本記事は、益田緑氏の著書『幸せなお金を引き寄せる 44の心理学レッスン』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています

“叶う”ゴール設定4つの法則

ゴール
(画像=CORA/PIXTA)

シンクロニシティが起きる条件は「適切なゴール設定」です。ゴールを叶えるためには、「ゴールが叶った姿」をリアルに思い描くのが良しとされています。ですが、リアルにイメージして満足してしまったら、人は行動を起こそうとしなくなり、うまくいきません。ゴール設定に大切なことは「臨場感」。いかに臨場感のあるゴールを書けるかが、ゴールにたどり着けるかどうかにかかっています。

臨場感を出すために押さえておきたいポイントは4つです。

1.言葉words(ワード)
2.映像picture(ピクチャー)
3.感情emotion(エモーション)
4.紙に書く

臨場感を高めるには、紙に書くゴール設定が「具体的」であることが必要です。例えば「ハワイに家族で行きたい」だけでは、臨場感は上がりません。ハワイの情景や、自分たちがそこにいるワンシーンが映像として見えるくらい、具体的に書きます。いる場所、見える景色、天気、気温、風、臭いもあるといいですね。そのシーンで、あなたは何を考え何を思っているのか、どういう感情が湧き出ているのか。

また、ゴールは「ストーリー」で書くのがオススメです。私の場合は、宮崎に行った時に宮崎が好きになり、自宅にもどると次のようなゴール設定をしました。

「私は宮崎の青島の海から朝日が昇ってくるのが見える高台の戸建てに移住して、広いリビングから瞑想ライブをしていると、空が少しずつ明るくなって、鳥のさえずりと共に、海から真っ赤な太陽が昇ってきた。瞑想を終えてからなんて美しい景色なんだろうとオンラインで見ているみんなで感動しながら、共に朝日を見ている。私の心は喜びと感動に震えている」。

これは、私が実際に紙に書いた文章そのままです。ストーリーと言っても3行~5行で十分です。このたった3~5行が、ゴールへたどり着くための最強の味方になってくれます。毎朝、この文章を読んでいると、臨場感がものすごく上がります。

その際、パソコンやスマホに入力するでもなく、待ち受け画面に写真を貼るでもなく、やはり最強なのは「手で文字を紙に書く」です。手を動かす動作は、キーボードをタイプする動作よりも、脳に多くの刺激を与えることが分かっています。その紙を声に出して読むと自分に言い聞かせることになり、ますます行動が変わります。無意識の領域が変わり、自分でも変化を実感できるようになります。

ダイエットしたいから明日から食事制限をする! と宣言しても三日坊主で終わってしまうのは、ゴールの臨場感よりも、今現実に目の前で起きていることの臨場感のほうが高いからです。ところが、未来の臨場感が現実よりも圧倒的に上がると、人は未来に向かって行動します。現実に違和感をおぼえる「認知的不協和」が起こり、未来に向かって行動しなくてはいられなくなるのです。例えば、ビキニを着てハワイで泳いでいる自分のほうが、今部屋でポテトチップスを食べている現実よりも臨場感がグッと高くなれば、その現実に違和感をおぼえ、未来に向かって行動していきます。

あなたのゴールはどんなことですか? 臨場感のあるゴールを4つの法則にしたがって、紙に書いてみて下さいね。

なぜ、ゴールへの途中で逆戻りするの?

