この記事は2022年5月13日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年5月13日(金)の午前11時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
西原宏一 青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。 |
現在の為替相場の傾向や相場観
2022年5月13日。昨日12日(木)の為替市場は、一気にリスクオフマーケットとなり、クロス円が急落。米ドル/円も一時127.52円までと大きく値を崩している。そのリスクオフの背景は色々解説されているが、ステーブルコインの「テラUSD」の相場が急落したことも一因のようだ。
暗号資産(仮想通貨)市場で、ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計されたステーブルコインの「テラUSD」の相場が急落した。米金融市場の不安を背景に、アルゴリズムを使ったシステムの裏付けになる仮想通貨への売りが広がり、ドル連動ができなくなった。米規制当局からはステーブルコインの安全性を改めて疑問視する声が出ている。 米情報サイトのコインデスクによると、テラの価格は11日(水)午前には23セント台と、1ドルに連動すべき価格が急激に下落した。午後には60セント台に回復したものの、依然として1ドルには戻っていない。 テラはステーブルコインの中でも法定通貨を裏付けの担保にするものではなく、無担保型あるいはアルゴリズム型と呼ばれる。発行主体が需給動向を常にチェックしながらアルゴリズムで供給量を自動的に調節し、価値を保つことを目指す。
(出所:日経新聞)
仮想通貨自体は、テザーが持ち直したことでいったん沈静化。ロンドン市場までは、旧来の「リスクオフ=ドル高、円高」だったが、NY市場に入ると、ドル高の要素が強くなり、ドル高に。
東京市場では、本邦実需筋が一斉に128円台ミドルでドル買いを持ち込んだことから米ドル/円は一気に129円台まで戻している。
現在の為替相場の戦略やスタンス
昨日5月12日(木)のマーケットで相場が荒れており、ボラティリティが高くなっているため、リスク管理は慎重に。仮想通貨自体は、テザーが持ち直し、いったん沈静化したことで、米ドル/円と連動の高い米10年債利回りは2.89%まで戻している。戦略的には、米ドル/円127~130円での押し目買い継続。
▽米ドル/円の日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。