本記事は、山口雄輝氏の著書『お金も仲間も引き寄せる 神コミュニティの創り方』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
神コミュニティを創るリーダーの心構え
より大きなことを成し遂げるためにリーダーが持っておいたほうがいい心構えをお伝えします。
●全員が幸せになれる空間を作ろう
神コミュニティを創る際、リーダーは参加する全員が幸せになれる空間を考えましょう。これには「対内的」と「対外的」の2つがあります。
対内的に押さえておくべき要素は、「ためになる」「元気になる」「ネタになる」の3つです。そのコミュニティに参加することで、メンバーにはどんな「ためになること」があるのか、を考えます。たとえば、自分の強みを活かせる、やりたかったことが実現できる、何かのトレーニングになって勉強や成長ができる、などです。
また、そのコミュニティに参加して活動することで、心身共に元気になり、人生が今までよりも豊かになることも大事です。
そして、ネタになるコミュニティであることで、人はそれを誰かに話したくなります。すると、思わぬ参加者が現れたり、SNSや動画の発信によって素早く拡散できたり、地方自治体などが興味を持ってくれたりと、大きな利に結びつくこともあります。
次に、最も重要なのが「対外的」の部分です。神コミュニティにはこれが欠かせません。
コミュニティのUSP(Unique Selling Proposition=他にはない独自の価値を提案すること)ともいえるものですが、僕個人はUSPはもう古いと考えており、現代版へのアップデートが必要だと思っています。
それが「強く刺さる」「深く刺さる」「他にない」の3つです。
(1)強く刺さる=他人の手垢がついていない考え方やキャッチコピー、独自性が入っている
(2)深く刺さる=メンバーや参加者の共感を得られるように設計されている
(3)他にない=参入障壁が高く、簡単には真似できない
この3つが揃っていることで、コミュニティは大きくなりやすいのです。
●最初にリスクを取って「熱量のある言い出しっぺ」になろう
神コミュニティを起ち上げる主宰者として、必要なのがリスクに対する心構えです。
リスクには3つあります。「時間的リスク=人生の時間を費やす」「金銭的リスク=自分のお金を費やす」「責任的リスク=何かあったときに責任を取る」です。
これら3つを、最初に自分が抱えるつもりでコミュニティを始めましょう。
こう書くと不安になるかもしれません。ですが万が一、抱えたリスクが発生してしまったとしても、1人で解決しようとせず仲間の力を借りて助けてもらえばいいのです。
重要なのは、この心構えを持っていないと仲間がついてこない、ということです。
逆にいうと、3つのリスクを取る心構えができていれば(仲間に伝える必要はありません)、あなたは「熱量のある言い出しっぺ」になることができ、その熱量は仲間に伝わるのです。
僕は〈マムツリー〉での最初の貯金のほかに、〈REWILD〉では最初のキャンピング・カーの購入費用もかかっていますし、〈タキビダイ〉では開拓するキャンプ場の土地代もかかってきます。
それでも、その熱量が伝わり、仲間と神コミュニティを創って、そこから発生した利益でプラスに還元できています。かけたリスクは決して無駄になりませんので、最初に自分がリスクを取る心構えを持ちましょう。
私の尊敬する吉田松陰はこのように言っています。
「“自分が先頭を切る”まずは自分から熱くなること。自分から動く出すこと。その姿を見て冷ややかになったり離れていったりする人もいるだろう、だが同時にその想いを受け止めて、一緒に熱くなってくれる仲間も必ず現れる」
私はこの考え方に深く共感しています。
●メンバーの利益と一致する役割を提案しよう
コミュニティを創り、目的に向かって運営していくと、必ず「これをしなければいけない」ということが出てきます。
そんな場合、現状のメンバーに「これやって」と振るのはNGです。もちろん、その作業がメンバーの担う役割や、強みに則したものであれば構いません。ですが、関係のない作業を“ついでに”やってもらおうとすると、そのメンバーの熱量が下がってしまいます。
