本記事は、河南恵美氏の著書『フリーランス必見! 税理士TikTokerの経理・節税Q&A』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
Q.高級車を中古で買えば節税ができるって本当?
・新車より中古車の方がいいって本当? ・車を賢く買えるタイミングってありますか?
A.中古車は償却年数が短くなるので節税につながる
・中古車は計算方法が変わるため節税に使える ・車は年の初めに購入するほどいい!
◎中古車と新車では耐用年数が異なる
自動車を購入するときには、新車よりも4年落ちの中古車の方が節税できるという話について解説します。
その理由は、減価償却の法定耐用年数にあります。通常、普通車の法定耐用年数は6年でした。中古車の場合は耐用年数の計算が変わるため、これを利用して節税をします。
◎4年落ちの中古車は値段がそれほど落ちていない
中古車の耐用年数は、図4-1の計算式で分かるように本来の耐用年数が異なります。新車だと6年間で経費にしていくところを、耐用年数が2年になると1年で購入代金の約半分を経費にできるため、節税につながるという仕組みです。
もちろん、新車を購入して6年で経費に計上してもいいのですが(中古車より長期間にわたり経費にできるメリットがある)、中古車の場合で、図のように2年で経費に計上すると、利益が上がった年度の節税対策として効果が大きいということです。そのかわり償却は早くに終わってしまいます。
どうして4年落ちの中古車がいいのかというと、比較的新しく、それほど値段が落ちていないタイミングで、2年の耐用年数で償却できるためです。さらに高級車となると車体本体の価格が高いため、より節税につながるということです。注意点としては、購入した車が仕事での使用頻度が少ない場合、経費として認められないことがあるので要注意です。
◎年末に駆け込みで購入してもその年の節税効果は薄い
減価償却できる固定資産を購入する時は、買うタイミングも重要なんです! 減価償却は購入して事業に使い始めた日が基準の日となります。
たとえば、7月頭に購入して7月1日から使いはじめた場合、7月~12月の6か月分が減価償却費となります。経理をしたら今年は思っていたより売上があり、利益が出ていたから対策をしようと、12月に車を購入して使いはじめても、今期は1か月分の減価償却費しか経費にできません。節税したい年には、なるべく年の初めに購入するのがいいといえます。
◎結局、節税は日々の経理の積み重ねから生まれる
図4-2で分かるように、年末近くになってあわてて経理をして対策をしようと思っても、思うようにはできません。普段から経理をしているからこそ、税金対策ができるのです。税金対策は、慌ててしようと思っても効果的な対策は打てません。
年が明けて、確定申告の時期に申告書を作成してみて、「やばい!思ったより利益があった!」となったときには、既に手遅れです。節税は年内にやるのが正解! ふるさと納税も同じく年内にしなければ意味がありません。
◎減価償却の特例を使う方法!
2つの減価償却の特例を押さえておきましょう!
通常なら原則10万円以上の長期にわたって使用する資産を購入したときには減価償却が必要です(減価償却についてはQ33で解説)。
減価償却には次のような特例があります。
①一括償却資産
20万円未満の資産を購入したときに、「一括償却資産」の特例を使うことができます。3年間、つまり取得価額の合計金額の3分の1ずつを減価償却して計上できます。
②少額減価償却資産
30万円未満の資産を購入したときに使うことができる特例です。この特例を使うと年間300万円になるまで、取得価額を全額その年の減価償却費として経費に計上できます。ただし青色申告の方のみの特典です。
特に、少額減価償却資産の特例は知っておくと節税につながるのではないのでしょうか。
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