上場,IPO,Spotify
(画像=Christopher Penler/shutterstock.com)

SpotifyのIPOは賛否両論

前回【第1回】ではサウジアラムコのIPOについて解説したが、今回紹介するSpotifyのIPOは戦争につながるようなものではない。そのため社会への影響力はサウジアラムコほどではないが、「株式公開の常識を変える」との見方もあるため投資界に与える影響は大きい。

一方でSpotifyのIPOについては否定的な意見もあり、手放しに称賛されているわけではない。IPOまでの流れ、株価の動き、対立する意見等について解説していく。

世界中で1.59億人のユーザーを持つテクノロジー企業、異例の直接上場

2006年ストックホルムで設立されたSpotifyは、世界中で1.8億人のユーザー(アクティブユーザー)が利用する無料の音楽ストリーミングサービスだ(Statista.com2018年7月26日データ)。同社の上場は「2018年最大規模のIT上場」として注目を集めていたが、直接上場という異例の手法が上場発表当初から賛否両論を巻き起こしていた。

企業が上場する際、通常は金融機関に主幹事の役割を依頼し、投資家へのお披露目を通して自社株の需要を見極めながら、事前申し込みや抽選を行う。上場当日に上層部がメディアの取材に応じるのも、上場セレモニーの一部として定着している。

直接上場とはこうした複雑なプロセスを一切省き、第三者の介入なしに上場する手法を指す。また資金を調達する手段である新規株も発行しない。規模の小さな企業ならまだしも、時価総額200億ドルを超えるSpotifyのような企業が行うのは異例である。

「新規株を発行せず、資金調達もしないのであれば、何が目的で上場するのか」という疑問が聞こえるのも当然だろう。

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