格付け,ブラジル,韓国
(写真=Thinkstock/Getty Images)

12月16日、格付け会社フィッチ・レーティングスはブラジルの長期外貨建て債務の格付けを「ダブルBプラス」に1段階引き下げることを発表した。すでにスタンダード・プアーズ(S&P)も同国債を「投機的」としていた。日本国内にはブラジル・レアル建の債券や投資信託を保有している投資家が多くいるため、この格下げには多くの投資家の関心が集まった。

その一方で、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、韓国の発行体および債券の格付けを、従来の「Aa3」から同国として過去最高水準となる「Aa2」に引き上げた。韓国の格上げに対し、「経済情勢が良くない韓国がなぜ格上げなのか」と疑問を感じたはずだ。

なぜムーディーズは格付けを引き上げたのか

9月16日、S&Pは日本国債の格付けを「ダブルAマイナス」から「シングルAプラス」に1段階引き下げたことを発表している。昨年12月にはムーディーズ・インベスターズ・サービス、今年4月にはフィッチ・レーティングスが日本国債を格下げしている。格付け会社の評価を見る限り日本と韓国に対する評価の差は歴然としている。

韓国の格上げの理由はこうだ。「韓国の極めて頑強な制度は構造改革の継続を支援し、経済および財政の回復力をさらに高めるだろう」と指摘するとともに、「韓国の経済および財政は同じ格付けの他の国と比べて強く、外需が弱含む中でも力強さを維持する可能性が高い」としている。一方、日本の格下げに対しS&Pは「日本経済が期待したほどの早さで回復せず、平均所得も十分上がっていない」とコメントしている。

格付け会社は日本よりも韓国を高く評価しているという事実は間違いない。

格付会社は何を評価しているのか

そもそも格付けとは、債券の元利金支払いの確実性等を専門的な第三者である格付会社が評価し、その信用度を表したもの。格付け会社が行う評価は一般的に、アルファベットで表示される。最も評価が高く安全な格付けが「AAA(トリプルA)」だ。格付けが低下するにつれ、「AA=ダブルA」、「A=シングルA」といった具合に文字の数が少なくなる。さらには次のアルファベットはAからBへと移行していく。

彼らが評価の対象としているのは、政府債、社債、譲渡性預金証書(CD)、地方債、優先株、債務担保証券(CDO)や不動産担保証券といった幅広い債券だ。

格付け会社はこれらの債券について利息や元本を期日通りに払えない可能性の大小を評価しているのだ。格付会社の評価に対し不信感を抱いている人が多いことも事実だ。1997年の通貨危機直前、韓国の格付けは当時としては最高レベルのものだった。S&Pは95年5月に韓国に対する格付けを「AAマイナス」に引き上げ、97年10月までそれを維持していた。ムーディーズも90年4月に韓国の格付けを「A1」に引き上げ、97年11月まで据え置いていた。

しかし、現実は96年に経常収支赤字が230億ドルを超え、対外的な健全性が揺らいでいた。そして97年に韓宝鉄鋼、三美グループ、起亜自動車などの破綻が相次いだのだ。

格付会社のビジネスモデルに問題あり?

上記の例は格付会社の評価が必ずしも正しくないことを示している。その背景には格付会社のビジネスモデルにある。投資家は一切の手数料を支払うことなく格付会社が行った格付を利用していることを忘れてはならない。ごく当然のように、格付というビジネスモデルでは債券発行体が格付け会社に対して、債券の格付けに必要なコストを負担し、投資家はこの格付け情報を無料で利用しているのだ。

投資家は公正中立な評価として格付を利用する立場にある。格付会社は投資家の利益を優先し格付を行うべきである。しかし、格付会社の収益は投資家とは利害関係が対立する発行体からの手数料なのだ。ニューヨークに本社を置くムーディーズとS&P、そしてロンドンに本社を置くフィッチ・レーティングスは、ビッグスリーとして世界の格付けの98%を手がけているとまで言われる。

