本記事は、つちやけいこ氏の著書『不動産10物件 株100銘柄 保有の元証券ママと学ぶ 女性のためのお金の増やし方』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
「10年で10倍」は意外に簡単?
実際には、株価は毎年20%ずつ上昇するような値動きではなく、それ以上に値上がりすることもあれば、値下がりすることもあります。1年ごと、あるいは1日のうちでも、上にも下にも動くリスクがあるのですが、これを長い目で見ると違って見えてきます。
たとえば、ユニクロを展開しているファーストリテイリング株を例にしてみましょう。
10年前には、1株1万円前後で100株単位で買えたので、最低購入価格は100万円ほどでした。それが、2021年2月には1株10万円を突破。最低購入価格は1000万円を超え、10年で10倍にまで膨らんでいます。
あるいは孫正義さん率いるソフトバンクグループ株。10年前は1株1000円台で買えた同社の株は、2021年3月に1万円台に達し、こちらも10年で10倍となりました。
「10年で10倍」なんて、そうそうなるわけがない。そう思う人は少なくないでしょう。それより10年で10倍になっている株が、こんなふうに身近にあることを知らない人の方が多いかもしれません。
私の周りのママ友に聞いても、「え? そうなの」「そんなの、あまり気にしていなかったわ」という人が大半です。
ここで少し考えてみてくださいね。
この10年間、ユニクロで服を買わなかった人はほとんどいないと思うのですが、いかがですか? また、ソフトバンクのiPhoneやスマホを使っている人を知らないという人もほぼいないでしょう。もっと言えば、ユニクロやソフトバンクの名前を知らない人はいないはずです。
それほど身近な存在であるにもかかわらず、両社の株価が10年で10倍になったことを知る人はあまりいません。
これはなぜでしょうか。東京ディズニーランドもそうですが、これだけ知名度があって、ほとんどの人が行ったことがあり、実際に遊んでお金を使っているのに、そこの株を買おうというムードもさることながら、株価を気にする人も私の周りにはほとんどいません。
もしかしたら、株価が10倍になるような銘柄は、人にあまり知られていないような会社で、一気にポーンと跳ね上がるものだというイメージを持たれている方が、少なくないのかもしれません。
でも、実際は違います。歴史を紐とけば、誰もが知っているような有名企業で、株価10倍どころか、もっと長い目で見れば100倍になっているような企業が、いくつもあるのです。
そこまで長期で見られるようになれば、株は10年も持っていたらじわじわと上がり、やがて10倍になることもあるということも、身近に実感できているのではないかと思います。
そこに気がつけば、女性の投資人口ももっと増えてくると思っています。
たとえば10年前、銀行に100万円を定期預金で預けても、まだほぼ100万円のままだと思います。ところが、10年前に100万円をファーストリテイリングやソフトバンクの株に投資していたら、1000万円になっていたわけです。別の世界の話に聞こえるかもしれませんが、それこそが投資の魅力だと思います。
コロナ禍で大変な状況が続いていますが、もし10年前に100万円を株式投資していれば、このような状況でも1000万円が手元にあるはずです。10年間で1000万円を定期預金で貯めようと思ったら、毎年100万円を10年間貯蓄しなければなりません。
見方を変えれば、この10年間、ユニクロでどれほど買い物をしたのか振り返ってみてください。あるいはソフトバンクのiPhoneにいくら払ってきているでしょう。ディズニーランドでどれほど遊んできたのか、などと考えていくと、株に投資していれば、これまでに使ったお金をはるかに上回るリターンを手にできているわけです。
持っていた株が大きく上がったことで、その会社からお金をもらって楽しんできたとも考えられます。
多方面から見方を変えることで、投資を身近に感じられるようになるでしょう。
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