル 中国
2位 Didi Chuxing(滴滴出行/ディディチューシン) 500億ドル 中国
1位 Uber(ウーバー)  680億ドル 米国

トップ6の時価総額は100億ドル以上 米国ユニコーンは失速?

CBインサイツのデータによると(随時更新中)、世界のユニコーン数は2017年11月の時点で217社に達しており、累積価値は7570億ドルに膨れあがっている。トップ6社の時価総額の合計は100億ドルを上回った。

米国ユニコーンは1位のウーバーを筆頭に、トップ10に5社、トップ20に合計10社がランクイン。総体的には世界のユニコーンの過半数(52%)を占めているものの、かつての勢いが影を潜めている感は否めない。

こうした勢力の変化は、新たに生まれるユニコーンの数にも反映されている。2013年には新規ユニコーンの70%以上が米国で生まれていたが、その後徐々に失速し、2016年には半数以下に落ち込んだ。

代わって頭角を現したのが中国である。ディディチューシン、シャオミ、チャイナ・インターネット・プラス・ホールディングスが、スペースXやエア・ビー・アンド・ビーといった米国の人気企業を抑え、ウーバーを追い上げている。トップ20には7社がランクインし、全体の23%を占めるまで成長した。

ほかに3社以上のユニコーンを生みだした国は、インド、ドイツ、韓国、英国のみだ。

一番人気はeコマース・マーケットプレイス産業

産業別に見てみると、トップ2は大手ライドシェア(ウーバー、ディディチューシン)だが、最も割合が大きいのは eコマースおよびマーケットプレイス(18%)で、チャイナ・インターネット・プラス・ホールディングス、エア・ビー・アンド・ビー、フリップカート、スナップディールの4社がトップ20に。次いでソフトウェアおよびサービス(14%)、FinTech(12%)という結果だ。

中国でネットショッピングやFinTechが急成長した背景を考慮すると、ユニコーンの増加は当然かと思われる。第4次産業革命に向け、VCを含むリスクマネー供給構造が改善されたこと、民間資本のインフラ分野への進出促進が活発化したことなども、後押ししているはずだ。

中国ユニコーンは米国などと比べ、電子商取引(EC)やFinTech、共有経済などB2C(企業と消費者間の商取引)を基盤とするユニコーンが多く、ビッグデータやサイバーセキュリティー分野が弱いのが特徴だ。

インドからは2社がトップ20に。ランクインした2社ともにeコマースという点から、同国の購買力が高まっていることが分かる。

時価総額の半分以上をトップ15が独占

勢力争いとともに、時価総額や調達資金が上位に集中している点が気にかかる。例えば時価総額6630億ドルのうち半分以上(51%)はトップ15が独占しているほか、調達資金1260億ドルの3分の1相当(37%)はトップ11が獲得している。

これまで最大の資金調達に成功したのはウーバーで、Google Ventures(グーグル・ベンチャーズ)やBenchmark Capital(ベンチマーク・キャピタル)などから、総額125億ドルを調達している。

次いでディディチューシンがソフトバンクやマトリックス・パートナーズ(Matrix Partners)から86億ドル、エア・ビー・アンド・ビーがモーニングサイド・グループ(Morningside Group,)やGGVキャピタル(GGV Capital)などから390億ドルを獲得した。

こうしたユニコーン投資の40%はベンチャーキャピタルで、法人・VC子会社(16%)、エンジェル投資家(8%)、資産・投資マネージャー(5%)がそれに続く。

ユニコーン最大の投資家はカリフォルニアを拠点とするSVエンジェル(SV Angel)と世界最大規模のVCセコイア・キャピタル(Sequoia Capital)で、これまでストライプ、エア・ビー・アンド・ビー、ドロップボックス、スナップチャットを含む各23件のユニコーン投資を行っている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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