ソロス
(写真=Getty Images)

昨年話題をさらった債券王ビル・グロス氏のジャナス・キャピタル・グループ移籍にともない、5億ドル(約603億4748万円)を投資して太っ腹なギャンブル魂をみせたジョージ・ソロス氏。しかしその後わずか1年足らずで完全撤退していたことが、複数のメディアによって報じられた。


「厄」の残るグロス氏 相次ぐ顧客離れ

自らの手で育てあげたPIMCO(パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー)を昨年追われるように退任。その後PIMCOの顧客を引き連れてジャナスに移籍したグロス氏。自身のネームバリューと「世界一の投資家」ソロス氏が大金を投じたことで、ジャニスの株価は一時的に37%高騰した。

「PIMCOの逃がした魚は大きい」と世間に証明できるかと思われていたのも束の間、PIMCO末期からつきまとう“厄”は払われておらず、期待されていた『無制約の債券ファンド』も今年初頭から10月末日までは1.5%減(モーニングスター調べ)。ベンチマークは0.22%上昇しているが、ライバルの類似商品と比較してみると74%も低迷しているという。

また今年9月の時点で、資金流出が(4550万ドル/約54億9162万円)が流入(3560万ドル/約42億9674万円)を上回っていたという事実も、ソロスを含む従来の顧客をつなぎとめておく上で有利には働かなかっただろう。


ソロス氏大物の貫禄 負け勝負は引き際が肝心

グロス氏はジャナス移籍直後、面識はあったが親しい関係ではなかったソロス氏による投資の申し出に、「おめがねにかなった上に儲けさせてもらえるとは名誉なことだ!」と狂喜のコメントをTwitterに投稿。

当時“古巣を追われた債券王”が新しい環境で、PIMCO黄金時代の勘を取り戻せるかどうかか焦点となっており、ソロス氏の決断を危険なギャンブルと見なす投資家は多かった。今回の撤退に関しては一切コメントを控えているソロス氏だが、大物投資家らしく自分の負け勝負を潔く認め、被害を最小限に留めるために速やかに退散した——というところかと推測される。

ソロス氏が正確にはいつジャナスから撤退したかは明らかにされていないが、今年6月に米ヘッジファンド調査会社、イーベストメントに記録されていた口座残高(4億9000万ドル/約591億4053万円)が9月には消滅していたため、その3カ月間に引き上げられたものと思われる。


「グロス氏は債券業務にかけてはベストのマネージャー」ジャナスCEOワイル氏

顧客は勿論、ウォール街のアナリスト達にも「そろそろ潮時だ」と匙を投げられ気味の業績不振、未だ進展を見せないPIMCOとの訴訟問題、そしてある意味防波堤の役割を果たしていたであろうソロス氏の撤退発覚−と、ここ数年にわたるグロス氏の心労の種は計りしれない。

しかし三下り半を突きつける者がいる一方で、「ジャナスの『無制約の債券ファンド』は儲けが出るはずだった。今のところグロス氏の読み通りに行っていないだけの話だ」と債券王の復活を信じてやまない『グロス信者』をはじめ、ジャナスのディック・ワイルCEOも「債券業務にかけては、我が社のマネージャーより優れた人材は存在しない」とグロス氏を強くサポート。

逆風にも怯むことなく支え続けてくれる人々の期待に、今後グロス氏が応えれる日が訪れることを期待しよう。 (ZUU online 編集部)

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