「株式投資に挑戦してみたいけど損をするのが怖い」「まとまったお金を投資するのに抵抗がある」という投資初心者は少なくないだろう。そのように考える人は「ミニ株」から始めてみるという選択肢がある。

この記事では、ミニ株の仕組みや買い方、ミニ株のメリット・デメリットなどについて説明しつつ、ミニ株投資でおすすめの証券会社についても紹介する。

ミニ株とは?

ミニ株,おすすめ
(画像=PIXTA)

一般的に株式投資で売買するときの取引単位は、1単元(100株)ごとだ。最低単位は、1単元(通常は100株)のため、1単元(100株)、2単元(200株)、3単元(300株)……と1単元の整数倍ずつ買わなければならない。このような株取引に関する制度のことを「単元株制度」という。しかし株価は銘柄によってさまざまだ。1株1,000円未満の銘柄もあれば数万円する銘柄もある。

例えば、TVゲームメーカーの任天堂<7974>の株価は2020年12月25日の終値は6万4,670 円 だ。株価の高低だけでは投資対象としての良し悪しを測ることはできない。しかし株価によって必要となる投資資金に大きな影響がでる。同じ1単元を購入する場合でも以下のように異なるからだ。

・1株500円の銘柄:500円×100株=5万円の投資資金が必要
・1株6万4,670円の銘柄:6万4,670円→×100株=646万7,000円の投資資金が必要

こうした数字を見れば、購入したいと思う銘柄があってもなかなか手は出せない場合もあることが分かるだろう。しかし株価が数万円する銘柄でも「1株なら買える」と思う人もいるかもしれない。そんな人におすすめなのがミニ株だ。

いくつかの証券会社では、1単元(100株)に満たなくても株の売買ができるサービスを提供している。これを一般的に「ミニ株」といい、単元の10分の1(10株)で取引が可能だ。

ミニ株の特徴

通常の株取引は、証券取引所で売買が行われる。しかしミニ株(単元未満株取引サービス)の場合は証券会社が独自に提供しているサービスだ。証券会社が保有する株式などを分割して売り出す仕組みをイメージするとわかりすいだろう。よって、すべての証券会社が取り扱いをしているわけではない。一方で単元未満株取引サービスを取り扱う証券会社の中には、売買単位をより小口化する会社も出てきている。なかには、最低1株から取引できるようにしている証券会社もある。

なお通常の「単元株制度」と大きく違う点は、議決権がないことだ。通常、株を1 単元購入して株主になると議決権(経営参加権)が与えられる。これは、株主総会に出席し企業経営に関する重要事項(利益処分案や役員の選任など)を承認したり否認したりするなど間接的に企業経営に参加できる権利のことだ。

ミニ株(単位未満株)の場合は、この議決権を得ることはできない。

【ミニ株の売買】

ミニ株の売買では「成行(なりゆき)」のみで注文できる。なぜなら証券会社によって異なるが、ミニ株の売買取引は一般的に売買を申し込んだ翌日の「寄付(よりつき)」の価格で約定するからだ。「成行注文」は売買を行うときに値段を指定せずに注文することである。また「寄付」とは、その日の前場もしくは後場の始値(1日の取引がスタートして最初に付いた株価)のことを指す。

つまりミニ株を売買する場合は、自分が思った価格で売買できない場合がある。売買注文の受付時間は、証券会社ごとに異なるので、各証券会社のホームページで確認しておくべきだろう。なお同一銘柄をミニ株として何度か買付することで手持ちの株式数が単元株数(100株)に達したときには、通常の単元株となる。

しかし逆に1単元(100株)購入した株式を「ミニ株として50株売る」といったことはできない。

S株・ワン株・プチ株って?

