この記事は2022年9月9日にSBI証券で公開された《20万円未満で買える》高配当銘柄をチェックを一部編集し、転載したものです。
《20万円未満で買える》高配当銘柄をチェック
2022年9月相場も3分の1が終わり、いよいよ今年度上半期末が意識される季節になってきました。前年度末に当たる2022年3月末の日経平均株価終値は27,821円でした。2022年9月8日(木)の大幅反発により、日経平均株価は3月末近辺の水準を回復してきたことになります。
もし、投資家の皆さまの年度上半期の収支が現状でプラスでしたら「日経平均に勝っている(=日経平均のパフォーマンスを上回っている)」と言えるかもしれません。
年度にせよ、暦年にせよ、一定期間の節目において、自分の投資パフォーマンスをチェックしたり、投資そのものについて考えたりすることは無駄ではないと思います。
そもそも、株式投資の目的とは何でしょうか。一般的には、預貯金に並ぶ資産運用の手段のひとつと言えるでしょう。元金が減ってしまう可能性もありますが、うまく運用することができれば、預貯金よりも資産を増やすことが可能です。
パフォーマンスを安定して上げるには、単に値上がり益の獲得だけを狙うのではなく、定期的に配当を獲得しながら、トータルの収益を引き上げることも重要となります。そこで重要となるのが、配当利回りです。
株価に対し、1株当たりの配当が何%かを示す指標で、一般的にはその年度の予想1株配当をベースに考えます。今回の「日本株投資戦略」では、2022年3月決算銘柄について、予想配当利回りの高い銘柄を選んでみました。
抽出条件は以下の通りです。
(1)東証上場銘柄
(2)3月決算銘柄
(3)時価総額500億円以上
(4)業績予想を公表しているアナリストが2名以上
(5)証券商品先物業の銘柄を除く
(6)市場予想(Bloombergコンセンサス)配当利回りが4%超
(7)会社計画で中間配当を実施する予定
(8)第1四半期(2022年4~6月期)が前年同期比で営業増益。営業利益の開示がない場合は純損益が増益
(9)最低投資単位(100株)での売買金額が20万円未満(諸コスト除く)
図表の銘柄は上記のすべての条件を満たしており、(6)にある予想配当利回りの高い順に並べたものです。
2022年9月8日(木)時点で日経平均採用銘柄の予想配当利回りは2.46%であり、スクリーニング条件にある「市場予想配当利回り4%超」は、相対的に高配当利回りであると考えられます。
また、TOPIXを構成する2,169銘柄のうち、(6)の条件を満たすのは約8%に当たる173銘柄(2022年9月7日時点)に過ぎないことからも、4%という配当利回りは高水準であると考えられます。
[ご参考]「配当利回り」で投資家が注意すべきことは?
一般的に、3月末や9月末に向けては、配当利回りをテーマにした雑誌企画やレポートが数多く出る傾向があります。TOPIX構成銘柄のうち約3分の2が3月決算銘柄ですから、それらの本決算末の3月や、中間期末の9月は、株式市場でも「高配当利回り」が大きな話題になるとみられます。
しかし配当利回りについては、注意すべき点も多く、ここでまとめておきたいと思います。
(1)「配当利回り」は中間配当と期末配当等年間のすべての「1株配当金」合計を、「株価」で割った利回りです。
・中間配当のみ、または期末配当のみを受け取っても、表記の配当利回りは達成されないと考えられます。
(2)「配当利回り」は、「株価」や「予想配当」の変動により、変動します。
・実際にその銘柄をいかなる株価で買い付けるかによって予想「配当利回り」は変化します。
・業績や配当政策の変更等により予想1株配当が変化すれば、予想「配当利回り」も変化します。
(3)「中間配当」がない銘柄もあります。
・3月決算銘柄の場合、9月に中間配当を予定する企業が多いですが、予定していない銘柄も少なくありません。
・今回は抽出条件(7)により、掲載銘柄のすべてが中間配当実施予定銘柄になっています。
(4)「高配当利回り」でも、株価が大きく下げれば、全体の投資損益はマイナスになることがあります。
・業績の変動や、悪材料の出現等による株価の下落には注意する必要があります。
・「高利回り銘柄」等、まぎらわしい表現にご注意ください。
・株価変動に対応するため、リスク分散は有効であると考えられます。図表の銘柄は最低投資単位(100株)での買付金額が20万円未満(諸コスト除く)であるため、投資金額100万円でも5銘柄以上に分散投資が可能になります。
▽当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。