本記事は、坂本翔氏の著書『独学脳』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています

これからの時代に必要な「独学脳」とは?

学び
(画像=ほんかお/PIXTA)

コロナ禍で急速に変化する「学びの場」

日本では、2020年早々に新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい始め、私たちの生活は一変しました。

「ソーシャルディスタンス」や「ステイホーム」に始まり、商業施設や飲食店などの時短営業、リモートワークの推奨、外出時にはマスクと消毒用のアルコールが必需品になるなど、追い風・向かい風を含め、多くの業界が影響を受けました。

それと同時に「学びの場」も大きな変化を強いられました。

学校や塾では、対面授業ではなくオンライン授業が普及。クラスメイトと同じ場所で授業を受けることができず、疑問・質問があっても近くに聞ける相手がいないという状態に陥っています。

職場でも同じです。

新卒社員の研修が全てオンラインで実施され、疑問点があれば研修後にこっそり同期や先輩に確認したり、終業後に飲みながら研修の愚痴を吐いて仕事の糧にしたりすることもできない時期が続きました。

リモートワークの普及も相まって、対面などで同じ時間・場を相手と共有する「同期型コミュニケーション」が、昨今はスタンダードではなくなりました。

DXによって失われる「同期型コミュニケーション」

本来、人間関係というものは、対面でコミュニケーションを取りながら構築していくものでした。

しかし、チャットツールなど、各々が都合のよいタイミングで返信を行い、同じ時間軸を共有しない「非同期型コミュニケーション」のツールが浸透し、人間関係構築に必要なスキルそのものが変化したことで、学ぶスタイルも様変わりしたのです。「非同期型コミュニケーション」がメインになり、「同期型コミュニケーション」で聞ける相手が身近にいないということは、問題を自分で解決しなければならない場面が多くなります。

新型コロナウイルスが収まったとしても、様々な分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速していく社会において、そこに対応できる力を鍛えていく必要があります。

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(画像=『独学脳』より)

激動の時代を生き抜くために必要な「5つの力」

これからの時代に対応していくことができる力を、次のように定義します。

○情報を収集する力
○決断して進む力
○時間を管理する力
○セルフコントロール力
○アウトプット力

集めた情報をもとに自分の頭で考える。他者に囚われることなく、目標に向かって自分の意思で決断して進む。自分の気持ちや時間をコントロールする。必要なアウトプットをし、周囲を巻き込んで目標を達成することができる。

これこそ、お伝えしたい「独学脳」を構成する力であり、この「5つの力」を身につけてもらうことが、ゴールだと考えています。

「独学脳」を構成する「5つの力」の概要説明と、独学の特徴やメリット・デメリットなどの前提部分をお伝えします。

学生さんなど、勉強が本業の皆さんはもちろん、働きながら資格取得を目指す資格受験生や、リモートワークの環境下で仕事を進めないといけないビジネスマン、起業して1人で社会を歩んでいかないといけないフリーランスの方などにも役立つ内容になっています。

ぜひこれからの時代に必要な「独学脳」を身につけてください。

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(画像=『独学脳』より)

情報を収集する力

「記憶力」から「検索力」へ

ここからは、「独学脳」を構成する「5つの力」の概要を、1つずつ解説していきます。

「情報を収集する力」は、「検索力」「読解力」「捨てる力」の3つに分類できます。

まずは、「検索力」から解説します。

インターネットとGoogleなどの検索エンジンの浸透によって「情報を知っている」ということに、昔ほど価値がなくなりました。

物事を記憶しておくことの重要性が低くなった代わりに、それを引き出すための検索力が必要になったのです。

必要な情報にたどり着く検索力を身につけるには、情報をインプットするなかで疑問が浮かんだり、アウトプットをする中で不安なことが出てきたりした場合には、Googleなどで検索をする癖をつけていくことが大切です。

たとえば、「必要な情報を得るためには、検索して出てきた情報の上位3位くらいまでのページに目を通せばOK」など、数をこなすことで感覚的に検索力が身につくはずです。

情報の真意を理解するために必要な「読解力」

次に、「読解力」です。

多くの情報は、文章でインプットすることになります。

「書き手がこの表現を使って何を伝えようとしているのか」「どこが理解するべき本質の部分で、どこが重要度の低い装飾の部分なのか」など、文章での情報を正しく把握する読解力も必要です。

これを鍛えるためには、自分が興味のある分野でいいので、書籍を読みまくるしかないと、個人的には思っています。

ただし、何も考えずにただひたすらに読み漁っても意味がないので、読みながら頭の中で見出し(目次)ごとに要約してみてください。

頭の中で行うことが難しい場合は、スマホのメモアプリや紙などに書き出しても構いません。それを繰り返せば、読解力は上がっていきます。

余計な情報を削ぎ落とす「捨てる力」

最後に、「捨てる力」です。

前述の「検索力」や「読解力」が上がると、多くの情報が自分の中に入ってくることになります。次に必要になるのは、そこで得た情報から、「必要なもの以外を捨てる力」です。

不要なものは削ぎ落として必要なものだけを取り込む力と言い換えることもできるかもしれません。

完璧主義のマインドをなくすことで、この力を身につけることができます。

独学脳
坂本翔(さかもと・しょう)
株式会社ROC代表取締役CEO。行政書士オフィス23代表。 1990年生まれ。高卒バンドマンから、独学で行政書士試験に合格。経営者向け音楽イベントを主催し、SNSを活用して費用をかけずに延べ1,100名以上の集客を達成。23歳で兵庫県内最年少の行政書士として起業するも、この実績などをきっかけにSNSマーケティング事業を創業。25歳で商業出版を実現。著書は全て海外翻訳され、累計発行部数は12万部を突破。SNSマーケティングを伝えるセミナーや企業内部のSNS研修、学生向け起業講演など、年間50本以上の講演をこなす。著書や監修書籍に、『Facebookを最強の営業ツールに変える本』(技術評論社)、『Instagramでビジネスを変える最強の思考法』(技術評論社)、『SNSマーケティング見るだけノート』(宝島社)などがある。

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