単元未満株取引サービスは「ミニ株」の名称で知られていますが証券会社によって商品名称が異なる。「S株」「ワン株」「プチ株」とは以下の証券会社の商品名だ。

 証券会社名  商品名称  最低取引株数
 SBI証券  S株  1株~取引可能
 マネックス証券  ワン株
 auカブコム証券  プチ株

ミニ株投資のメリット・デメリット

ミニ株投資を行うときには、メリットとデメリットをきちんと理解してから行うべきだろう。

ミニ株のメリット:少額から始められる

ミニ株のメリットは、少額で株式投資を行えることだ。単元株では、高くて購入しにくい優良企業の株式でも購入することができる。少額で購入できるため、資金に余裕があれば複数の銘柄を購入可能だ。複数の企業の株に分散投資することで株価の変動リスクを抑えることが期待できる。

ミニ株のデメリット:手数料に要注意

ミニ株のデメリットとしては、売買の注文時には適用される株価が確定していないことだ。ミニ株の売買のところで説明したように通常は売買を申し込んだ翌日の寄付の価格が約定価格となり想定よりも高かったり低かったりする可能性がある。また売買手数料が割高になる可能性も否めない。

1回の取引にかかる手数料は、単元株の場合と比べて低く設定されている傾向だ。しかし単元株になるまでミニ株を何度か買い付けるようなケースでは、トータルすると単元株を1回買うより高くなる場合もある。 手数料の設定方法は、証券会社によって異なるため、各社のホームページで必ず確認するべきだろう。

NISAでミニ株を買う

ミニ株は、NISA(少額投資非課税制度)を利用して取引することも可能だ。NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」 がある。ミニ株は積立購入ができないため利用するなら一般NISA口座を利用することになる。一般NISAの年間投資上限額は120万円で最長5年間得られた利益に対する税金がかからない。

NISAでミニ株を買うメリット

NISA口座でミニ株を買う主なメリットは以下の通りだ。

・最長5年間、配当金や売却などで得られた利益に税金がかからない
・投資金額が小さめなので、年間120万円の非課税枠を使い切りやすい
・120万円の非課税枠の中で複数の銘柄に分散投資できる

NISAを利用すれば、利益に税金がかからない点は、通常の単元株取引の場合も同じだがミニ株ならではのメリットは、120万円という限られた非課税枠を使い切りやすいということだ。株価に応じて例えば32株購入するなど余った非課税枠のスキマに収まるように株数を調整する買い方もできる。

NISAでミニ株を買うデメリット

NISA口座でミニ株を買う主なデメリットは、以下の通りだ。

・NISA口座を開設した証券会社がミニ株を取り扱っていない場合がある
・一度使った非課税枠は取り戻せない

NISAは、すべての金融機関の中で1人1口座というルールがある。そのためすでにNISA口座を所有している場合には、その口座を開設した証券会社を通して株の売買を行わなければならない。しかしミニ株はすべての証券会社が取り扱っているわけではない。NISA口座のある証券会社がミニ株制度(単元未満株取引サービス)を取り扱っていなければNISAでミニ株を買うことはできない。

なお、ミニ株は取引が少額となる傾向のため、買いも売りも頻繁に行いやすい可能性がある。しかしNISAは一度非課税枠を使ってしまった場合、後で株を売ってもその枠を再度利用することができない。非課税枠が余っていると思って注文したものが、実際には課税口座で取引されてしまうケースがあることには注意が必要だ。

ミニ株の始め方

ミニ株(単位未満株)の取引を始めるには、通常の株式投資同様に、まずは証券会社に口座を開設しなければならない。しかも、単元未満株取引サービスを扱っている証券会社を選ぶ必要がある。

「購入できる最低株数」「ミニ株で買える銘柄」などは証券会社によって異なるが、最近では、多くの上場銘柄を買える証券会社も多い傾向となっている。しかし、なかには「上場銘柄のうち証券会社が指定する銘柄 」としているところもある。そのため「ミニ株だったら買えると思っていた銘柄が、その対象となっているかどうか」については事前に確認しておくべきだろう。

口座開設も開設後の売買注文もオンラインでできるようにしている証券会社が多くある。特に「S株」「ワン株」「プチ株」などの単元未満株取引サービスは、ネット証券会社のサービスのため、すべての取引をオンラインで行うことが可能だ。

証券会社をミニ株の売買手数料で比較

ミニ株取引は売買手数料を低く抑えることが可能だ。ただし取引単位が小さいため、利益も通常取引の場合に比べて少なくなる傾向にある。例えば、ある銘柄を株価1,000円のときに1株買ったとする。株価が1,200円に上がれば、単純に考えると200円の利益になるが、手数料が買うときにも売るときにもかかってしまう。

