本記事は、山口雄輝氏の著書『お金も仲間も引き寄せる 神コミュニティの創り方』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
仲間を離脱させない5つの仕組み
このように仲間を集め、共創し始めたコミュニティを運営していくときには、単に自然の流れに任せるのではなく、リーダーとして彼らが本当にそのコミュニティを楽しんでいるかを確認し、間違っても離脱をさせないような仕組みを考える必要が出てきます。
その仕組みを5つのポイントでお伝えしましょう。
(1)メンバーを「発信者」にする
神コミュニティの活動によって、リーダー以外の主要メンバーや参加者が、何らかの役割で何かアウトプットをしたら、それを積極的に発信できる仕組みをつくっておきましょう。
といっても、難しく考えることはありません。
1億総発信者時代の今の世の中では、SNSツールや個人ブログなど、面白いことに集まろうとする人の多くは(全員とはいいませんが)何かしらのツールを持っています。それを使って発信してもらえばいいのです。
また、ツールを持っていたとしても、日常的に使っている人もいれば、たまに何かあったときや気が向いたときだけに発信する人もいれば、開店休業状態の人もいるでしょう。そういった人たちにとって、コミュニティでの活動は発信するネタになるのです。
発信することによって、発信者のなかでその活動が「自分事」になります。
発信者にも、もちろん個人的なつながりがあるので、発信した内容に対して、たとえば「いいね」のリアクションがあったり、プラスのコメントがあったり、プライベートで友だちとその話題で盛り上がったりと、何かしらのリアクションが起きます。
そうすることで発信者のなかには達成感や、活動へのやりがい、感動が生まれます。もしくは、その感動を誰かに伝えることができるようになります。
そして、それが発信者にとってのコミュニティの価値にもなりますし、神コミュニティにとってプラスのアピールにもなるのです。
(2)報酬を「与える側」に引き上げる
自分事になる別の方法として、報酬を与える側にしてしまう方法もあります。
報酬を与える側にしてしまうことは、たとえばメンバーの熱量が少し下がっていると感じたときにも使えますし、まだ照れがあったり、自分から行けなかったりする(本当は行きたい)人を主体的にするための仕組みでもあります。
報酬とは、お金ではありません。「最高に楽しかった」「やってよかった」という感動体験が神コミュニティでは報酬になるのです。
一例として、すでにお伝えした〈マムツリー〉を曜日オーナー制にした仕組みが挙げられます。曜日オーナーになったことで、彼らは主体的に集客し、お客さんを楽しませる店にすることで、感動体験を「与える側」になりました。
他にも僕が現在、〈タキビダイ〉でやっていることでいうと、先日開いた第0期生の歓迎会に、30人の参加者がいました。彼らを約10人ずつ3つのグループに分け、うち数人をそれぞれのグループのリーダーとして任命したのです。
すると、彼らには「役割」ができたことになります(この際は、もちろんその人の強み=グループのミッションとリンクさせています)。歓迎会はそれぞれに盛り上がり、最後に最も楽しそうだったメンバーに締めの挨拶をお願いしました。
彼らはグループ内に報酬を与える側になれたのです。
(3)新しい“血”を定期的に入れる
神コミュニティであっても、マンネリ化は起きてしまいます。自然発生的に、熱量が徐々に下がり始めるのです。人が価値で集まっている組織においては、これが起こるのは避けられないことです。
マンネリは刺激がない、もしくは、刺激だったものが慣れて刺激でなくなってしまうことで起こります。
だったら、新しい刺激を作る仕組みがあればいいのです。
その方法の1つが「新しい血を入れること」です。
新しい血=新メンバーです。
さらに、新メンバーもリーダーが1人で決めるのではなく、主要メンバーで話し合いをして「どんな特性の人がこの神コミュニティに必要か」を話し合いましょう。この新メンバー加入イベントそのものが、刺激にもなります。
候補の人物が挙がったら、もちろんストーキング・サーチです。もしくは、紹介者を介してきちんとスクリーニングです。
「神コミュニティは新規メンバーのリクルーティングが9割」という格言が僕のなかであるくらい、これは重要なことです。
(4)「たたえ合う仕組み」でマンネリ化を防ぐ
マンネリ化を防ぐもう1つの仕組みが「たたえ合う仕組み」です。
たたえ合うことを仕組み化する一番シンプルな方法は、「何かいいことをしてくれた人」「何かを助けてくれた人」を称賛することです。
先日、〈タキビダイ〉のミーティングで資料を作ってくれたメンバーがいました。そのことをみんながいる場で発表し、拍手で称(たた)えました。このような小さなことでいいのです。
彼を称えたことで、彼の存在を「彼自身」と「メンバー」がそれぞれ認識しました。自分の行動がコミュニティにプラスに作用したこと、コミュニティにプラスになる行動が称賛されることを、それぞれに認識できたのです。
このような仕組みをつくるときに、リーダーは助けてもらうことを遠慮するのはやめましょう。資料が必要だったら、できそうな人に「お願いできる?」と頼んでいいのです(定期的にお願いする場合は、その人の「やりたいこと」とお願いが紐づいていないとダメなので注意しましょう)。
競い合う仕組みのためだけではありません。実はもう1つ、意味があります。
意外かもしれませんが、心理学では「恩を売るより、恩を受けたほうが、相手からの自分への好感度が上がる」ことがわかっていて、「認知的不協和の解消」という心理効果で実証されています。
要するに、助けるより“助けられたほうが”自分の好感度は上がるのです。
自分が苦手なことを誰かにしてもらって、感謝を伝えて価値を認識してもらい、さらに相手から好きになってもらえる。こんな素晴らしいことはありません。
(5)クオリティを保つための「お約束」と「ルール」の法則
コミュニティを運営していると、必ず「こういうときはどうするか?」「これってどうなの?」「こういうことをしたらどうなるか」といった、場面ごとの疑問やイレギュラーが出てきます。
その都度対応していると、本来やるべきコミュニティ活動に支障が出る可能性もあるので、できれば運営をスタートさせる段階で「お約束」と「ルール」を設定しておきましょう。
どちらもコミュニティに関わるすべての人に向けた規約ではありますが、お約束は「ポジティブなマインド統一」を、ルールは「禁止事項」をイメージして策定するといいでしょう。
お約束は文化みたいなものなので、コミュニティ・リーダーが作っていくものです。たとえば、皆の前でほめ称えたり、良いアウトプットをメンバーがシェアしたり、という空気感を作ることです。一例として、〈タキビダイ〉で使っているものをご紹介します。
【お約束】
・「アウトプットは最大のインプット」せっかく入会してるので積極的に参加しましょう。(踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊らにゃ損々!)
・みんなでアイディアを出し合い、応援しあい、相互支援で成長していきましょう!
・楽しもう!
【ルール】
・運営に支障があると判断した場合、退会をお願いする場合がありますのでご了承下さい。
・イベント含め強制退去を命じる場合があります。その場合いかなる場合も返金を行いません。(酔っぱらって暴れてしまう。運営を阻害する。空気を悪くする。等々)
・否定批判、誹謗中傷、ネットワークなどの営業は禁止です!
・会費は990円/月額とします。イベントでは都度参加費を頂くものも御座います。
・怪我や物品の紛失、その他事故に関しては全て自己責任とサロンは一切の責任を負いません。
あくまでも一例ですが、コミュニティに必要なものが網羅されていると思いますので、活用してもらっても構いません。
または、これをベースに自身のコミュニティにマッチするようアレンジしてもいいで しょう。
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