本記事は、渡部清二氏の著書『プロ投資家の先を読む思考法』(SBクリエイティブ)の中から一部を抜粋・編集しています。

投資
(画像=RerF / stock.adobe.com)

株価チェックをやりすぎない

株式投資をする上で、市場の動向を知り景気の転換点に気づくことはきわめて重要なことです。

しかし、この「市場に敏感になる」とは逆のことを申し上げるようですが、ご自身の持株の株価チェックを頻繁に行うのは控えることをおすすめします。

その理由は、持株の株価チェックを始めるとキリがないからです。下手をすると、株式市場が開いている間はずっと気になって、他のことが手につかなくなります。

おそらく株式投資の経験のある人なら、誰もが一度はそんな状態に陥ったことがあるのではないでしょうか。

上がれば上がったで気分が高揚し過ぎて仕事どころではなくなりますし、下がれば下がったで心理的ダメージが大きくなります。イライラして「絶対にリベンジしてやる!」という気持ちになって、本当は買わないほうがいいタイミングなのに平均購入単価を引き下げるために同じ銘柄を買い増しする人もいます。

「まだ上がっていない株なら値上がりが期待できるだろう」と、銘柄についてよく調べもしないで安い株を買いあさる行動に出るなど、およそ冷静とは言い難いアクションを起こしがちになるのです。

これを防ぐいちばんの方法が「株価チェックをやりすぎない」ということです。もちろんまったくチェックをせずに放置しっぱなしもよくありません。

具体的な頻度としては、持ち株の株価チェックは四半期、すなわち3カ月に1度くらいがちょうどいいと私は思います。

四半期に1度の四半期決算か、『会社四季報』の出版に合わせて株価チェックをしつつ、持ち株の見直しをするようにしましょう。

このまま持ち続けてもいいと思えればそのまま保有すればいいですし、あまり期待できないと感じたら売却するようにします。

また、株の取引を避けるべきタイミングがあります。それは体調がよくないときです。

相場がどんなによくても、自分が体調不良だと誤った判断をしがちですので取引はしないようにしましょう。

投資に悲観論は一切不要

一時期、「もう日本の株式市場はダメだ」「日本沈没」のように言われていた時期がありました。マスコミ的にも日本総弱気、どこまでダメになるか、そういった話が受けるというので盛んに取り上げられていましたね。

私はそれを苦々しい思いで見ていました。だって、暗いじゃないですか。

投資は未来を見据えて行うものですし、そもそも株式投資の本質は「会社を応援すること」です。その会社に、もっと多くの人に受け入れられて、人々を幸せにするような商品なりサービスなりを提供してもらいたいという思いで行うものだと思うのです。

なのに最初から「もう日本はダメ」と決めつけてしまったら、「自分が応援しようと思って株を買った会社もダメ」ということになってしまいます。

株主というのは、その会社のファンなのです。

たとえば芸能人のファンの飲み会があったとして、その芸能人の悪口を言いますか? 「あの人、あそこがよくないよね。性格悪いよね」なんてまず言わないでしょう。そんなことを言っても盛り上がるはずがありません。

ディズニーランドでミッキーマウスの悪口を言う人だって絶対にいないでしょう。

それと同じと考えてください。

株主はその会社の第一のファン。そのため、悪口など言わないほうがいいのです。いいところを見つけて、将来その会社が社会貢献をして、多くの人に支持され愛されているところを思い描きましょう。

ちなみに、株式を売るのを仕事にしている証券マンは基本的に性格が明るいです。これも「相場が悪くなる」と思って仕事をしている人がいないからでしょうね。

相場はこれからどんどんよくなる、お客様にも喜ばれる …… そんな気持ちで取り組み、明るい未来を思い描いているので、自然と性格も明るくなるのです。

こう言っては語弊があるかもしれませんが、証券マンに比べて「お金を貸す立場の人」(あえて〇〇マンとは言いません)は悲観論者が多いような気がします。

貸したお金を返してもらえるか、どれだけ貸したらどれくらいの利息が取れるかばかり考えているから …… と言ってしまったら言い過ぎになるでしょうか。

でもこの推察、当たらずとも遠からずだと思うのですが。

2カ所で聞いた話には信ぴょう性がある

株式投資の判断は、最終的には自分で行うようにしましょう。さらにいえば、自分の直感に従うべきです。

ただしこれは「最終判断をする場合」です。

事前の情報集めの段階では、私は2カ所(2人)から悪い話を聞いたらやめるようにしています。この「2」というのがポイントです。

1人だけから聞いた話であれば、その人の好みや主観によるものかもしれません。ところが、2人から聞いたとなると俄然信ぴょう性が高まるのです。この2人が別々の組織なりグループなりに所属していれば、さらに信頼するに足る情報になります。

逆もしかりです。たとえば、私自身に関してはこんなことがありました。

私が創業まもなくで無名だったとき、ある人がMXテレビで放送される「ストックボイス」の出演者として私を推薦してくれました。

ところがストックボイスの岩本秀雄副社長の話によれば、まったく別の人が同じ時期に「渡部さんは株式の解説が上手だよ」と推してくれていたというのです。

岩本副社長は「この2人が推薦してくれる人なのだから間違いないだろう」と判断して、無名の私を起用してくれたというわけです。

「2カ所で悪い話を聞いたら投資をやめる」「2カ所でいい話を聞いたら投資先として検討する」。これをあなたの投資マイルールに加えていただければと思います。

プロ投資家の先を読む思考法
渡部清二
複眼経済塾 代表取締役塾長1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。25年以上継続しており、2023年秋号の会社四季報をもって、計104冊を完全読破。2013年野村證券退社。2014年四季リサーチ株式会社設立、代表取締役就任。2016年複眼経済観測所設立、2018年、複眼経済塾に社名変更。2017年3月には、一般社団法人ヒューマノミクス実行委員会代表理事に就任。テレビ・ラジオなどの投資番組に出演多数。「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。『インベスターZ』の作者、三田紀房氏の公式サイトでは「世界一『四季報』を愛する男」と紹介された。近著に『会社四季報の達人が全力で選んだ10倍・100倍になる!超優良株ベスト30』(小社刊)、『四季報を100冊読んでわかった投資の極意』(ビジネス社)などがある。〈所属団体・資格〉公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト神社検定2級、日本酒検定準1級、大型自動車免許

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