FinTech ベンチャーのおカネの使い方の哲学とは?

山口社長: それでお伺いしたいのは、お金を使うというのは、これでいけるという勘所の使い方、集中してドカーンとツッコむタイミングはあると思うんですね。ここだー!っていう。それを、見極めるためにはどんなちょこちょこお金を使うのかもしれません。ただ一点集中して見つけたらそこにドーンといくんだといったら、まあもしお金を調達できたとして、今度は使う側ですね、どこで使うんだというところの直感ってどこから来るんですか?

松本会長: ちなみに、当社においてお金を使う場所っていうのは広告じゃなくて技術ですね。技術の方がおそらく広告、マーケティングの20倍から50倍くらい(の資金が)必要になるので。技術関係の投資がもうダントツに高くて。

これってすごい難しくて、技術ってちょっとするともう陳腐化しちゃうので、すごく怖いんですけれどね。でもまあ直感…直感はでも、わかんないけど結局経営者って結果責任なので、間違えたら辞めるしかないし(笑)。

さらに、今は情報技術の部分のほうがもう全然ヘビーですよ。ハードウェアもあるし、ソフトウェアというか開発する部分もあるし、あとネットワーク周りとか、やっぱり情報技術の部分が、いくら安くなったと言っても、うちみたいな会社だとやっぱりそれがもう膨大ですよね。

山口社長: その判断を金融畑の松本さんが、するっていうのは難しいものなのでしょうか?それとも…。

松本会長: いやもう、めちゃくちゃ難しいですよね。でも、それが出来なくなったら辞めるしか無いと思いますけれども。それをできるように、参謀というかスタッフを揃えるとか、あるいはそれのサジェスチョンをもらえるような社外取締役を入れるとか、色々な形で情報とかアドバイスを得たりディスカッションしたりするわけです。それは簡単ではないけれども、できなくなったら辞めなければいけない。そういう風にならないように、しっかり判断できるような材料はちゃんと集めなきゃいけないんだと思います。

森川代表取締役:自分の直感をあんまり信じていなくて。直感でやるとだいたい半分くらい失敗しますし、失敗するともうおしまいですからね。全く何もないところに何かを作るっていうのはなかなかリスクが高くて、ほとんど失敗するんですよね。でも3回それをやって失敗したらもうおしまいですから

ですからなるべく直感ではなく。多分張る時って言うのはなだらかなままでいって、このままだと大きく伸びなくて次の階段に登るタイミングだと思うんですよね。その時はなだらかなものがどんどん非効率になってきたりとか、それこそ下がり始めたら次をやらないといけないので、たぶんそこにマーケティングなのか、新規事業なのか、なにか大きな方向性が必要で。そこは多分、次の波をどう掴むかとかそういう話だと思うんですけど

そこはやっぱり数字が大事かなと思ってて。。だから世界中の流れを見て、先行指標がどこかにあるはずだと思うんですよね、いくつかターゲットによって。その動きを見ながら周期を予測して、いいタイミングで出すというところかなと思うので。常に先行指標を見ながら、だいたいどのあたりに来ているとか、いつ頃来そうだというのをパロメーター化して、ちょこちょこ見るようにはしていますね。

松本会長: 案外その、演繹的ではなくて帰納法的なんだと思うんですよね、我々の仕事って。見た目はすごいたぶん突飛押しもないことをしているように見せるほうが得なんですけれども。実際にやっていることってかなり、色々な情報を収集して、先行指標とかを見たりして、帰納法的に決めていることが本当多いんじゃないかと思いますけどね。

森川代表取締役: 競争はそんなに厳しくないからやりやすくて、明らかに顕在化しているのにNOという人が結構多いので、そういう意味だとやりやすいかもしれないですね、非常に。

松本会長:もう過去の話なんですけど、トレーダーとしてはかなり優秀なトレーダーだったんですけど。

トレーダーの立場でいってもやっぱり、トレーダーに天才なんていないんですよね。あれは一見そういう風に見えるようで、本当に草刈りをして、下作業をしっかりやり、常にPDCAというかトライアンドエラーで、仮説を立てて、それのフィードバックを得ています。で、マーケットが絶対であり、いっつもマーケットを理解する、自分を理解させるんじゃなくて、マーケットに自分をあわせていくという、それの繰り返しであり、それが出来る人がトレーダーとして大成するんだと思うんですよ。

経営者もそうなのかどうか、まだ私には見切れていないのでわからないんですけど、少なくともトレーディングなんかでもそういうことが言えると私は思いますね。

山口社長: ありがとうございます。まさに今PDCAというお話が出ましたけれども、すごく大事だなと思っていて。勉強のできない人って問題集をずっと解く作業ですよね。

勉強出来る人にとっては、問題集を解くっていうことは作業に過ぎなくて、勉強ではないと。勉強というのはプランを立てて、作業をして、それをマネーフォワードみたいにトラッキングをして、そしてフィードバックを受けて、何が上手く行かなかったか、で、もういっかいまた違うやり方をやるという、これを回し続ける。

そうすると今日伺っていて、会うといつも松本さん明るいんですけども、つまり挫折がないといいますか、「上手くいかなかったやり方がありましたね」という風な感じで、回し続けるというか、それがすごく3人とも非常に得意で、だからトラッキングするし、だからフィードバックを受ける、そしてプランを変更する、そんな流れをすごく感じております。(ZUU online 編集部)

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