2015年に立ち上がった邦銀初のスタートアップアクセラレータ・プログラムである、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の「MUFG Digital アクセラレータ」第3期の説明会が11月28日、東京・大手町のFINOLABで開かれた。

プログラムの主な対象領域はフィンテックのほか、AI、ブロックチェーン、量子コンピューターなど先端技術を応用した分野などで、事業プランのブラッシュアップ、プロトタイプの構築支援、事業プランの方向性に合わせたパートナー選定、アライアンスなど、事業化に向けた各ステップを全面的に支援する。

プログラム参加企業には、金融事業の専門家などのメンター陣からの支援、MUFGグループの専門家からのアドバイスを受けることができるほか、出資検討も行われる。(経済ジャーナリスト・丸山隆平)

製品のアピールより、どのようなサービスを展開したいのかを重視――MUFG藤井氏

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クラウドリアルティ鬼頭氏 (写真=筆者撮影)

当日はプログラムの責任者を務めるMUFGデジタル企画部の藤井達人氏がプログラムの概要、スケジュール、募集要項について説明した。

藤井氏は現状の認識として「テック大手との技術的なギャップが大きい。これに対してオープンイノベーションにより、外部のアイデアやスピードを取り入れ一緒に行うことにより、ギャップを補うことが重要だ」とし、その上で当企画について「これまで2回行ってきたが大きな成果が生まれている」と紹介した。

プログラムについて藤井氏は「4カ月にわたり外部のメンターからのメンタリングセッションが行われるが、4カ月ですべて終わるということではなく、以降も皆様の事業とどのように組んで行けるかきちんと検討する。また、MUFGグループのお客様の紹介も行うし、双方にシナジーが生まれることが分かった場合、出資を行うこともある」と述べた。また対象となる領域について「今回新たに仮想通貨を加えた」とした。

支援企業としてMUFG以外に、ICTパートナーとしてアマゾン、IBM、帝国データバンク、マイクロソフトに技術的支援を依頼していることを説明した。

次に藤井氏は応募プロセスについて解説。応募は来年1月14日締め切りで、Webサイトにて受け付ける。20~30社が2次選考に進み、ピッチコンテストを行う。最終的に5~7社を選び出し、3月中旬にキックオフし、7月までに4カ月間のプログラムを提供するという。

選考のポイントとして藤井氏は「新規性、革新性、実現性、実現するためのチーム力・熱意も重視している。また、事業プランは製品のアピールより、製品を活かしてどのようなサービスを展開したいのか、どういう事業を立ち上げたいのかを重視している」と明らかにした。

配慮はしても遠慮はするな――伊藤羊一氏 

続いて第1期からメンターを務める伊藤羊一氏氏(ヤフー コーポレートエバンジェリストYahoo!アカデミア学長)が「アクセラレータ・プログラムを使い倒そう」とのテーマで講演した。

伊藤氏は多様な経験の中でこれまでスタートアップ企業との付き合いが多いこと、またリーダーシップ、インキュベーション、プレゼンテーションについての講師を務めていると自己紹介、「MUFG Digital アクセラレータ」のほか、多くのプログラムのサポートを行っているが、自身が旧日本興業銀行出身であることからも、「外からはわからないが、銀行の持つ情報量は新聞の何倍にも相当する。著名なメンターがサポートしてくれることに加え、MUFG グループの各企業から意欲的な多くのサポートが得られることは大変なメリットである」と評価した。

また「プログラムの期間だけでなく、終了してもサポートしてもらえることは他のプログラムにはないことで、MUFG 側の本気度が伺える」とした。

一方、第1期、第2期に参加したスタートアップ企業の感想では、無償でプログラムから多くのことを得られると評価する一方、反省点としては「もっと使えば良かった」「もっと頼るべきだった」「遠慮してしまった」という指摘が多いことを紹介、「配慮はしても遠慮はするな」と伊藤氏は述べ、「参加者は主体性をもってプログラムをきちんと使い、コラボの成果を上げてほしい」と結んだ。

MUFGグループ各社からさまざまな応援を得た――クラウドリアルティ鬼頭CEO

3人目の登壇者は第2期のグランプリ受賞企業のクラウドリアルティの鬼頭武嗣Founder&CEO。

鬼頭氏は「不動産を対象としたクラウドファンディングのビジネスを行っている」と会社を紹介。「投資銀行で不動産を担当してた経験が現在に生きている。これまでのような中央集権的なキャピタルマーケットでなく、分散型の新しい資本市場を作っていきたいと考えている」と述べた。

具体例は京都の町家の再生を証券化のノウハウを使ってリノベーションするプロジェクト。投資家には10%を超える金利を保証している。海外ではエストニアでプロジェクトを展開している。

「MUFG Digital アクセラレータ・プログラム」については「期間中かなり密にミーティングを行った。週1、2回ミーティングを行い、投資家を集める作業、発行体の資金需要の開拓などMUFGグループ各社からさまざまな応援を得た。これからもMUFGと実際のビジネスを拡充して行ければと思っている」と述べた。

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