この記事は2022年7月13日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年7月13日(水)の午前10時すぎに現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
参院選前は、今回の円安が日本の家計に多大な悪影響を与えるという意見に配慮し、政府としても対策をとっているというスタンスをみせなければならなかった。そのため、参院選前は、三者会談なども開催し、政府としては円安に懸念を共有しているというスタンスだった。
そして選挙の結果は与党圧勝。選挙後、すぐに黒田日銀総裁も登場。「当面は新型コロナの影響注視、必要あれば躊躇なく追加緩和」と述べた。
与党圧勝で米ドル/円は上昇トレンドに回帰。海外勢は参院選前に、米ドル/円のロングを縮小。とくに安倍元総理の悲報で、米ドル/円のロングをさらに減らしていたため、2022年7月11日(月)の東京市場で海外勢の米ドル/円でのドル買いが目立つ。
もう一つの注目通貨は、やはりユーロ/米ドル。JPモルガンによれば、ユーロ/米ドルは現在、ロシアのガス供給が完全に停止する悪条件のシナリオを20%から25%の確率で織り込んでいると推定しているとの事。
仮にマーケットが、ロシアのガス供給が完全に停止するシナリオをさらに織り込むとすれば、ユーロ/米ドルのターゲットは0.9500ドルレベルを想定する必要があると報道している。
現在の為替相場の戦略やスタンス
2022年12日(火)のマーケットでは独ZEWが2011年以来の低水準に低下したこともあり、ユーロ/米ドルは節目のパリティ(1.0000ドル)まで下落。これは2002年12月以来の安値に到達したことになる。
しかしパリティを割り込むことに失敗したマーケットではショートカバーが入ったこと、加えて10年債利回りが3.00%を割り込み低下したことから一時1.0074ドルまで反発(マーケット関係者によれば、オプションマーケットでは1.0000ドルがついていないことになっており、まだバリアが存在しているとの噂)。
ユーロ/米ドルの流れは変わっておらず、戻りを確認しつつ、じわじわと下落するトレンド継続。戦略的には米ドル/円のロング、ユーロ/米ドルのショート、そしてユーロ/スイスフランのショート継続。
▽米ドル/円の日足チャート
*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。