ワーキングメモリに楽しみながらどんどん負荷をかけよう

ワーキングメモリの能力を高くするためには、筋トレと同様に負荷をかけることです。筋肉に適度な負荷を与えることで筋線維が成長し、筋肉が大きくなります。では、ワーキングメモリにとっての負荷とは何でしょう? その1つがスピードです。

たとえば、制限時間内に百ます計算を解く、英単語を5つ暗記する、というのも効果的な負荷になります。スピードに追われることで、ワーキングメモリの情報処理能力が鍛えられます。とはいえ、必要に迫られなければ、こうしたゲームのようなことをやってみようとは思えないでしょう。

そこで、自分が読みたいと思った本で速聴、そして速聴速読をすれば、楽しみながらモチベーションを高く維持できるので、ワーキングメモリを鍛える訓練としては最適なのです。

脳科学者の久保田競先生がおっしゃるには、楽しんで取り組むと脳の腹側被蓋野や側坐核が活性化し、快楽を伝達する脳内物質のドーパミンが分泌されるそうです。するとその影響によってワーキングメモリがある前頭連合野はもちろん、身体の動きをつかさどる運動連合野、記憶を助ける海馬の働きもよくなるのです。

同じく脳科学者の定藤規弘教授も楽しむことでワーキングメモリの増強につながる可能性を示唆しています。というのも、楽しいことをしているときのポジティブな感情で活性化する脳の領域(吻側前部帯状回)は、ワーキングメモリがある脳の領域の一部だからです。

自分が聴きたい、学びたいと思ったオーディオブックでもかまいません。自分の成長が感じられるものであれば楽しんで試せるはずです。

筋トレも、適度な重さから挑戦しないと、ケガをしやすいですし、成長を感じられません。速聴の場合も、遅すぎず、速すぎず、何とか聴き取れるくらいの速さから始めて、どんどん負荷をかけていきましょう。

潜在能力が開花する速聴インプット術
井上裕之(いのうえ・ひろゆき)
いのうえ歯科医院理事長。歯学博士、経営学博士。1963年、北海道生まれ。東京歯科大学大学院修了後、世界レベルの技術を学ぶためニューヨーク大学、ペンシルベニア大学、イエテボリ大学で研鑽を積み、医療法人社団いのうえ歯科医院を開業。自身の医院で理事長を務めながら、東京医科歯科大学、東京歯科大学非常勤講師、インディアナ大学客員講師など国内外の7つの大学で役職を兼任している。その技術は国内外から評価され、特に最新医療・スピード治療の技術はメディア(情報番組「未来世紀ジパング」)に取り上げられ、注目を集めている。世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト(潜在意識の権威)公認グランドマスター。本業の傍ら、世界的な能力開発プログラム、経営プログラムを学んだ末に、独自の成功哲学「ライフコンパス」をつくり上げ、「価値ある生き方」を伝える著者として全国各地で講演を行なっている。著書累計は130万部を突破。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)は、テレビ(「奇跡体験! アンビリバボー」)で紹介され、大きな反響を呼ぶ。ベストセラー『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『なぜかすべてうまくいく1%の人だけが実行している45の習慣』(PHP研究所)など著書多数。

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