叶えたいゴールを4つの法則を満たして紙に書き、ゴールへ向かって進み出したとしても、途中で逆戻りする時があります。例えば、肝心な時に子供が熱を出してしまったり、ケガをして手がかかるようになったり、してはいけない時に遅刻してしまったりします。そんな時は、実はゴール達成を回避しようという気持ちが無意識にはたらいています。やりたい気持ちもあるにはあるのですが、回避する気持ちが上回るということです。これは、ごく普通のことで、意志が弱いわけでも運が悪いわけでもありません。

脳は、やっぱり変わりたくないのです。変わらなくても生きていけるからです。身体にとって一番大切なのは「安全に生きる」こと。だから、脳がわざわざ変わろうとはしません。「そんなことないよ、絶対ゴールに行きたい!」と思われるかもしれませんが、無意識に、逆戻りのチカラがはたらきます。

「家族でハワイに行きたい」というゴール設定で、先ほどのようにストーリーで具体的に紙に書いて、毎日読んでいたとします。その、「ハワイに家族で旅行」をするためには、今の自分を変えないと叶いませんよね。例えば、国際線の飛行機を予約したり、米国滞在のビザを取得したり、パスポートも申請に行く必要があります。今まで普通に生活してきて、いきなりそんな面倒くさいことをやろうと思うと、時間を作るために生活リズムを変えたり、段取りをしたりしなくてはいけません。今に不満があったとしても、ハワイに行かなくても今の生命状態を維持できるから、「変わりたくない」のが本能です。

それでも! というところで、人生をより良くしたい気持ちをうまく使うには、臨場感が上がるゴール設定をして、毎日読み上げるのを続けることです。そうすると、脳自体の設定が変わります。脳の設定を変えないことには、「変わりたくない」無意識がはたらくので、逆戻りしてしまいます。

ゴールというのは、ゴムに例えられます。左手でゴムの端を持って縦にして、右手でもう一方の端を持ってビューンと引っ張り上げてみて下さい。ものすごく抵抗を受けますよね。それで、左手を放してみて下さい。そうすると、左手に持っていた端がビュン! と右手に引っ張られます。これが、ゴールにたどり着くための手順です。抵抗を受けて右手で引っ張り上げ、左手を手放せば、ゴールに行けます。左手に持っているゴムを放すのは、変わろうとしない自分を手放すことです。

さらに、左手を放してそのままにしていたら、ゴムはブランブランと下がってしまいますね。ゴムが垂れ下がっている時は、ゴールを更新するタイミングです。右手の近くにゴムがあるのは、ゴールに近づいているから。なので、右手の位置をさらに上に上げるがごとく、ゴールを更新する必要があります。

ビジネスで利益を今の3倍得るくらいのゴールでは、自分の枠内です。今の自分とは切り離して考え、自分でもビックリするような、とてつもなく大きなゴールを描くことが必要です。「起業には前々から興味があるし、成功すれば収入が5倍になることだってある。だけどそんなのは到底むりだから、ひとまず少しだけお給料の上がるB社に転職するというゴールを立てよう」そんな風に考えてしまうのが人間です。ですが、これだとあなたの思考も行動も、現在とほぼ変わりません。結果、受け取る情報も今までと同じなので、あなたの人生が変わることはありません。

今よりもステージを上げたいのならぜひ、今の段階では達成方法が全く分からない「ぶっ飛んだゴール」を設定してみて下さい。

幸せなお金を引き寄せる 44の心理学レッスン
益田緑(ますだ・みどり)
ライフコーチ/人生を豊かに生きる「幸せリッチ脳」提唱者。兵庫県神戸市出身。専門学校を卒業後、宝石外商として勤務、トップセールスとなり20代半ばで月収100万円を超える。その後32歳でアパレルショップを起業。有限会社を設立しアパレルショップを美容室へと事業転換。大阪の心斎橋、梅田に3店舗をかまえ年間25,000名を店舗へ動員。1年半で年商2億5000万円、社員数60名超にまで会社を成長させる。同時期に社員の育成を通じて心理学に興味を持つようになり、認知心理学、NLP、コーチングを学び始める。その後、5年かけて店舗運営から心理学・脳科学などの分野へと事業シフトを行い現職へ。豊富な事業経験と壮絶な過去を乗り越えた体験を活かし、現在は「争わず、競わず、独自の才能を開花させ人生を豊かに送る「幸せリッチ脳」の作り方」をメソッド化。セミナー・講演・長期講座等を全国で展開、受講者数はのべ1万人を超える。

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