モンクレールといえば、フランスの高級ダウンジャケットとして有名だ。そんなモンクレールがこの冬、飛ぶように売れているという。その一方で、双璧をなす売れ筋ダウンはユニクロのウルトラライトダウンだ。

ユニクロの公式ホームページを確認すると、ウルトラライトダウンは6,000円前後で販売されている(2018年2月現在)。対してモンクレールの公式ホームページを見ると、モノによって差があるものの、20万円を超えるモデルが少なくない。

ダウンだけではない。化粧品や腕時計など、消費市場はあらゆる分野で両極化している。これは一体に何を示しているのだろうか。

モンクレール,ユニクロ,個人消費支出
(画像=Shutterstock/ Maria Svetlychnaja)

モンクレールのブランドストーリー

モンクレールは、機能性・品質・そしてファッション性において高い名声を獲得しているが、これは半世紀以上に及ぶ「FROM THE MOUNTAINS TO THE CITY」の歴史に裏打ちされたものだ。モンクレールの創業は1952年、フランスの小さな山村に設立された。社名は村の名前「Monestier de Clermont」に由来する。

当初よりアルピニスト向けにテント・シュラフ・防寒着を提供し続けてきたモンクレールは、カラコルム・アラスカ・マカルなどの登山・遠征舞台に装備面で支援を続けてきた。その機能性は専門家に高く評価され、1968年のグルノーブルオリンピックではフランスナショナルチームの公式ウェアに選ばれた。

モンクレールの品質も一級品だ。モンクレールにとってダウンのクオリティーは、社内の共通キーワードであり、その中でも、モンクレールは「フィルパワー」、すなわち空気の包含力だ。モンクレールは、フィルパワーが格段に優れる欧州産グースダウンの産毛を使用している。だからこそ少量のダウンで高い保温性が確保できるのだ。

同時に少量のダウンは、スッキリしたデザインを可能にし、モンクレールのブランドポリシーである「高機能性とファッション性の両立」を実現させている。現在モンクレールは、イタリアをはじめとするヨーロッパ・アジア・アメリカに約200の専門店を展開し、ハイクオリティーのスポーツウェアとして、そしてハイセンスのタウンウェアとして愛されている。

両極化の波は他の商品にも

何もダウンジャケットだけではない。消費市場の両極化はあらゆる商品に拡がっている。

化粧品メーカー資生堂の2017年売上は、前年比18%も伸び、1兆円の大台に達した。同社は1000円以下のメーク落としから5万円の美容クリームまで幅広く取り揃えているが、1500億円もの売り上げ増をけん引したのはプレステージ・フレグランスの高価格帯ブランドで、双方で全体の2/3を占める。

一方で、低価格帯も伸びている。冨士経済のレポートによると、低価格帯の国内出荷額は0.61兆円と、高価格帯の0.73兆円に迫る勢いだ。とくに時短ケアにつながるオールインワンやBBクリーム商品が人気を集めている。

腕時計はどうか。スイス時計協会の調査によると、購入希望層の中心価格帯は、30万円〜100万円が全体の6割を占めている。一方で、大阪府でのアンケート調査では「腕時計は持ってない、要らない」との回答が4割に達した。

庶民の消費は震災があった月と同水準?

アベノミクスによって、株価は上昇し、為替も円安に増えた。もともと資産運用に振り向ける資力があった富裕層が、この円安株高の恩恵を受け、資産効果から高額消費を増やしているということは、既に多くの識者から指摘されている。

その一方で、庶民の消費は盛り上がっていないようだ。総務省が発表している家計調査によると、二人以上世帯の1ヶ月平均消費額は294,130円であった(2018年2月16日公表の2017年10~12月期平均速報より)。関東大震災が起こった2011年3月の二人以上世帯の1ヶ月平均消費額が293,181円であり、直近のデータとほぼ同額であることからも「アベノミクスの恩恵が庶民に浸透していない」との指摘には一定の説得力があるだろう。

もちろん、好景気を示唆する経済指標も多く、富裕層の消費が強いことは経済にはプラス材料だ。政府には、更なる経済政策、構造改革を期待したいところだ。