仮に買うときに50円、売るときに50円かかるとすれば手取り利益は100円になってしまう。ミニ株は、複数銘柄を買ったり単元株になるまで追加購入をしたりすると取引の回数が多くなり、それにつれて手数料もトータルで膨らむ傾向がある。手数料のかかり方は証券会社によって異なるため、さまざまな証券会社を比較してできるだけ手数料の少ない証券会社を選ぶのがおすすめだ。

ミニ株取引ができるおすすめの証券会社

※コンバージョンポイントを設置してください(下の説明の順番とバランスをとってください)

SBIネオモバイル証券 Tポイントを活用できる

SBIネオモバイル証券におけるミニ株の概要は、以下の通りだ。

 ミニ株の名称  S株
 最低購入数  1株
 手数料  50万円以下の場合、月額220円(税込み)
 約定  1日3回(前場始値、後場始値、終値)
 取引時間  24時間365日受付可能(約定価格は取引したタイミングによる)
 取扱銘柄  東京証券取引所(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)上場銘柄
 取扱銘柄(売却のみ)  以下の証券取引所上場銘柄
 ・名古屋証券取引所(1部、2部、セントレックス)
 ・福岡証券取引所(Q-Board含む)
 ・札幌証券取引所(アンビシャス含む)

SBIネオモバイル証券では、Tポイントを投資に利用できるため、はじめて株式に投資する人でも気軽にチャレンジできる。手数料が月額制になっているため、月に何度もミニ株取引を行いたい人には他の証券会社に比べて手数料を低く抑えられる可能性がある。

LINE証券 LINEポイントをお得に活用

LINE証券におけるミニ株の概要は、以下の通りだ。


 ミニ株の名称  いちかぶ
 最低購入数  1株
 手数料  無料(取引コストとして0.2~1.0%※のスプレッドが約定価格に加減算される)
 ※取引時間に応じる
 約定  平日21:00までリアルタイム取引
 取引時間  日中
 ・9:00~11:20
 ・11:30~12:20
 ・12:30~14:50

 夜間
 ・17:00~21:00
 取扱銘柄  東京証券取引所(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)上場銘柄
 取扱銘柄  取扱銘柄 東京証券取引所(1部、2部、マザーズ、TOKYO PRO Market、JASDAQ)
 上場銘柄のうち1,015銘柄(2020年10月5日 現在)
 ※取引時間(A、B、Cグループ)により取扱銘柄が異なる

LINE証券のミニ株は、普段利用しているLINEアプリから投資できるため、専用アプリをダウンロードする必要がなく、手間がかからないのがメリットの一つだ。「LINE Pay」を利用した入出金や「LINEポイント」を活用した投資もできる。21時までの注文が即時約定されるため、日中は忙しい人でも夜間に落ち着いて銘柄を選べることもうれしいポイントだろう。

CONNECT 大和証券グループが運営

CONNECTにおけるミニ株の概要 は、以下の通りだ。


 ミニ株の名称  ひな株
 最低購入数  1株
 手数料  無料(0.5%のスプレッドが約定価格に加減算される)
 約定  平日9:00~14:55までリアルタイム価格で即時約定
 取引時間  平日
 ・9:00~11:30
 ・12:30~14:55
 上記時間帯以外(平日14:55~16:00除く)は、予約注文
 取扱銘柄  300以上の国内有名企業銘柄

CONNECTは、大和証券グループが提供している単元未満株取引サービス。スマートフォンで取引が完了するため気軽に投資にチャレンジできる。取引可能時間も長くほぼリアルタイムで約定するため、投資タイミングを逃さない点は魅力だろう。

