― 海外ETFを購入する際の注意点などについて、アドバイスをお願いいたします。

塩田: 取引の際には、通常、証券会社で外国証券取引口座を開設する必要がありますが、当初の口座開設の時点で、同時にその手続きがされている場合もありますので、まず取引先の証券会社に確認してください。

また海外ETFの売買や配当金の課税に関して、特定口座に対応していない証券会社がありますので、それも合わせて確認されることをお薦めします。課税関係でいえば、NISAでの取り扱いについて、外国株式や海外ETFは制度的には対象となるものの、各証券会社によってその対応は異なります。

特に外国株式や海外ETFの配当金を、課税ゼロで受け取るには、証券会社の取引口座で配当金を受け取る「株式数比例配分方式」を事前に選択する必要があります。

NISA口座で、仮にゆうちょ銀行など郵便局で受け取る「配当金領収証方式」や指定の銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」「個別銘柄指定方式」を選択すると20%の税率で源泉徴収されますのでご留意ください。

投資の観点でいえば、海外ETFの取引通貨とそのETFの対象指数の評価通貨が異なる場合には、その投資によってどのような為替リスクを負うのか、または負わないのかを十分に調べることが必要です。

最近では、対象指数に対して為替ヘッジが付されているケースも多く、その場合、投資家は為替リスクをヘッジしながら、対象指数に投資する効果を得られます。

特に米国には多くのETFが上場し、取引通貨は米ドルであるものの、仮に中国株に連動するETF(中国元に関する為替ヘッジがされていない場合)であると、投資家は日本円/米ドルではなく、日本円/中国元の為替レート変動の影響を受けることになります。

― 最後に、海外ETFの魅力について、個人投資家の皆さまへメッセージをお願いいたします。

塩田: 外国、特に米国はETFの先進国であり、随時さまざまなインデックスが開発され、ETFとしてどんどん上場し、人気化した銘柄は何兆円もの資金が集まる一方、人気がない銘柄は上場廃止という形で淘汰されています。まさに ETF 業界にも、目に見える形での競争原理が働いています。

世界からさまざまなアイデアが集まる見本市のような米国ETF市場は、ゆえに信託報酬率などのコスト競争も激しく、投資家の観点からは好ましい市場といえましょう。

今後の世界経済の動向を見据えた時、そのシナリオのもとで自分の運用資産がどのように変化するか、とるべきリスクは積極的にとっていき、場合によってはヘッジするなど臨機応変な資産構築を行うのに適した金融商品が海外 ETF です。

多様性に満ちた海外 ETF が、日本の個人投資家の資産形成の一助になることを願っています。

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(提供: 野村インベスター・リレーションズ


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