投資家にとって不可欠な分野で圧倒的な優位性を持つこれらビッグスリーが、投資家と利害関係が対立する債券発行体から手数料を受け取るビジネスモデルであることを投資家は考慮すべきではないだろうか。このビジネスモデルが公正なマーケットを歪めている可能性を否定することはできない。 12月16日、格付け会社フィッチ・レーティングスはブラジルの長期外貨建て債務の格付けを「ダブルBプラス」に1段階引き下げることを発表した。すでにスタンダード・プアーズ(S&P)も同国債を「投機的」としていた。日本国内にはブラジル・レアル建の債券や投資信託を保有している投資家が多くいるため、この格下げには多くの投資家の関心が集まった。

その一方で、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、韓国の発行体および債券の格付けを、従来の「Aa3」から同国として過去最高水準となる「Aa2」に引き上げた。韓国の格上げに対し、「経済情勢が良くない韓国がなぜ格上げなのか」と疑問を感じたはずだ。

なぜムーディーズは格付けを引き上げたのか

9月16日、S&Pは日本国債の格付けを「ダブルAマイナス」から「シングルAプラス」に1段階引き下げたことを発表している。昨年12月にはムーディーズ・インベスターズ・サービス、今年4月にはフィッチ・レーティングスが日本国債を格下げしている。格付け会社の評価を見る限り日本と韓国に対する評価の差は歴然としている。

韓国の格上げの理由はこうだ。「韓国の極めて頑強な制度は構造改革の継続を支援し、経済および財政の回復力をさらに高めるだろう」と指摘するとともに、「韓国の経済および財政は同じ格付けの他の国と比べて強く、外需が弱含む中でも力強さを維持する可能性が高い」としている。一方、日本の格下げに対しS&Pは「日本経済が期待したほどの早さで回復せず、平均所得も十分上がっていない」とコメントしている。

格付け会社は日本よりも韓国を高く評価しているという事実は間違いない。

格付会社は何を評価しているのか

そもそも格付けとは、債券の元利金支払いの確実性等を専門的な第三者である格付会社が評価し、その信用度を表したもの。格付け会社が行う評価は一般的に、アルファベットで表示される。最も評価が高く安全な格付けが「AAA(トリプルA)」だ。格付けが低下するにつれ、「AA=ダブルA」、「A=シングルA」といった具合に文字の数が少なくなる。さらには次のアルファベットはAからBへと移行していく。

彼らが評価の対象としているのは、政府債、社債、譲渡性預金証書(CD)、地方債、優先株、債務担保証券(CDO)や不動産担保証券といった幅広い債券だ。

格付け会社はこれらの債券について利息や元本を期日通りに払えない可能性の大小を評価しているのだ。格付会社の評価に対し不信感を抱いている人が多いことも事実だ。1997年の通貨危機直前、韓国の格付けは当時としては最高レベルのものだった。S&Pは95年5月に韓国に対する格付けを「AAマイナス」に引き上げ、97年10月までそれを維持していた。ムーディーズも90年4月に韓国の格付けを「A1」に引き上げ、97年11月まで据え置いていた。

しかし、現実は96年に経常収支赤字が230億ドルを超え、対外的な健全性が揺らいでいた。そして97年に韓宝鉄鋼、三美グループ、起亜自動車などの破綻が相次いだのだ。

格付会社のビジネスモデルに問題あり?

上記の例は格付会社の評価が必ずしも正しくないことを示している。その背景には格付会社のビジネスモデルにある。投資家は一切の手数料を支払うことなく格付会社が行った格付を利用していることを忘れてはならない。ごく当然のように、格付というビジネスモデルでは債券発行体が格付け会社に対して、債券の格付けに必要なコストを負担し、投資家はこの格付け情報を無料で利用しているのだ。

投資家は公正中立な評価として格付を利用する立場にある。格付会社は投資家の利益を優先し格付を行うべきである。しかし、格付会社の収益は投資家とは利害関係が対立する発行体からの手数料なのだ。ニューヨークに本社を置くムーディーズとS&P、そしてロンドンに本社を置くフィッチ・レーティングスは、ビッグスリーとして世界の格付けの98%を手がけているとまで言われる。

投資家にとって不可欠な分野で圧倒的な優位性を持つこれらビッグスリーが、投資家と利害関係が対立する債券発行体から手数料を受け取るビジネスモデルであることを投資家は考慮すべきではないだろうか。このビジネスモデルが公正なマーケットを歪めている可能性を否定することはできない。(ZUU online 編集部)

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