ETFの価格は需給状況により変動する

ETFには、『プライマリ市場』と『セカンダリ市場』から形成されている。プライマリ市場は『発行市場』とも呼ばれ、ETF運用会社と指定参加者の間でETFの受益権が設定または解約(交換)されETFの発行済受益権口数が増減していく。一方のセカンダリ市場は『流通市場』と呼ばれ、発行市場で発行された受益権が流通する市場となる。

ETFに関連する値段には、ETFの設定・交換の行われる発行市場で使用される『基準価格』と、投資家が金融商品取引所で取引する『市場価格』がある。ただし、ETFはその需給に応じて発行済みの口数が増減するという性質を持っており、その口数が増減することで需給の調整がなされている。

ETFの市場価格は需給バランスに左右され、ETFの需要が増すとETFの市場価格は基準価格よりも高くなり、供給が低い場合は基準価格よりも市場価格が下がるように需給状況によって変動する仕組みをもっている。


ETFの種類

日本で取引可能なETFは大別して2種類。1つは、国内で組成され国内の金融商品取引所(東証など)に上場している『国内籍ETF』。国内全ての取引所で売買が可能だ。

もうひとつは、『外国籍ETF』とよばれるもので、国内の取引所にも上場しているが、大部分は海外の取引所に上場しており、一部の証券会社を通じて売買が可能となる。なお、『外国籍ETF』を売買する場合には為替の影響を考慮した取引判断が必要となる。


こんなにあるETFのメリット!

ETFの特色は、大きくいうと簡単で透明性が高い商品であること。その他の商品よりもリスクコントロールも容易であるため、スタートアップの投資家に向いているといえるだろう。

メリットの1つとして、分散投資を行うことが容易であることがある。仮に自身でTOPIX連動型投資を行う場合は、相当な額のまとまった資金が必要となるが、ETFであれば10万円程度からでも十分に投資可能だ。

2つ目は、保有コストが安いこと。ETFには株式と同様の売買手数料である『売買コスト』と『保有コスト』という2種類のコストがかる。『保有コスト』は信託報酬であり、ファンドへの報酬だが、通常の非上場の投資信託と比較し事務費用が安価であることから信託報酬が安く、コストを低く抑えることができる。

3つ目は、値動きがわかりやすいこと。ETFは指数に連動するように運用されているため、値動きがわかりやすく、市場価格自体も現状の指数の動きを織り込んだ形で投資家が売買するため、対象指数の動きで価格変動が説明できる。日経平均やTOPIIXであればテレビなどで情報を取得でき、値動きを追いやすいといえるだろう。

さらに、いつでも売買可能ということもメリットだ。通常の非上場の投資信託は1日1回その日の終値で基準価額が算出され、その基準価額で1日1回の設定・解約しかできない。一方、ETFは株式と同じく指し値や成り行きで相場を見ながらリアルタイムで注文することが可能だ。

また、なかには株主優待が付いているものもある。『上場インデックスファンド海外債券毎月分配型』は、不定期実施ながら株主への優待を行っている。投資口数10口につき、500円の図書カードを贈呈した実績がある。


ETFの可能性

ETFを活用すれば、資産効率的に運用ができるだけでなく、リスクヘッジにも効果的だ。リーマン・ショック以降、日本の証券取引所に上場しているETFの種類も多様化し、証券会社でも多くの海外ETFを扱うようになった。いくつかの指数を組み合わせたETFを複数保有することで、低コストでリスクを抑えたポートフォリオ形成が可能になる。

(ZUU online)

【編集部のオススメ記事】
個人投資家に最適なETFでの口座開設はどこの会社がよい?
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
「信用経済」という新たな尺度 あなたの信用力はどれくらい?(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)