好奇心を育てる趣味の見つけ方

夢中になれる趣味は、脳にとって最強の味方だといっても、没頭できる趣味がない……。そんな方は、昔楽しんでいたことをもう一度やってみましょう。スポーツでも楽器でも、絵を描くことでも構いません。楽しい記憶が蘇よみがえり、脳が活性化します。

「昔も楽しみを持っていなかった」という方は、友人や配偶者といった親しい人の趣味を一緒に行なうのがお勧め。登山などスキルの要る趣味も、指導者がいれば安心ですし、経験を共有できる楽しさも格別です。

「そんな親しい人も居ない」という方は……旅行か、料理をしてみてはどうでしょう。知らない街の散策は好奇心を刺激しますし、「今度はあの街に行ってみよう!」と、目標を連鎖的につなげていくこともできます。料理も、創造性や段取り力を鍛えられるうえに、最後に美味しく味わえる最高の趣味です。

このように、脳を鍛える方法は、勉強だけに限りません。何かを学ぶこと以前に楽しみ上手であること──そうした「ハッピーな生き方」こそが、脳をいつまでも成長させるのです。

瀧靖之(たき・やすゆき)
東北大学教授
1970年生まれ。東北大学大学院医学系研究科博士課程卒業。東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野教授。脳のMRI画像データベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを研究。これまでに解析した画像は16万人以上。新聞・テレビ出演、一般向け著書も多数。近著『「脳を本気」にさせる究極の勉強法』(文響社)。《取材・構成:林加愛》(『THE21オンライン』2019年3月号より)

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