この記事は2023年2月8日(水)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「井口喜雄氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2023年2月8日(水)の午後13時すぎにトレイダーズ証券の井口喜雄さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
昨日7日(火)はパウエルFRB議長の発言に注目が集まったが、前回のFOMCと内容に変化がなく、堅調な米雇用を背景にタカ派化すると言われていた分、米ドル/円は下落して週明けの窓埋めも達成。
本日8日(水)日本時間夜に、FRBボードメンバーのウィリアムズNY連銀総裁、バーFRB副議長、ウォラーFRB理事の発言が予定されているので、方向性のヒントを探っていきたい。
一方、日銀総裁人事も緊張感が高まる。日経新聞の報道では(黒田総裁に最も近い)雨宮氏へ政府から打診があったといわれており、円安に振れているが、政府関係者はそろって否定している。日銀総裁人事は、正式に決まるまでヘッドラインに振り回されるのを覚悟しながらとなるだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
足元の堅調な米雇用統計や、ボードメンバーの発言からFRBは年内あと2回の利上げがメインシナリオに見える。であれば今後のデータ次第にはなるが、ドルの上値余地はまだあるだろう。
日銀総裁人事では政府関係者が雨宮氏への打診を否定しているものの、現時点で本命であることは間違いない。このタイミングで名前が出たということは、マーケットインパクトを抑えるために雨宮氏を織り込みにいったと考えるほうが合理的ではないだろうか。
雨宮氏で調整が進む場合は、織り込みも始まっていることから大きなボラティリティは生まれにくいと考えるが、伸び代はまだある。ヘッドライン相場なので報道によって乱高下する可能性が高いが、下がったところがあれば拾っていきたい。
もっとも中曽氏や山口氏といったタカ派で調整となれば、ハト派ムードが漂っていることもあり、円高に吹っ飛ぶだろう。最もタカ派の山口氏であれば、300~400pips程度は円高に飛んでもおかしくはない。仮に米ドル/円ロングのオペレーションであっても、ストップはタイト目に入れておきたい。
▽米ドル/円 の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。