この記事は2024年12月12日(木)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「神田卓也氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


FXトレード戦略
(画像=SKIMP Art/stock.adobe.com)

2024年12月12日(木)の10時時点に外為どっとコム総合研究所の神田卓也さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所取締役調査部長上席研究員。1987年福岡大学法学部卒業後、第一証券を経て、1991年メイタン・トラディション入社。インターバンク市場にて、為替・資金・デリバティブ等の取引業務を担当し、国際金融市場に対する造詣を深める。2009年7月外為どっとコム総合研究所入社。

現在の為替相場の傾向や相場観

注目された昨日11日(水)の米11月消費者物価指数(CPI)は高止まりしたもののほぼ予想通りで、市場は12月利下げの妨げにはならないと判断。Fedウォッチが示す利下 げの確率は88.9%から98.6%へと上昇した。

もっとも、トランプ大統領が就任する来年はさらにインフレが鈍化しにくくなるとの見方が根強く、米債市場では2年以上の長期金利がむしろ上昇している。

一方、日銀についてはブルームバーグが利上げ先送りを示唆する関係者のコメントを伝えたことで12月の利上げ見送り観測が一段と高まった。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)の12月利上げの織り込みは前日の23%から19%へと低下。来年1月の利上げ織り込みも70%ほどにとどまっている。

そうした中、米ドル/円は2週間ぶり152.80円台まで上昇。11月27日以来の153円台回復に向けては、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測後退でドルが買われやすく、日銀の利上げ観測後退で円が売られやすい地合いが続くかどうかが焦点となろう。

ただ、来週のFRBの利下げと日銀の利上げ見送りを市場がほぼ織り込んだことを考えると、米ドル/円の上値余地は限られそうだ。

現在の為替相場の戦略やスタンス

現在153.10円台にあり、来週には153.80円付近へせり上がる週足一目均衡表の雲上限が上値を抑えるだろう。とはいえ、米ドル/円の下値も限定的と見られ、200日移動平均線が位置する152.00円付近は下値支持となろう。

本日の米ドル/円は152円台で推移する時間帯が長くなりそうだ。

なお、NYタイムに発表される米11月生産者物価指数(PPI)や米新規失業保険申請件数は米ドル/円の値動きに対する決定打にはならないと見ている。

▽米ドル/円 日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。