本記事は、益田緑氏の著書『幸せなお金を引き寄せる 44の心理学レッスン』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
世界のエリート達がこぞって実践する脳と心の休息法
世界のエリート達の間では、今や瞑想は当たり前。瞑想を実践することによって集中力、直観力、創造力、洞察力、分析力、そして問題解決能力などあらゆる能力が高まると聞けば、ビジネスの業界で一気に瞑想が広まったのもうなずけます。
ビジネスに最も必要な力で、且つ瞑想で高めることができると私が実感している能力は「感情をコントロールする能力(平常心)」です。小さな小さな会社ではありますが、山あり谷ありでなんとかこうして23年間、廃業することなく続けてこられたのは、どんな時も瞑想により「一定のパフォーマンスを発揮できる安定したメンタル」を持つことができたからだと思います。
瞑想はビジネスだけではなく、人生を豊かにします。それには3つの理由があり、1つ目は、瞑想の効果が科学的に証明されていることです。ストレス軽減や、脳の機能や構造そのものに変化を与えることが実証されています。根拠のない単なる癒しではなく、心と身体をより良くするための、科学的に証明された健康法なのです。
2つ目の理由は「いつでもどこでも短時間で、脳と心をリセットできる手軽さ」です。必要なのは3分〜15分の時間だけ。朝昼夜関係なく、家、会社、電車の中でも瞑想はできます。2020年5月にコロナ禍で緊急事態宣言が発令された時、私はFacebook グループでリアルタイムの瞑想ライブを始めました。連続195日間配信していて、今(2021年3月末時点)も毎日やっています。ライブでは、呼吸法やムーブメント瞑想など、毎日15分ほどでできる様々な瞑想法をお伝えしています。すると瞑想経験者だけではなく、初めて瞑想を体験した方々からも「頭がスッキリしました」「不安が和らぎました」などお喜びの声をたくさんいただきました。1ヶ月間継続して瞑想を行うことで、疲れている方ほど、より一層その効果を感じやすいという結果になりました。
瞑想が人生を豊かにする3つ目の理由は、瞑想が心に良い影響を与えることです。新型コロナウィルス、地震、台風、それにAIの急速な進化で社会の変化が予測できない時代になり、人々は不安を常に抱えています。瞑想をすると、不安を和らげたり、心を落ち着かせたりといった効果が顕著にあらわれます。
「VUCA(ブーカ)時代」という言葉をご存じでしょうか?
Volatility(変動性) Uncertainty(不確実性) Complexity(複雑性) Ambiguity(あいまい性)
激しい流れの中で世の中が混乱し、膨大な情報が錯綜するVUCA(ブーカ)時代では「自分にとって本当に必要な情報が何なのか?」を自分で探し、選び、行動していかなければいけません。不確実な時代でも、的確な判断、冷静な視点、高い集中力が求められ、多様性を受け入れる共感力が必要です。毎日の瞑想がこれらの能力を徐々に高めてくれることを私自身、15年間瞑想を実践して感じています。一切の副作用なく心身の健康を向上させ、脳そのものに変化を起こす「瞑想」との出会いは、私の人生の根本を大きく変えてくれるきっかけとなりました。
では、実際に私自身が効果を実感している瞑想の中から、選りすぐりの4つの瞑想法をお伝えしていきます。
1回たった3分!豊かさの扉が開く「呼吸」の秘密
数ある瞑想の中でも、誰でも簡単にすぐにできる「呼吸法」があります。瞑想というと「無になる」ことを思い浮かべる方が多いと思いますが、そのように難しく考えなくても「呼吸に意識を向ける」だけで大きな効果を得られる「呼吸瞑想」をご紹介します。
1回3分! 呼吸に意識を向けるだけで、集中力も記憶力もアップ
マルチタスクが求められる現代では、私たちの心は目的も無くさまよい、脳は疲れきっています。この呼吸瞑想を続けると、脳が「今、ここ」一点に集中しようとして、脳が疲れる原因となっている雑念にすばやく気付き、手放すことができるようになります。すると、ストレスは軽減され、集中力や記憶力がアップします。また、常に疲労困ぱいしていた脳は、徐々に「ストレスに強い脳」へと変化していきます。
最初は「毎日瞑想するなんて、できるのだろうか?」と感じるかもしれません。まずは初日、3日、そして1週間と続けていくうちに、心と身体でリアルに効果を感じられ、毎日の瞑想が楽しくなっていきます。
呼吸瞑想 実践
呼吸瞑想は、こんな時にオススメです。
・頭が疲れている ・心が落ち込んでいる ・何もやる気が起きない ・イライラして注意散漫になる
1.座り方:椅子に浅く腰かけ背筋を伸ばし、お腹をゆったりさせます。少し足を開いて足裏を床に付け、体を前後に揺すり、体がまっすぐになる位置を探ります。
2.姿勢と視線:あごを軽く引き、背中は坐骨に支えられ、まっすぐ上に向かうイメージで背筋を伸ばします。両手はヒザや太ももの上に起きます。手のひらを上にすると肩が外を向き胸が広がり、呼吸がしやすくなります。肩の力を抜いて、目は閉じるか、薄目をあけて視線を一点に落とします。
3.呼吸に意識を向ける:鼻で呼吸をします。何秒吸って何秒吐くという決まりはありません。自然に呼吸をしながら、鼻から出入りする空気や吸う息と吐く息の温度の違いを感じます。呼吸と呼吸の切れ目に意識を向けましょう。意識が集中できない時は呼吸にラベリングをするのも効果的。息を吸って1、吐いて2、吸って3、吐いて4…。10まで呼吸にラベルを付け、10まで数えたらまた1から始め、3分〜15分続けます。
4.雑念:「無になれない」と多くの方が言われますが、無になんてなれません。雑念が浮かんだからといって、ダメと自分を責める必要はありません。雑念が浮かんだり消えたりするのは、ごく普通のことです。途中で雑念が湧いてきたらそのことに気付き、再び呼吸に意識を戻します。
以上1~4が呼吸瞑想です。いかがでしたか? 3分間をとても長く感じたり、集中できないで3分と続かなかったりした方もいらっしゃると思います。でも安心して下さい。私も始めた頃は1分が限界でしたが、続けていくうちに段々と長い時間呼吸に集中することができるようになりました。まずは、1回3分から始めてみましょう。大切なのは毎日続けること。そして、可能なら、毎日同じ時間に同じ場所で瞑想をすると、習慣化しやすくなるのでオススメです。
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