健康意識の高い中国人 医療ツーリズムも

中国人富裕層の最大の関心の一つが健康の維持であることは上に述べたが、実際に来日する中国人富裕層の間でも、日本の健康食品や化粧品へのニーズは大きい。もちろん、このような健康食品や化粧品は中国でも買うことができる。しかし中国では偽物が多く出回っている上、中国人の間でも『日本で売られているものの方が高品質』と信じられている場合が多く、日本のドラッグストアでの大量購入につながっている。

また、ここ数年、日本への観光とともに医療サービスを提供する医療ツアーの人気を高まりつつある。例えば、徳島県では中国からの観光客誘致の一環として『医療ツーリズム』に取り組んでいる。また全国的には、がんの予防医療のために来日するツアーが人気を集めている。


狙われる東京の不動産

さらに、ここ数年中国人富裕層の注目を集め始めているのが日本の不動産である。特に東京の不動産は2020年東京オリンピックに向けた値上がりへの期待と、上海など中国の不動産の割高感から、中国・台湾の富裕層を中心として投資が増加しつつある。この動きに合わせ、日本の不動産販売会社も中国富裕層向け営業強化を図るなど、海外富裕層向け不動産取引は盛り上がりを見せている。


『爆買い』の中国人購買力を更に伸ばすのが鍵

日本政府もこのような中国人富裕層による消費を取り込むための政策導入をすすめている。10月1日から始まった外国人観光客向け消費税免税措置の拡大はその一つだ。

この影響で、日本での銀聯カード(銀聯ブランド(UnionPay:ユニオンペイ)が付与されたキャッシュカードやクレジットカードのこと)使用による消費は、2014年10月1~7日の期間だけでも前年同期比3倍にもなった。

また今年6月に閣議決定された成長戦略の中でも『観光業の拡大』が盛り込まれるなど、中国人をはじめとした観光客の景気回復への取り込みが課題となっている。今回の衆院選後、どの党が政権を担うにせよ、今後も中国人の購買力をどう取り込んでいくかは、今後の日本にとって非常に重要なテーマになることは間違いない。

(ZUU online)

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