この記事は2023年2月10日(金)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「西原宏一氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=Dilok/stock.adobe.com)

2023年2月10日(金)の午前10時すぎに、現役トレーダーの西原宏一さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

西原宏一
青山学院大学卒業後、1985年に大手米系銀行のシティバンク東京支店へ入行。1996年まで同行にて為替部門チーフトレーダーとして在籍。その後、活躍の場を海外へ移し、ドイツ銀行ロンドン支店でジャパンデスク・ヘッド、シンガポール開発銀行シンガポール本店でプロプライアタリー・ディーラーなどを歴任後、独立。ロンドン、シンガポール、香港など海外ヘッジファンドとの交流が深く、独自の情報網を持つ。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週のマーケットは、8日(水)に報道された下記の記事でマーケットが盛り上がっている。

米政策金利に対するセンチメントの変化が、金利オプションの取引で表面化しつつある。今週に入り複数の大口ポジションがFF金利の6%到達に賭けており、現在の市場コンセンサスより1ポイント近い高い水準を予想していることが伺われる。1月の雇用統計を発端とする潮目の変化を米金融当局者発言がさらに後押しした格好だ。利上げはあと1回、もしくは2回実施した後は打ち止めになるというシナリオは、もはや確実性の薄いものとなった。

(出所:ブルームバーグ)

金利先物市場では、今後の2回の利上げと年末の利下げを織り込んだまま。大口ポジションがFF金利の6%到達に賭けはじめたことは、マーケットのセンチメントが変わってきたことを意味する。 米国の中古車価格もここにきて反転へ。

米国の中古車価格が1月に前月比2.5%上昇した。CPIに算出される中古車価格は昨年、下落傾向が続いて当局のインフレとの闘いを支援してきた。しかし、ここにきての価格上昇は流れが反転することを意味する。レンタカー大手ハーツのスティーブン・シェールCEOは、中古車はオークションと店頭販売の両方で過去5週間に価格が急上昇したと話している。

(出所:ブルームバーグ)

現在の為替相場の戦略やスタンス

要注意は日銀人事。個人的には次期日銀総裁はほぼ雨宮氏だと思っているが、自民党内部から中曽氏という声も高まっているようだ。
【参照:ロイター記事】アングル:最終盤の日銀人事、岸田首相は内外の発信力重視『国際派』に思惑

正式発表が中曽氏だった場合、米ドル/円が1~2円程度下がる可能性もあるが、政策が様変わりするわけでもないため米ドル/円の鍵を握るのは、ドル金利だと考えている。よって、大きなドル高の流れは変わらないだろう。

ただ1~2円はもっていかれる可能性があるため、ポジションコントロールには要注意。日銀人事というバンカーをうまく乗り切り、ドル金利の動向を見ながら、米ドル/円の押し目買い継続で臨みたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

*:当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。