本記事は、鉄羅敦士氏の著書『副業としての不動産投資』(クロスメディア・パブリッシング)の中から一部を抜粋・編集しています

不動産投資はほかの事業と比べて難易度が低い

不動産投資
(画像=PIXTA)

不動産投資はほかの事業と比べて難易度が低い不動産投資の魅力はよくわかった。

でも、やっぱり漠然とした怖さがあるんだよなぁ。どう考えればいいんだろう……

●経営者に求められる資質

不動産投資は、言い換えると「不動産賃貸業という事業を始めること」だと言えます事業と言うと「怖い」というイメージを抱く方が多いのではないかと思いますが、実は不動産投資は数ある事業の中でも最も難易度の低い事業の一つなのです。

ほかの事業と比較してみましょう。

世の中には様々な事業があります自分でゼロから立ちあげて成功を目指すベンチャー企業の経営者もいれば、既に型が存在するフランチャイズで事業を始める人、副業も含め、個人事業主として少人数で独立する人など、様々な事業の経営者がいます。

このいずれにおいても共通するのは、事業の難易度が高いという事です。ゼロから事業を立ちあげるためには、経営者としての資質・マーケティング力・営業力・商品開発力や、事業の独自性・先進性に加えて、大きな資金も必要です(図3-1)。特に、どうやって資金調達を実現するかは大きな課題として付きまといます。こうした前提を踏まえれば、前述の事業はいずれも非常に難易度が高いと言えます。

この中で、フランチャイズは事業としての型が決まっているため、何もないところから始めるビジネスに比べれば難易度は低い、と思われる方がいるかもしれません。それでも、フランチャイズとはいえ、多くの人が十分な経験を持たないところから事業を始めることになるケースが多いのではないでしょうか。さらに本部に対するロイヤリティや初期費用などに大きなお金をかけながら、その上で一般的なビジネスと同じ土俵で戦うことを考えれば、リスクも高く、それほど難易度が低いとは言えないでしょう。

個人事業主として、過去に培ってきた自分の技術や強みを生かして独立する方法もありますが、どのような事業を始めるにしても波はあり、1人で逆境を乗り切るための強い意志と覚悟、そして能力が必要になります。

ここではベンチャー企業経営、フランチャイズ事業経営、個人事業主の3種類しか紹介しませんでしたが、そのほかも含めて世の中の多くの事業は、経営者としての資質・能力・経験などに加え、資金も含めた様々な高い要求が発生する=難易度の高いものが多いでしょう。

●ほかの事業と比べて難易度が低い理由

では、不動産投資はどうでしょうか。

まず、資金は銀行から借り入れることができるため、資金調達の難易度が低いという点が挙げられます。

運営は、賃貸管理会社というプロに任せることが可能です。比較・検討をした上で、信頼できる管理会社を見つければ満室経営は困難ではなくなる、と言えます。

全国平均の空室率は約18%です。これは、人がほとんど住んでいないようなエリアや、まともに募集もしていないようなアパート・マンションのあるエリアまで含めた、日本全国における玉石混交の平均空室率です。空室率が約18%ということは、例えば10部屋ある一棟アパートであれば、2部屋が空室になっているということを意味します。

つまり、一定数の人口がいるエリアをきちんと選び、平均点がつけられるような一般的な賃貸管理を行なえば、空室率は18%以下で不動産の運営をすることが可能だと言えます。さらに言えば、空室率が18%以上になったとしても返済に困らないような融資を組むことで、さらに安定した経営ができるようになります。

上記をまとめると、不動産の経営者は資金を銀行からの融資で調達でき、運営は管理会社に任せることができ、経営判断としての業務は管理会社からの報告・連絡・相談に対して意思決定としてのリアクションを取るだけで経営できます。

これが、不動産賃貸業が他の事業と比べて難易度が低いという理由です。

●リスクをコントロールしてローリスクミドルリターンを目指す

5-1
(画像=『副業としての不動産投資』より)

ただ、他の事業と比べて難易度が低いと言っても、勝手に低くなるということではありません。重要なのは不動産投資を始める前にリスクを把握して、コントロールすることなのです(3-2)。

そして裏を返せば、不動産投資の強みは、このようなリスクに対して事前に対策を打てるという特長にあります。経営している間に起こりうる様々なアクションを、自分の思うようにコントロールできる「工夫の余地」がある、というところ。これが不動産投資の面白い点でもあります。

例えばこれはリスクの話に限りませんが、所有期間や運営の方針はオーナーさん一人ひとりによってまったく異なります。「お金をかけてでも入居率が高くなるようにして、空室のリスクを回避する」とか、「できるだけお金をかけず、いかにして入居率を高くするか」。あるいは、「できるだけ時間をかけず、効率的にキャッシュフローを生み出す経営方針にする」のか、それとも「時間をかけてでも収益を最大化させるような経営を目指す」のか。

それぞれの判断は、本書のテーマに沿って言えば、“副業”として賃貸経営をしていく読者の皆さま=経営者次第だと言えます。

以上を前提として、皆さんに伝えたいのは、これまで経験のない“不動産賃貸業の経営者”になることが怖いと感じるのは当然かと思いますが、まったく恐れる必要はないという事です。

どのようなリスクが存在するのか、3大リスクとは何か。そしてどうやってリスクをコントロールすればよいのかを把握して、しっかりと自分の手でリスクをコントロールして、より良い未来を目指していきましょう。

【結論】

不動産投資はほかの事業と比べて難易度が低い

5-2
(画像=『副業としての不動産投資』より)
副業としての不動産投資
鉄羅敦士(てつら・あつし)
中央大学法学部出身。幼い頃から実家の賃貸経営を見て育つ。地域活性・経営コンサルティング会社、訪問鍼灸院の経営、投資用不動産専門会社を経て、2017年にPLAC株式会社設立。同社設立以前より、投資用の新築マンション等の不動産投資を行なう。不動産のプロになって以降は、自らアパート・マンションを3棟経営している経験も生かし、将来を見据えた投資全般のコンサルティングを行なっている。

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