SBI証券 手数料が業界最安水準

SBI証券におけるミニ株の概要は、以下の通りだ。


 ミニ株の名称  S株
 最低購入数  1株
 手数料  約定代金×0.55%(税込み)
 最低手数料:55円(税込み)
 約定  1日3回(前場始値、後場始値、終値)
 取引時間  24時間365日受付可能(約定価格は取引したタイミングによる)
 取扱銘柄  東京証券取引所(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)上場銘柄
 取扱銘柄(売却のみ)  以下の証券取引所上場銘柄
 ・名古屋証券取引所(1部、2部、セントレックス)
 ・福岡証券取引所(Q-Board含む)
 ・札幌証券取引所(アンビシャス含む)

SBI証券のミニ株はSBIネオモバイル証券のS株と同様のサービスだが、手数料の設定方法が異なる。

マネックス証券 ミニ株だけでなく外国株式も豊富

マネックス証券におけるミニ株の概要は、以下の通り。


 ミニ株の名称  ワン株
 最低購入数  1株
 手数料  約定代金×0.55%※(税込み)
 最低手数料:5 3円※(税抜き)
 ※インターネット取引の場合
 約定  当日11:30までの注文が原則として後場の始値で約定
 取引時間  17:00~翌11:30
 取扱銘柄  以下の証券取引所上場銘柄
 ・東京証券取引所(マザーズ、JASDAQ含む)
 ・名古屋証券取引所(セントレックス含む)
 取扱銘柄(売却のみ)  以下の証券取引所上場銘柄
 ・福岡証券取引所
 ・札幌証券取引所

マネックス証券では、ワン株以外にも投資信託を1日100円から積み立てできるサービスや米国株、中国株などの外国株式の取り扱いもしている。ミニ株にあわせて他の投資を考えている人におすすめの証券会社といえるだろう。

日興FROGGY サイトの記事から株式が購入できる新しいサービス

日興FROGGYにおけるミニ株の概要は、以下の通りだ。


 最低購入数  100円から
 手数料  無料(一定のスプレッド※が約定価格に加減算される)
 ※取引額は100万円までは購入時0%、売却時0.5%
 約定  1日2回(前場始値、後場始値)
 取引時間  平日
 ・5:00~11:30
 ・16:00~24:00 土日祝
 ・5:00~24:00
 取扱銘柄  SMBC日興証券が指定する銘柄

日興FROGGYは、SMBC日興証券が運営する情報メディアと取引機能が一体化した投資サービス。「少額から始めたい」「学びながら投資をしてみたい」という人が、実践を通じて成長していくことを応援している。購入は、株数単位ではなく金額単位での取引となるのが特徴だ。またdポイントを株の購入代金に充てることも可能となっている。

岡三オンライン証券 分析ツールの評価が高い

岡三オンライン証券におけるミニ株の概要は、以下の通りだ。


 最低購入数  1株
 手数料  1注文の約定代金による※
 ~2万円:220円(税込み) ~3万円:330円(税込み)
 ~10万円:660円(税込み)
 以降10万円増えるごとに660円(税込み)ずつ加算
 ※インターネット取引の場合
 約定  1日3回(土曜日・日曜日・祝日の注文分は取引時間に関係なく翌営業日後場の始値で約定)
 取引時間  16:15~翌10:30
 取扱銘柄  以下の証券取引所上場銘柄およびETF
 ・東京証券取引所(1部、2部、マザーズ、JASDAQ)
 ・名古屋証券取引所(セントレックス含む)
 取扱銘柄(売却のみ)  以下の証券取引所上場銘柄およびETF
 ・福岡証券取引所(Q-Board含む)
 ・札幌証券取引所(アンビシャス含む)

岡三オンライン証券では、分析ツールの使いやすさに定評がある。2020年オリコン顧客満足度調査でネット証券1位を獲得している。しかし他の証券会社と比べてミニ株取引の手数料は高くなっているため、ミニ株だけを利用したい人にはあまりおすすめできない。岡三オンライン証券でミニ株取引をする場合には、他の金融商品もあわせて投資するのがよいだろう。

実際に株式投資を始めてみる

ミニ株取引の基本知識について理解できれば早速チャレンジしてみてはいかがだろうか。株式投資は少額から始めてみて株価の動きや取引タイミングのつかみ方など投資感覚も身につけていくのが基本だ。ニュースなどで良く見聞きする有名企業などの銘柄をミニ株で買ってみるというのも一つの方法だろう。