本記事は、ミニマリスト Takeru氏の著書『お金の増え方は9割部屋で決まる』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

富と幸せのバランスを考える
最後に、あなたに「富と幸せのバランス」について考えてもらいたいと思います。
あなたは、このような経験がないでしょうか?
- 節約を頑張りすぎて心が貧しくなってしまった。
- 貯蓄を増やすために仕事を頑張りすぎてしんどい。
- 投資にお金を回しすぎて、今を楽しめていない気がする。
- 資産は増えたけど、仲の良かった友達と疎遠になった。
- ケチになりすぎて、家族とお金にまつわる喧嘩が増えた。
- 資産額は増えたのに、思ったより幸福感が少ない。
- 仕事も頑張りたいけど、家族との時間も作りたくて葛藤する。
このように、資産形成のために節約や仕事、投資を頑張ろうとすると、「幸せ」から遠のくようなジレンマを実感することがあります。
もちろん、資産が増えることで人生の可能性も広がるし、安心感も増すのですが、「資産の増加=幸せ」と盲信するのは注意が必要です。
僕にもそういう時期があり、資産は順調に増えているけど、お金の価値観の違いで家族との喧嘩が増えたり、友達と疎遠になったり、仕事を頑張りすぎてしんどかったり、旅行や趣味の時間がなくなって心の豊かさを失ったこともありました。
僕がこの経験からあなたに伝えたいことは、確かに「将来のために資産を築くこと」は大事ですが、その一方で「今を幸せに生きること」も重要だということです。僕は、常々「自分の幸せ」「家族との幸せ」について考えるようにしています。
あなたも今一度、「幸せ」について考えてみてください。そして、あなたにとっての幸せとは何でしょうか? 幸せな状態とは、どんな状態でしょうか?
[例]
- 健康でいること。
- 家族が元気でいてくれること。
- 毎日8時間寝る。
- 働きすぎない生活。
- 子どもや妻(夫)が笑顔でいること。
- 経済的な不安がないこと。
- 生活費が低く、少しの労働でも暮らせる状況。
- 十分な資産があること。
- のんびり暮らせること。
- ストレスが少ない生活。
- 仕事のやりがいや充実感を感じる。
- 自分の好きなように働く。
- 定期的に友達に会って遊ぶ。
- 毎日家族と一緒にご飯を食べる。
- 趣味の時間を楽しむ。
- 定期的に家族と旅行を楽しむ。
きっと、他にもあるでしょう。つまり、幸せを手にするには「資産の増加」だけではないはずです。今一度、「何のための資産形成なのか」を再確認しましょう。
僕は、「自分や家族の幸せ」と「将来への備え」のバランスを取りながら、目標資産額を修正することもあるし、仕事量や節約の度合いを調整したり、毎年資産計画を考えたりしています。
無理に資産を築こうとすれば、必ず何かを犠牲にしなければなりません。すると、お金よりも大事なはずの家族や友達が離れてしまったり、健康を害してしまうこともあるし、心を満たしてくれる趣味の時間まで失ってしまうことがあるので注意してください。資産形成を焦るほど、大事なものを失うリスクが高くなってしまいます。
その上、焦れば焦るほどハイリスクの金融商品に手を出して大金を失ったり、リスクの高い投資方法で大損してしまうこともあり得ます。貴重な資産を失っては本末転倒です。
だからこそ、焦って資産形成をすることがないように、自分や家族にとっての「幸せの形」を明確にしておくことが重要です。焦らずじっくり富を築いていけば大丈夫です。ほどよく資産形成にお金を回しながら、心満たされるライフスタイルに近づけていきましょう。そうすれば、資産形成の過程も楽しむことができるはずです。
- ココがポイント!
- 資産形成を焦るほど、大事なものを失うリスクがある。
- 「将来の備え」と「今の幸せ」のバランスを取る。
- 自分や家族にとっての幸せの定義を明確にする。
- 今、幸せになれることにもお金を使う。
- 資産形成の過程も楽しむことが大事
