マクロ経済スライドだけで解決しない本質的な年金問題

既に20代、30代の多くは払った掛け金が自身の年金に戻ってくることはなさそうだと薄々感じていることと思われるが、実は事態は想像以上に深刻である。年金受給者は年を追う毎に増加し、保険料納付者が減ろうとしているのが今の日本の実態である。2040年における日本社会、つまり25年後の社会は65歳以上の人口が3900万人となり、昨年から約18%増加することになる。一方、労働人口は5000万人程度で昨年における労働人口6500万人から17%も減少することが見込まれている。しかも高齢者の労働参加がかなり積極的に行われることを想定した数字であり、現状のままであれば労働人口は4500万人。この数字から見てもわかるように、既に日本では2人の労働者が1人の年金受給者を支える数字を切っているという状況に陥っているのだ。もはや1人で1人を支える時代へと近づいているのである。


抜本的な解決が急務

人口増加をベースとした高度成長期には、現在の年金制度が国民に大きなベネフィットを与えてきたシステムであったことは間違いない。しかし今後の年代別人口構成と老齢化を見る限り、保険料を引き上げ、受給額を減額する方向で年金改革を行ったとしても、ごく近い将来に制度自体が行き詰まることはもはや間違いない。
今の年金制度は、若者もこれから年金受給対象となるシニアも、年金をあてにしない生き方を真剣に考える時期が来ていることを強く示唆しているといえる。

(ZUU online)

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