たとえば現在、〈タキビダイ〉では、山を開墾してキャンプ場を創る予定です。某テレビ番組の“DAS〇村”をイメージしてもらえるとOKです。
僕たちは、PRとしてこのキャンプ場を発信したい希望があり、実際にサロンメンバーに広報の役割を担ってもらって発信をしてもらう予定です。メンバーには数万人のチャンネル登録者がいるユーチューバーがいるのですが、彼に村が出来上がっていく様子を動画で公開していただきます。
彼にはユーチューバーとして面白いコンテンツを発信できるメリットもあり、村の開墾を動画に撮って配信することで面白いコンテンツを発信できる。僕たちは村のPRになる。これはお互いにやりたいことを双方の能力が満たしている状態です。
他にも、山の開墾のために「ものづくり隊」などもあります。
たとえば、ものづくり隊は、当然ですが開墾して畑を作ったりすることに熱量が高いです。他の班も、それぞれの役割に対して熱量が高いですが、作業内容はそれぞれ違います。
ですがもしも、たとえば僕が資料作成の業務を彼らに頼んだとしたらどうなるでしょう?ものづくり隊のメンバーに撮影までやらせると、どうなるでしょう?
当然ですが「やりたくないこと」なので“仕事”になってしまい、熱量が下がります。これではいけません。
大切なのは、あくまでもメンバーが「やりたいこと」だけに集中させることです。熱量の高い小集団を複数作って、全員が同じゴールを目指すことで、コミュニティ全体の熱量も必然的に高くなるのです。
では、新たに出てきた「やらなければいけないこと」はどうすればいいのか?
適宜、必要なメンバーを加えていけばいいのです。コミュニティを創った最初の段階からすべての仲間を揃える必要はなく、最初のコアメンバーをベースに増やしていくようにしましょう。
その際、「自分の知り合いにこの作業の得意なやつがいるから連れて来るよ」とメンバー内から声が上がれば、それはコミュニティ自体の熱量が高く維持されていることを示す指標にもなります。
●今日から「徹底的幹事宣言」をしてしまえ
ハーバード大学では、入学者全員に「ホームパーティの幹事」に挑戦する課題を出す制度があります。
いずれ人の上に立ち、組織を束ねるリーダーになっていく彼らに、学生のうちからイベントの幹事をさせるのです。イベントを企画して、人を動かし、人の集まりを作り、感動させたり楽しませたりすることは、人生の成功やビジネスで成果を上げることに役立ちます。
僕はこの制度をとてもいいと思っていて、会社でもコミュニティでも、なるべく若いうちから幹事的な役割をすることで、俯瞰視点を身につけることができます。
コミュニティでいえば「どの部分で熱量が下がっているか」、会社だったら「どうも打ち解けられていない同僚がいる」といったことが見えるようになるのです。
このような視点を早いうちから身につけられるよう、ぜひ今日から「徹底的幹事宣言」をしてしまいましょう。
僕の場合、大学2年生のときに友人たちの前で「俺はこれから徹底的に幹事をするぞ!」と宣言し、それから月1で10~100人のイベントの幹事をしてきました。
飲み会を開いたり、夏のBBQや雪山へスノーボードをしに行ったり……という、どんな大学でもある一般的なイベントで、特別なものではありません。
ですが、この経験で多くの友だちができ、自分自身も仲間を集めたりイベントを仕切る力が身についたりして、今のコミュニティ創りで大いに役に立っています。
神コミュニティには「熱量」がとても大事です。会社であれば、お金で人をつなぎとめることができますが、「想い」で運営するコミュニティはメンバーの熱量が下がると離脱が起きてしまいます。
コミュニティを維持し、大きなことを成し遂げるためには熱量への意識が必要です。
そのためにも今のうちから徹底的幹事宣言をして、俯瞰視点を養いましょう。
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