不動産を購入する際に、頭金なしで資金を全額ローンでまかなうことを、フルローンといいます。
今回は、フルローンのメリット・デメリットを解説し、賢くフルローンを活用するための注意点をお伝えします。
フルローンとは?最大のメリットはレバレッジ効果!
不動産投資をする場合、不動産投資ローンを組むことが一般的です。この時、物件の購入価格の一部を頭金として支払い、残額について不動産投資ローンを組むケースと、頭金なしで全額を不動産投資ローンでまかなうケースがあります。後者は、一般的に「フルローン」と呼ばれます。
なお、フルローンであっても、購入にかかる諸費用は自己資金から支払う必要があります。そのため、手持ち資金がゼロ円でいいというわけではありません。諸費用とは、登記費用や不動産取得税などです。金額は不動産の評価額によって変わります。
不動産投資でフルローンを活用する最大のメリットは、レバレッジ効果が高いことです。レバレッジとは、「てこの原理」という意味で、「少ない力で大きな成果を得る」ことを指します。つまり投資においては、元手を最小限に抑えて投資効果を最大化することをいいます。
不動産投資では、不動産を所有している期間が生涯所得に直結します。つまり、投資を始める時期が遅くなるほど、機会損失が発生するということです。
仮に家賃収入が年間200万円だとすると、投資を始めるのが5年遅くなれば、単純計算で1,000万円の機会損失が発生することになります。「頭金を貯めてから」と考えるより、フルローンでレバレッジをきかせて不動産投資を始めた方が、結果的に生涯所得を最大化できる可能性が高いのです。
キャッシュフローが悪化したら?フルローンのデメリットに注意!
上手に活用すればメリットの多いフルローンですが、リスクもあります。
ローンを組むということは、当然ですが返済義務が発生します。当初の予定通りに家賃収入を得ることができれば、家賃収入の中からローンを返済できるため、問題ありません。
しかし、物件が空室となり家賃収入が得られなくなったり、家賃相場が下落した場合、キャッシュフローが悪化します。そうすると、返済義務が重くのしかかってくるケースがあります。
もちろんこれは、フルローンでなくても当然加味しておくべきリスクです。ただフルローンの場合、ローンの金額が大きくなるため、リスクも高まるということを理解しておくべきでしょう。
不動産投資で成功したいと思うなら、こういったリスクを踏まえて、慎重に物件選びをすることが大切です。たとえば、都心物件や新築物件、デザイナーズマンションなど人気の物件を選ぶことで、空室リスクや家賃下落リスクを最小限に抑えることができます。
また、事前にしっかり事業計画書をチェックし、どの程度のキャッシュフローの悪化なら損失を吸収しきれるのか、自分自身のキャパシティを把握しておくことも大切です。
フルローンを賢く活用して資産形成をする
投資である以上、一定のリスクはつきものです。リスクがあるからこそ、大きなリターンを狙うことができます。フルローンを過度に恐れるのではなく、リスクを踏まえて慎重な物件選びをすることが大切です。
「手元にお金がないから……」という理由で、不動産投資をあきらめてしまうのは、もったいないことです。頭金を貯めたり、情報収集をしたりしている間も、時間は着実に過ぎていきます。過ぎた時間は戻ってはこないので、フルローンを上手に活用しながら、資産形成に取り組んでいきましょう。
(提供:マンション経営ラウンジ)