本記事は、坂本翔氏の著書『独学脳』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています
モチベーションの上げ方
モチベーションは自分でコントロールできる
独学において、モチベーションのコントロールは非常に重要です。
「セルフコントロール力」は、「主にモチベーションのコントロールだ」と言っても過言ではありません。
ここでは、どのようにモチベーションを自分でコントロールするのかを解説します。
結論からお伝えすると、モチベーションは、「こうなりたいからやる」「こうなりたくないからやる」、このどちらかでコントロールが可能です。
「こうなりたいからやる」の例としては、
○1年後に会社を辞めて起業したいから、毎日2時間はマーケティングの勉強をする
○このモデルさんのようなスタイルになりたいから、毎朝60分ジョギングをする
などのような形になります。
前者のような形でもいいのですが、できれば後者のような特定の「こうなりたい」という像をイメージできると、よりモチベーション向上には直結します。
「こうなりたくないからやる」の例としては、
○もうこれ以上は試験に落ちたくないから、可能な限りの時間を勉強に充てて、次は絶対に合格する
○毎朝疲れた顔で電車に乗っているサラリーマンのようにはなりたくないから、必ず1年後に起業して自由な働き方を実現する
などのような形です。
なりたくない像をイメージしてモチベーションにつなげるのがこの方法です。
前者のように、一度なりたくない状態になっている経験がある場合は、このパターンでのモチベーションコントロールが効果的だと言えます。
どちらが合うかは、自分の性質や過去の経験次第なところもあるので、やってみて決めればよいと思います。もしくは、場面や気分で使い分けるのもOKです。
実際の経験をモチベーションに活かす
私の場合、行政書士試験を独学で受験していた頃、仕事先が地元のドラッグストアだったので、中学校や高校の頃の同級生が、よく買い物に来ていました。
同級生たちは、大学生になっている年齢だったので、会う度に「どこの大学行ってるん?」と、大学に行っているのが当然であるかのように聞かれたことが何度もあります。
その度に「いや、大学には行ってなくて、独学で行政書士試験の合格を目指してる」と答えていました。
あからさまに馬鹿にされるようなことはなかったものの、その同級生たちの心の中では、「なんで大学に行ってないんだろ」「勉強のイメージがないあいつが、国家試験に独学で合格するなんて無理だろう」と思われていたかもしれません。
口に出して言われたわけではないので、これは被害妄想かもしれないですが、その会話をする度に、私は悔しい思いをしていました。
そのおかげで、当時の私は、それが「絶対に合格してやる」という、大きなモチベーションになっていました。
そのため、当時の私のモチベーションとしては、「人に雇われず、独立開業して自分の事務所を持ちたいから、行政書士試験に合格する」という「こうなりたいからやる」のパターンと、「同級生たちに、『ほらやっぱり無理だ』と思われたくないから、絶対に合格する」という「こうなりたくないからやる」のパターンと、両方を持っていました。
現実からいったん距離を置いてみることも有効
「こうなりたくない」の場合は、前述のように過去にその経験をしていると強力なモチベーションになるので、過去の経験を無駄にしないためにも活用すべきです。
「こうなりたい」の場合は、できるだけリアルにその像を描いてください。そのためには、実際に「こうなりたい」と思っている人の本を読んだり、ネットで記事や動画を見たり、実際に話せるなら話を聞いてみたりするとよいでしょう。
また、モチベーションが下がった場合、無理に上げようとせず、一時的に離れてみるというのも効果的な方法です。
現実逃避と言うと、マイナスに捉えられるかもしれないですが、現実からいったん距離をおいてリフレッシュすることで、「勉強しないとやばい」という罪悪感が出てきたり、「いつも勉強している時間だから、しないのは何か変な感じ」という違和感が出てきたりもするので、結果的にモチベーションが戻り、やる気につながっていきます。
また、できる限りタスクのハードルを下げて、それを超えていく小さい成功体験を意識的に自分に経験させるという方法も、モチベーションを上げる方法としては有効です。
「セルフコントロール力」について、いかがでしたでしょうか。
特に私自身の過去の経験をベースにお伝えしたため、具体的なイメージとして経験したことが伝わっていれば嬉しいです。
間違っていても指導してくれる人はいない、怠けていても誰にも怒られない、というのが独学です。
これは、独学をしている方だけではなく、近年増えているリモートワークで仕事をする方や、フリーランスや起業家など、会社に属さず自分で仕事をしている方などにも当てはまると思います。
「セルフコントロール力」は、そのような方たちに共通して必要な力なので、必要なタイミングで、ここでお伝えした内容を思い出していただき、ぜひ実践いただければ幸いです。
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