本記事は、河南恵美氏の著書『フリーランス必見! 税理士TikTokerの経理・節税Q&A』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
Q.確定申告が終わったら書類や証ひょう類は捨てていい?
・確定申告が終わったらレシート・領収書は捨てていい? ・いったい何年分保存しておく必要があるの?
A.保存期間が決まっています! 捨てるのは絶対にダメ!
・法律で義務付けられた保存期間を守る ・自分を守る証拠となるから捨てると大ダメージ!
◎領収書・レシートには原則5年の保存義務があります!
たまに、「管理がめんどくさいし、確定申告が終わったら、もう領収書とかレシートは捨ててもいいですよね?」「数年前のレシートは保管しておかなくてもいいですよね?」という声を耳にします(中には捨てました! という強者も実際にいます)。これは絶対にご法度です! なぜなら、契約書や請求書、領収書・レシートなどのビジネスに使われる証ひょう類(根拠資料)は、法律で一定期間保管することが義務付けられているからです。
ビジネスをしていると、取引のたびに、見積書、契約書、納品書、請求書、領収書などの書類のやりとがあります。これらの書類や、帳簿や決算書類は、一定期間保存しておかなければなりません。青色申告の場合は、原則7年、証ひょう類は5年の保存義務があります。図にまとめたので、それぞれの保存期間を確認しておきましょう。
◎帳簿・書類を保管するのは自分の身を守るため!
「7年分もどこに保管しておけばいいですか? かさばるから捨てたいんですけど……」という声をよく聞きます。では、税務調査が来て、調査官に「書類を見せてください」と言われたときに、資料が手元になかったらどうなるでしょうか?
保存していれば証拠になりますが、無いとなれば自分を守るものがないのと一緒です。証拠となる資料が無いと、経費が認められなかったり、売上をごまかしていないだろうか? と疑いをかけられてしまいます。隠したいことがあるから捨てたのではないだろうか、とかね。
もし、本当にルールを知らなくて、誤って処分してしまったとしても、証拠がなければ圧倒的に自分が不利になります。最低限の知識として“保存をしておく”ことを知っておきましょう。一度捨てたものはどんなに後悔しても戻ってきません。
「間違えて捨ててしまった!」と気がついたときは、再発行が可能な書類は、必ず取り寄せるようにしましょう。一定期間が経過すると再発行ができなくなる書類もあります。確定申告のタイミングで書類を整理することは当然として、可能であれば毎月帳簿をつけて、その都度手元に必要な書類があるか、確認しておくのが理想です。経費の計上漏れを防ぐこともできますし、何よりもあなたのビジネスの信頼に直結するからです。
余談ですが、半年分のレシート・領収書一式が入った紙袋を電車の中においてきた! という話を聞いたことがあります。無事に見つかったのかな……心配です。お気をつけください!
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